Indie FreaksはパブリッシャーFireshine Gamesと協働し、本作の日本向けマーケティングの一部をサポートしています。
『Len's Island』は、ダンジョン探索とアクションRPGバトルの緊張感に、のどかな農業と自由度の高い建築要素を巧みに融合した、最大8人で楽しめるオープンワールドの3Dサバイバルクラフトゲームだ。オーストラリアのブリスベンに拠点を置くインディーゲーム開発スタジオ"Flow Studio"が手掛ける。
2020年7月~8月にかけてKickstarterにてクラウドファンディングを実施し、898人の支援者から目標額を上回る58,579オーストラリア・ドル(AUD)を獲得した本作。2021年末の早期アクセス開始から約3年7ヶ月を経て、2025年6月19日にバージョン1.0としてついに正式リリースを迎えることとなる。
本稿では、正式リリースを目前に控えたテストビルドでのプレイ体験をベースに、その内容と魅力について紹介しよう。

神秘的な世界で生活と冒険を繰り広げよう
物語の舞台となるのは、海に面したいくつもの島々からなるオープンワールドの世界。そこでプレイヤーは、戦士・職人・農夫・探検家といったスキルベースのプレイスタイルを自由に組み合わせ、戦闘・クラフト・建築・農業・探索などのバラエティに富んだ体験をしながら、生活を営み、冒険を繰り広げていくこととなる。
戦闘に秀でた戦士として、スリルのあるダンジョン探索に挑むも良し。こだわりの様式で拠点を建設し、農場生活を営みながらスローライフを目指してみるのも良いだろう。もちろんそれらをバランス良くこなしつつ、日々新たなチャレンジに挑むこともできる。マルチプレイ前提で役割分担してしまうのもありだ。
スローガンとして掲げられている「Your journey, your destiny(あなたの旅、あなたの運命)」という言葉に象徴されるかのように、この世界で自分だけの物語を自由に作り上げていけるところが、本作の最大の魅力だ。

なお、本作ではダンジョンや町などの主要エリアを除き、プロシージャル生成によって緑が生い茂るジャングル、熱帯の島、凍れる大地、地下洞窟といったさまざまなバイオーム(環境)がランダムに形作られる。
すべてのコンテンツがランダムとなる完全なプロシージャル生成とは異なり、本作ではランダム要素による新鮮さがありつつ、開発チームとして意図するゲーム体験を保つハイブリット型としている。彼らの目指すものがはっきりしているからこそ、これだけ長きにわたってユーザーからの支持を得ているのかもしれない。

住まいを建てて農業を営もう
ともかくも、まずは建築要素。ゲームをスタートして最初のチュートリアルにも「家を建築する」が含まれている。この世界で生きていくには生活の拠点となる住まいが必要というわけだ。
プレイヤーは居心地の良い農場から広大な要塞まで自由に建築することができ、さまざまな建築様式で建物をカスタマイズし、家具を設置して内装を施していくことで理想の我が家を形作っていくことができる。

もちろん、あまり建築が得意ではないというプレイヤーは、機能性だけに特化する手もある。というのも、満月の夜には「ハーベストムーン」と呼ばれるモンスターの襲撃イベントが発生し、拠点を守るための防衛網を構築することも求められるからだ。リスクのあるイベントで挑まない選択肢もあるが、襲撃を乗り切れば報酬を得られるので対策を講じる価値はあるだろう。
また、バージョン1.0では新たな建築様式「ゴシック様式」が加わることで、中世ヨーロッパ風の雰囲気を追求できるようになるため、ハウジングに魅力を感じるプレイヤーにとっては嬉しい追加要素となるだろう。

