人類最後の都市へと向かい、世界の謎と自身の記憶へと迫るアクションRPG『AI LIMIT 無限機兵』プレイレポート

朝比奈 / Asahina

2025/03/30

本稿は事前にレビューキーをご提供いただき、執筆しています。

AI LIMIT 無限機兵』は、滅亡の危機に瀕している遠い未来の世界を舞台にした、三人称視点のSFアクションRPGだ。中国のゲーム開発スタジオ"Sense Games"が手掛ける。

数百年前に起こった原因不明の大災厄により、生態系は乱れ、度重なる天災と残り少ない資源を奪い合う戦争により文明が崩壊した終末世界。各地にはいつしか得体のしれない怪物が彷徨い、人類はもはや滅亡の一途を辿っていた。

プレイヤーは、未知の技術によって生み出された人工生命体「機兵」として目覚めた主人公アリサとなり、謎の人物アステリアに導かれるまま、世界を修復するために人類最後の都市ヘヴンズウェルへと踏み込んでいくこととなる。

Steamで10% OFF:AI LIMIT 無限機兵
本作は、文明が滅亡に瀕した遠い未来を舞台にした終末サイファイARPGです。辛うじて生きている人々は「エリュシオン」の伝説を追い、最後の都市ヘヴンズウェルに集う。プレイヤーは再生する力を持つ機兵「アリサ」となり、このモンスターが跋扈する都市の遺跡に、文明滅亡の真実を探り、世界が再生する希望を探そう。

終末世界と危険な敵がアリサを待つ

本作のゲームシステムは、いわゆるソウルライクの要素を持ちつつ、リニアに進行していくエリア攻略型。道を阻む敵を戦って退け、探索中に入手する装備品や経験を糧に自身を強化・成長させながら、そのエリアの終点で強敵を打ち倒すことで次なるエリアへの道が拓けるという形だ。

先述のとおり、アリサは人間ではない未知の力を持った存在で、驚異的な戦闘能力と、たとえ敵に倒されたとしても死ぬことなく再構築可能な体を持つ。彼女に目覚める前の記憶はなく、徐々にそれを取り戻していくことで自身に秘められた謎が少しずつ明らかになっていく。

探索の舞台となる都市ヘヴンズウェルは、旧文明のテクノロジーが息づいてはいるが荒廃しており、わずかに生き残った人間たちも疲弊している。さらに、狂った機械兵やドロビト、ネクロなどと呼ばれる危険な敵に怯えるように生きている状態だ。

各エリアは多少入り組んだところはあるが、基本的にはそのエリアの最深部にたどり着けばボス戦というわかりやすい構造。もちろん、横道に逸れるように探索していくと隠しエリアがあったり、装備品を発見できたり、ショートカットを開通できたりするので、そこはプレイヤー次第といったところだろう。

道中には「晶枝(しょうし)」という、金属製の植物のような物体が植わったスポットがあり、ストーリー的にはこれを辿って修復していくことが目的。

わかりやすく言えばフロム作品における「祝福」や「篝火」に近いスポットで、休息場所・死亡時のチェックポイント・装備品の強化・ステータスの成長・ファストトラベル・使用時には敵が復活するといった、さまざまなの機能を備えたものとなっている。

ソウルライクと言うと"死にゲー"と称される高難易度アクションのイメージが定着しているが、本家と比較すれば難易度はそこまで尖ってはいないという印象。ご存じの方にとっては、作品の雰囲気的にも『Code Vein』のイメージが近いのではないだろうか。

全体的なプレイフィールとしても、物語・戦闘・探索・成長といった要素をバランス良く楽しめる作品となっているので、より多くのプレイヤーに楽しんでほしいという開発チームの意図が感じられる。

手堅い歯ごたえのある戦闘アクション

本作の戦闘は、近接武器を扱った通常攻撃と特殊攻撃(強攻撃/溜め攻撃)に、ステップやローリングによる回避アクションを織り交ぜていくタイプ。その動きは軽快で、スタミナの概念もないので立ち回りやすく感じるだろう。

※ただ、攻撃モーションを回避で上書きするキャンセル行動が利かないというぎこちなさもあるので、この点は今後のブラッシュアップに期待したい。

戦いを繰り広げていく上での特徴の1つが「シンクロ率」と呼ばれる最大100%のエネルギーゲージ。段階的にアリサの攻撃能力に影響し、敵に通常攻撃を加えれば上昇して与えるダメージが増加し、逆に攻撃を受けると減少してダメージも下がっていく。

高く保てば戦闘に有利に働く一方で、武器ごとに備わった固有スキルを使ったり、スペルと呼ばれる特殊兵装を使ったりすることでも消費するので、立ち回りに工夫が必要な仕組みとなっているのは面白いところだ。

武器は長剣・双剣・大剣・槍など、さまざまな種類が用意されていて、探索中に発見したり、ショップで購入したりすることで増えていき、先述の「晶枝」で素材を消費しての強化も可能。

同時に2つまで装備していつでも切り替えられるが、STRやDEXといった能力値によって装備可能なものが分かれるので、使いたい武器に合わせてステータスを割り振るというのも1つの楽しみとなっている(しばらく進める必要はあるが自由に振り直しも可能)。

また、アリサの左腕には赤いガントレットのような「スペルフレーム」が装着されていて、兵装を切り替えることでカウンターや、シールドを展開してガードができるようになる。これらは進行状況に沿ってアンロックされていくもので、回避以外の手段として戦い方に幅が生まれる。

敵の攻撃を見極めることが得意ならカウンターでボスですら完封でき、堅実に戦いたければシールドを多用すればいい。プレイヤーのスタイルに合わせて立ち回りの中に組み込んでいくといいだろう。

都市の中心へ向かい世界の謎を紐解こう

こうした作品は中世ヨーロッパ風の世界観が舞台となっていることが多いが、本作はSF色も濃く、そこが新鮮な魅力ともなっている。キャラクター描写もリアル路線ではなく、トゥーン調で表現されているところも日本人には親和性が高そうだ。

都市の中心へと進んでいくことで少しずつ明らかになっていく、ある種の宗教観を備えた世界の歴史と、失われたアリサの記憶。進め方によってストーリー分岐するルートは世界の見え方を変え、装備品やアイテムに添えられたフレーバーテキストから読み取れる情報も世界観の深堀りに一役買っている。

一度に多くを語らず断片的に見せていく手法は考察のしがいもあり、戦うばかりではなく、それを好むプレイヤーにとっては「わかってるじゃないか」と言わずにはいられないというものだ。

AI LIMIT 無限機兵』は、PC(Steam)・コンソール(PlayStation 5)にて2025年3月27日より配信中。Steamでは体験版も配信されているので、まずはどんなゲームなのか試してみたいという方にもおすすめ。

なお、現時点で一部調整中の項目もあるとのことだが、今後のアップデートやユーザーからのフィードバックによってより良いものとなっていくことが伺えるので、本作に魅力を感じたならば今から手にとってみてはいかがだろうか。


基本情報 AI LIMIT 無限機兵
開発 Sense Games
販売 CE-Asia
配信日 2025年3月27日 / 日本語有り
定価 4,730円(Steam
4,730円(PlayStation 5

この記事で紹介されているゲーム

AI LIMIT 無限機兵

インディー

アクション

RPG

アドベンチャー

日本語対応
10%¥4,257

CODE VEIN

RPG

アクション

日本語対応
¥9,020