Indie Gemは、リリースを控える期待の作品群から、明日を煌めく原石のようなタイトルを発掘し、体験版を元に紹介していくコーナー!
『代筆屋ワールドワード』は、依頼人の代わりにさまざまな手紙を代筆していくアドベンチャーゲーム。本作はゲーム投稿サイト「ノベルゲームコレクション」にて公開された同作に、新たに第2話~第5話を追加したパワーアップ版だ。
本稿では、2025年5月29日よりPC(Steam)にて公開されている体験版の内容についてご紹介しよう。


代筆のカギを握るのはルーレット
本作のプレイヤーは代筆屋の新入社員として、先輩社員「モノ」に導かれながら、ラブレターや謝罪文、ロックナンバーの歌詞などあらゆる文章を依頼人の代わりに書いていく。書いていくといっても、基本的に主人公の筆は乗りに乗っているので、ほぼ全文サラサラと自動で書き上げてくれる。

プレイヤーの出番が回ってくるのは、締めの文章。なんと、本作の主人公は気分屋ゆえに、締めの文章が思い浮かばないのでルーレットで決めてしまおうという暴挙に出る。そのルーレットを良い感じに止めて、依頼人の要望に沿った手紙へ仕上げるのが本作の主目的となる。
ルーレットの目押しは簡単ではなく、その後に来る文章も予測不可能。大体の場合は、思わず笑ってしまうようなとんでもない文章が出来上がる。

だが、主人公は気分屋なだけではなく、不屈のメンタルも持ち合わせている。変な文章が出来上がっても、依頼人からメールで怒られても、何事もなかったかのように物語は続く。その切り替えの早さは、人生を生きる上で見習ったほうが良いかもしれないとさえ思ってしまった。
無論、依頼人の希望に沿った完璧な文章を完成させることも可能で、その場合は依頼人からのお礼メールがよりポジティブなものへと変化する。しかし、ルーレットでそれを完成させるのは、よっぽど目押しに自信がない限りは難しいだろう。
そんな時は、「CONFIG」から「チートモード」に切り替えれば、ルーレットではなく自力で文章を組み合わせられるようになる。モードはゲーム中自由に切り替えられるので、時と場合によって使い分けられる。

チートモードを使用しても、後に続く文章がどうなるかはわからないため、完成形を予測しながら選んでいくという面白さが生まれる。ルーレットモードのカオスさとは違って、言語パズルのようなゲームへと変わるのも、本作の特徴的な点だ。

街を散策してカオスな語録を収集
本体験版では、第1話と第2話を遊ぶことができるが、第2話からは「散策パート」が追加される。本パートは街を自由に調査し、依頼人の要望に沿った言葉を探していくという内容になっている。

言葉は住民と会話して閃いたり、テレビの何気ない台詞の一部を拾ったりとさまざまなところから見つけることができる。ただし、拾う言葉はあまりにも無作為なので、雄たけびをそのまま記してしまったり、吹き込まれた謎の言葉をそのまま使ってしまったりと、大抵の場合はカオスな方向へと突き進んでいく。
そうして記録した言葉は、手紙を書くパートのルーレットに全て登場する。新たなワードで依頼人の手紙にさらなる混沌を巻き起こすのか、より洗練された文章に仕上がるのかは、全てプレイヤーのルーレット次第だ。本当にいいのだろうかこれ。


『代筆屋ワールドワード』は、2025年の発売を目指して鋭意開発中。現在、Steamにて体験版が配信されているので、天運に任せて締めの文章を考えてみてはいかがだろうか。
基本情報 | 代筆屋ワールドワード |
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開発 | 秘密結社マテンロウ計画, Studio Dragonet |
販売 | Waku Waku Games |
配信日 | 2025年予定 |
言語 | 日本語有り |
価格 | 未定(Steam) |