『Cheese Moon』は、チーズになった月を舞台に、編成したウサギたちの部隊を突撃させるタワーオフェンスゲーム。オートモードで戦うこともできて遊びやすく、ストーリーを中心に楽しみたい方にもオススメだ。
開発元はホラーアドベンチャーゲーム『Hotel Sowls』を制作したStudio Sott。2024年3月に第2作『Cheese Moon』のクラウドファンディングをCAMPFIREにて実施(プロジェクトページ)。約1年経って、2025年3月28日にSteamにて発売された。
筆者は本作の日本語翻訳と日本でのPRサポートを担当させていただいた。本稿でもゲームの基本的な流れとオススメポイントをお伝えしたい。

つらい労働に耐えてきたウサギの愉快な冒険!
チーズムーン世界の月は、その名のとおりチーズでできている。主人公のウサギの「ピオ」は、鉱山でチーズを掘って働いていたはずが、記憶を失って荒れ地で目覚める。
荒れ地に凶暴なモンスターのようなチーズがいて途方に暮れていたところ、あやしい真っ黒なウサギの「マッド」が現れ、なぜか空飛ぶ円盤をくれるという。
ピオたちは空飛ぶ円盤に乗って月面を進み、さまざまな仲間たちと出会ってチーズや謎の機械と戦いながら、月のウサギとチーズをめぐる巨大な陰謀に近づいていく。

クローンウサギをどんどん召喚しよう!
ステージの探険に向かうと、最大5匹のウサギにより編成された部隊が自動で前進していき、立ちはだかる敵と戦う。タワーディフェンスの逆の「タワーオフェンス」型のゲームシステムとなっている。
ウサギのクローンを次々に召喚して円盤から投下し、タイミングを見計らってスキルを使用してステージを突破しよう。ステージごとにクローンを召喚できる数の上限が決まっていて、ウサギが全滅してしまったらステージ攻略失敗となる。20のステージからなるワールドが5つあり、ステージの総数は100。
クローンの召喚とスキルの使用をオートモードにすることもできるので、幅広いユーザーへの遊びやすさにも配慮されている。


出発前の準備も楽しいひととき
空飛ぶ円盤の「クローン研究室」では、ステージで稼いだコインを使って、ウサギをレベルアップさせて能力値を上げられるほか、同時に召喚できるクローンの数を増やすことができる。
また、「ピオの日記」を読んだり、室内のウサギたちに話しかけたりして、各キャラクターに関する出来事を振り返りながら仲間との旅を楽しもう。

ウサギたちのブラック労働コメディ
本作の魅力は、不思議な月面世界をドット絵で描いたカラフルなビジュアルと、かわいいウサギたちによる笑いと感動のストーリーだ。
つらい労働を強いられる世界を生きながらも、ウサギたちはどこかズレたマイペースな性格。シュールなギャグばかりかと思いきや、仲間たちとの絆や巨悪との戦いが描かれ、クライマックスに向けて盛り上がっていく。ゲームシステムはストラテジー系だが、かわいいドット絵のストーリーゲームが好きな方もオススメだ。
オートモードにすれば操作は楽だが……?
少し気になるのは、一気に畳みかけるためにウサギをできるだけ多く召喚しようとすると、キーを押す回数が多くなってしまう点だ。召喚はオートモードに任せれば楽だが、スキルをムダ撃ちしないようにするにはオートをオフにしておき、スキルを使いたいタイミングで手動操作するか、再びオートをオンにするという工夫が必要となる。
難易度に関しても、発売時点ではまだ少し調整不足なところが残っているかもしれないが、ユーザーからのフィードバックをもとに調整を続けていく予定で、ゲームの難易度はそれほど高くはならない見込みだ。このジャンルのゲームに慣れていない方でも結末まで楽しんでいただけるものにして、長く愛されるゲームになってほしい。

基本情報 | Cheese Moon |
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開発 | Studio Sott |
販売 | Studio Sott |
配信日 | 2025年3月28日 / 日本語あり |
定価 | 920円(Steam) |