2025年5月24日、東京・新宿にてノベル限定インディーゲーム展示会イベントDREAMSCAPE#3が開催された。本稿では、当日展示された61タイトルの中から、筆者が注目する魅力的なタイトル『MATCH APP!』をご紹介しよう。




マッチングアプリで運命の相手を見つけよう!
『MATCH APP!』は、主人公まさやんがマッチングアプリで運命の相手を探す物語を追体験するビジュアルノベルだ。開発はTEAM DTOXが手掛ける。
物語の舞台は、現代の日本。大学4年生のまさやんは、ひろしとルームシェアをして暮らしている。ある日、まさやんは彼に勧められてマッチングアプリを始めることに。マッチングアプリを利用して恋人を見つけるまでの試行錯誤がビジュアルノベルで描かれる。今回は、本作の冒頭部分を試遊させていただいた。

本作では、まさやんがマッチングアプリを使用して運命の相手を見つけるために悪戦苦闘する物語を彼の視点で追っていく。途中、登場する選択肢によってストーリーが分岐していくマルチエンディング仕様だ。
基本的には、まさやんとひろしなどのキャラクターの会話をメインに物語は進行していくが、物語の状況説明や人物描写などのいわゆる地の文は、1枚絵の上に表示される。古くは、『かまいたちの夜』シリーズや『428~封鎖された渋谷で~』のような演出だ。

まずはマッチングアプリ「コイバナ」をインストールすると、友人ひろしと一緒にマッチングアプリのプロフィールを作成しはじめる。登録名を選んでプロフィール写真を用意して、気になる女の子に「いいね」をしていく。筆者はマッチングアプリを利用したことがないが、写真やプロフィール文だけで判断される世界はシビアだと感じた。
しばらくすると、はっしーという女性から「いいね」がきた! まさやんは、はっしーとDMでやりとりを始めると、話はトントン拍子に進み、なんと1週間後にデートすることに。これには筆者も胸が高鳴った。


デート当日、待ち合わせ場所に現れたはっしーは、表情豊かで穏やかな女性だった。駄菓子屋さんなどを回って二人だけの時間を楽しむと、ほどなくして解散。今後、二人の関係はどうなるのか。続きは製品版までお預けだ。


「リアルとファンタジーのバランスにこだわりを」開発者&イラストレーター インタビュー
本作を手掛けたTEAM DTOXのTOX氏とイラストレーターのサノ氏にお話を伺った。本作はTOX氏を中心に合計4人のメンバーで開発されており、これが初のゲーム開発となる。SEであるTOX氏は、普段からさまざまなジャンルをプレイしていて、いつかゲームを開発したいと思っていたそうだ。いろんなジャンルの中でも特にアドベンチャーゲームが好きであることと、初めてのゲーム開発なので難易度を考慮して、ビジュアルノベルを選んだそうだ。
マッチングアプリを利用したことのある方には、プロフィール写真を準備する手間やいいねのチェックなどマッチングアプリならではの体験を思い出してもらい、利用経験がない方には、マッチングアプリの現実に触れる機会になれば、とのこと。マッチングアプリには、ただハッピーな出会いが待っているのではなく、エネルギーを要するものなのだと伝えたいそうだ。そのため、リアルとファンタジーのバランスにはこだわっている。
キャラデザインを手掛けたのは、これまでゲームのイラスト制作経験がなく、ゲーム自体もほとんどプレイしないというイラストレーター・サノ氏。そんなゲームの世界に縛られない視点が、本作においてはむしろ新鮮さとして作用しており、マンガやアニメのような独特の柔らかさとぬくもりを感じさせるタッチが魅力的だった。
特に、本作のキービジュアルにもなっているヒロインのはっしーの「一見モテそうだが、何か秘密を抱えていそうな一面も垣間見られる」キャラデザインは本作の大きな魅力のひとつと言えるだろう。実際に筆者が試遊しているときにも、はっしーの控えめに見えて意外にも積極的なところに自然と引き込まれてしまった。

本作『MATCH APP!』は、2025年内の発売を予定しており、プレイ時間は1~2時間を想定されている。マッチングアプリを利用している方もそうでない方も、マッチングアプリのリアルが気になった方はウィッシュリストに登録しよう。デモ版も近日中に公開される予定だ。
なお、本作のヒロインはっしーが主役のボイス作品がこちらで販売されているので、気になる方は併せてチェックしてほしい。

基本情報 | MATCH APP! |
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開発 | TEAM DTOX |
販売 | TEAM DTOX |
配信日 | 2025年 |
言語 | 日本語有り |
定価 | 未定(Steam) |