2025年5月4日に、東京・浜松町にて開催された「東京ゲームダンジョン8」の出展作品より、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップしてご紹介しよう。
なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。


自分自身の影から逃げて、闇と向き合おう
『The Doppel』は、夢の世界でどこまでも自分を追いかけてくる影から逃げながら、失ってしまった大切な想いを取り戻していく2D横スクロールのアクションゲームだ。日本のゲーム開発スタジオ"Nerdrinkers"が手掛ける。
ふと気づくと、そこは光と闇に彩られた夢の中の世界だった。落ち目の小説家として瀬戸際に立つあなたは、自分自身と同じ姿をした影「ドッペル」の追跡を振り払いながら、心の内に潜む恐怖と向き合って、かつての想いを取り戻さなければならない。


本作のゲームシステムは、白と黒で構成されたモノクロの世界を舞台に、アスレチックを突破したり、オブジェクトを動かして足場とするようなギミックを操作したりしながら、先へ先へと進んでいくというスタイル。
それ自体はオーソドックスなもので、本来はじっくりと時間をかければ難なく突破できそうなシンプルなもの。しかし、そこで主人公の足かせとなるのが「ドッペル」の存在だ。

自分自身と瓜二つの人物と出会うことで、やがて取って代わられてしまうという都市伝説「ドッペルゲンガー」の話をご存知の方も多いと思うが、この「ドッペル」とはドイツ語で「二重」や「複製」の意味を持っている。
その意味をなぞるかのように、今作のドッペルは主人公の行動を寸分たがわずトレースしてくる。オブジェクトを押して動かせばその位置で何もない空間を押す動作をし、ジャンプや梯子を登れば同様に繰り返してくる。
立ち止まってしまえいいじゃないかと思うかもしれないが、位置情報も含めてのトレースなので数秒後にはあなたの立ち位置に必ず重なってしまうのだ。

一定距離まで近づかれることで体力をどんどん削られてしまうので、それまでのわずかな時間を使ってギミックをこなしていく必要があり、考えている暇などないかのように次々とアクションを乗り越えていく判断力が求められる。
しかし、それは光に照らされている間だけ。ステージ上には闇に覆われたゾーンがあり、そこに逃げ込むことでドッペルは一時的に姿を消し、主人公の体力も最大まで回復する。あなたを照らす光がなければ影もまた生まれないというわけだ。深い。

そんな休憩を挟む猶予は与えてくれるが、先へ進むとなれば影と向き合わなければならず、なかなか歯ごたえがあるという印象だった。自由意志で好き勝手に追いかけてこられるというのも厄介なものだが、完全にトレースして追いすがってくるというのも予測ができる分だけ焦らせてくる。
今回はあくまで体験版ということだったので、限られた試遊時間ではあまり先に進むことはできなかったが、より複雑で考えさせられるステージギミックも待っていることだろう。自分自身と向き合うというストーリー展開にも注目したい。
『The Doppel』は、PC(Steam)でのリリースに向けて鋭意開発中だ。
基本情報 | The Doppel |
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開発 | Nerdrinkers |
販売 | Nerdrinkers |
配信日 | 未定 |
言語 | 日本語有り |
定価 | 未定(Steam) |