住まいができれば、もう1つの生活の軸となるのが農業。農場を耕し、作物を育て、釣りを楽しむような日々を過ごすことも可能。スローライフが送れるかどうかまでは保証できないが――農作物の世話をして1日の終わりに夕日を眺める、そんな労働の後に安らぎを見出すような体験をしてほしいという思いが開発チームにはあるそうだ。
バージョン1.0では、飼育可能な農場の動物としてニワトリが導入され、鶏舎の建設、餌やり、放し飼い、繁殖などが可能になる。また、この手のジャンルにとってはなくてはならないと言っても過言ではない「釣り」についても手が入り、どの魚が釣れるか表示されるようになることで、プレイフィールの向上が図られている。
無心でぼんやりと釣り糸を垂らすというシチュエーションも良いものだが、情報がある分には困ることもない。これも活用するかどうかはプレイヤー次第だ。

刺激的な冒険と探索がプレイヤーを待つ
広大な世界が目の前に広がっているといえば、やはり冒険は付きもの。
世界各地にはいくつものダンジョンや洞窟が点在しており、内部を探索することで宝物や生活に役立つ資源を入手可能。また、洞窟内部であっても自由に建築物を建てられるため、高台に登るための階段や、向こう岸への橋をかけて探索エリアを広げていくような自由度の高い選択が取れることも特徴的だ。
そのための建築資材も作りたいものに応じて求められるので、準備が必要というところに若干の煩わしさを感じることもあるが、手探りの冒険らしい冒険とも言えそうだ。

ここまでに紹介したように、『Len's Island』は自分で物語を作っていくような自由な体験が魅力だが、ゲームスタート時に語られるバックストーリー以外にも、世界観を掘り下げるような要素が欲しいという声はコミュニティから寄せられていた。これに応えるかのように、バージョン1.0では「古代言語とロア(ゲーム世界の物語的背景や伝承)」が追加されている。
各地に点在する古代の石板を発見・解読し、古代言語を学んで秘密を解き明かすことで、この地に秘められた過去へと迫ることができるのだ。こうしたロアに触れることは、目的意識と没入感を高めることに一役買ってくれるだろう。

そしてもちろん、冒険の最中にはモンスターとの戦闘もプレイヤーを待ち受ける。戦闘は比較的オーソドックスなアクションスタイルで、連続コンボでモンスターの体力を削り、タイミングを見極めてクリティカルヒットを与え、攻撃を華麗に回避していくような戦いを繰り広げることが可能だ。
当然ながら、武器防具をしっかり調達して装備しなければ厳しい戦いを乗り切ることは難しい。町で購入することもできるし、自身でクラフトしても良いが、こうして地道に準備を重ねて困難に挑むという一連の流れが楽しかったりもするのだ。

正式リリース以降もアップデートは継続
今回、筆者は正式リリース直前のテストビルドを先行プレイしたが、長年アップデートが続けられてきているだけあり、プレイフィールは良好で総合的な完成度は高いという印象を受けた。現時点でのSteamのユーザーレビューが「非常に好評(3,569件中85%が好評)」であることもそれを裏づけている。
なお、正式リリースにあたりコンテンツ追加以外にも多言語サポートが拡張され、待望の日本語サポートも追加される。実のところ、当初そのクオリティは機械翻訳まじりの残念なものであったが、現在はIndie Freaksがそのクオリティアップのサポートに努めているところだ。
バージョン1.0の時点では完全な状態とはならないかもしれないが、以降も引き続きアップデートを重ねていくので、ご期待いただければ幸いだ。

『Len's Island』は、PC(Steam)にて2021年11月27日より早期アクセスにて配信中。2025年6月19日にバージョン1.0となり、正式リリースを迎える予定だ。
また、Steam無料ウィークエンドに参加し、その期間中はフルゲームを無料で楽しむことができる。さらに、正式リリースを記念して35%オフのセールも開催中なので、ぜひこの機会にチェックしてみていただきたい。
基本情報 | Len's Island |
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開発 | Flow Studio |
販売 | Flow Studio, Fireshine Games |
配信日 | 2021年11月27日(早期アクセス) |
2025年6月19日(正式リリース) | |
言語 | 日本語有り |
定価 | 3,400円(Steam) |
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