2025年5月4日に、東京・浜松町にて開催された「東京ゲームダンジョン8」の出展作品より、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップしてご紹介しよう。
なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。


『Mount Lomyst(ロミスト山のてっぺん)』は、ジャンプを使わずにフックショットと壁登りを駆使して山の頂上を目指す登山系2Dアクションゲームだ。日本の個人ゲーム開発者のHIKO氏が手掛ける。
本作では、7年前にロミスト山に登るといって消息を絶った祖母の行方を捜して、同じ山の頂を目指そうと挑む主人公の姿が描かれていく。今回ブース出展された試遊体験版では、そんな本作のコアとなるアクションについてプレイすることができた。


ジャンプは禁止! フックショットを自在に操ろう
先述のとおり、舞台となるのはロミスト山。ゴツゴツとした岩肌のところどころに雪が降り積もっているようなロケーションで、その岩肌の細かな凹凸や質感が平面的な色の塗分けによってデフォルメされたビジュアルで表現されている。
主人公のメインアクションはフックショットで、上方向と左右に一定距離まで射出して、タッチした場所まで自分の体ごと引き寄せることができる。取りついた天井や壁面には、その状態のままで上下左右への移動が可能だ。

そんな取りついた状態からでもフックショットを飛ばすことができるので、離れた位置にある岩肌へと手を伸ばし、上へ上へと目指して登っていくのだが――何と「ジャンプができない」という制約が設けられている。
ジャンプして隣の岩棚へと飛び移るようなことはできず、同様にジャンプしながらフックショットを引っ掛けるような離れ業もできない。ダッシュジャンプやダブルジャンプなどもってのほかだ。アクションゲームで当たり前のようにできていたことを、いざ取り上げられるとこれほど身動きがし難くなるのかというのを実感させられるかのようだ。

そういうわけで地道にルートを考えていくのだが、岩棚の配置はよく考えられている。例えば、オーバーハングのようになっていてそのままフックショットを飛ばしてもどこにも打ち込めないところでは、壁面からいったん手を放して落下中に隣の岩棚へとフックショットを打ち込むようなテクニックで解決できる。
ただ、これが正解というわけでもなく、他に試遊していた方を覗き見ていると別の手段で突破していて、人それぞれの進み方の幅があるゲームという印象だ。

アクションというよりもパズルを解いているかのようで、どうすればルートを開拓して先に進めるのかを悩んでいるうちに、今回は試遊のタイムアップとなってしまったが、ある種の縛りプレイのような不自由さを楽しむという新鮮さがあり、じっくりと腰を据えてプレイしてみたいところだ。
また、多少のリカバリーは効くものの、うっかりミスすると一気に最下層まで落ちてしまうようなシーンもあり、どことなく『Jump King』のような感覚を味わう瞬間もあった。
諦めずにくじけない心も大切になりそうな『Mount Lomyst(ロミスト山のてっぺん)』は、PC(Steam)でのリリースに向けて鋭意開発中だ。
基本情報 | Mount Lomyst(ロミスト山のてっぺん) |
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開発 | HIKO GAME |
販売 | HIKO GAME |
配信日 | 未定 |
言語 | 日本語有り |
定価 | 未定(Steam) |