Indie Gemは、リリースを控える期待の作品群から、明日を煌めく原石のようなタイトルを発掘し、体験版を元に紹介していくコーナー!
『M.I.N.S.K.』は、ポストアポカリプスの世界を舞台にロボットを操作して探索を進めていく三人称視点のサバイバルホラー・アドベンチャーゲームだ。ポーランドのポズナンを拠点に、クリエイター2名で制作しているというゲーム開発スタジオ"sodesign games"が手掛ける。
滅亡の危機に瀕した世界の片隅で生き残った1人のエンジニアが、生存に必要な物資を求めて、自身の代わりとなるロボット(※)を操作して廃墟と化した都市を探索していくという物語が描かれる。
※Steamストアページには「ロボット」と「アンドロイド」という2つのワードが登場するが、その外観は人型だが明らかに機械的なものなので、厳密には「ロボット(ヒューマノイドロボット)」に分類される。本稿でもロボットで統一して紹介していこう。


資源を求めて崩壊した都市を彷徨う
今回、筆者は開発中のテストビルドを用いたプレイテストに参加した。その内容として、崩壊した都市の道なき道を進み、やがてたどり着いた放棄された病院エリア内部へと探索の手を伸ばしていくというところまでを体験することができた。
先述のとおり、本作のゲームシステムはロボットを操作して都市を探索していくこととなり、戦闘・謎解き・リソース管理・資源の収集といった要素をバランスよく体験していくタイプのアドベンチャー作品となっている。

「ロボットを操作する」とは説明されているが、無線通信を通してエンジニアから指示を受けて自律行動しているような描写もあり、それは今後のアップデートで明らかになっていくのだろう。
ともあれ、ゲーム的にはプレイヤーが操作するわけだが、歩く・走る・ジャンプ・しゃがむといったオーソドックスなアクションで、大多数のプレイヤーにとっては馴染みがあり、直感的でわかりやすいはずだ。

そんな本作のスタートは崩壊した都市のどこか。どうやら何者かに襲われて落下してきたらしく、再起動したところからのスタートというシチュエーションだ。
道は崩落し、巨大なコンクリートの支柱が倒れ掛かり、打ち捨てられた乗用車が道を塞いでいる。それらにツル状の植物が絡み合うように覆いかぶさっているものの、まだかつての文明の姿を留めているので、長い年月を経て崩壊したというよりも破壊的な何かが都市に襲いかかったかのようにも見える。

このシーンでは世界の有り様をプレイヤーに見せつつ、基本的な操作を体験させることを目的としているようで、自由探索ではなく比較的リニアに進んでいく形式が取られていた。
UI(ユーザーインターフェース)を画面上ではなくバックパックに配置していることで没入感が増し、Unreal Engine 5で描かれたグラフィックはリアルな印象を届けてくれるので、廃墟好きにはたまらないところがあるかもしれない。
クリーチャーの巣窟と化した病院へ

そうして、やがてたどり着いたのは病院エリア。
まだ電源が生きているのかところどころに照明が灯り、屋外ほどひどく崩壊はしていないように見える。薄暗いところもあるが、病院らしく白を基調としたエリアなので、外部とのコントラストの差があるエリアに踏み込んだのだということを表しているのは上手いところ。
この場所ならば資源入手に期待できそうだが、実はここからが本番。敵対的なクリーチャーと対峙して、本格的に戦いを繰り広げることとなるのだ。その姿はまるで硬い木のツルに全身を覆われたような人型で、こちらの存在に気がつくと一直線に走って殴りかかってくる。

対してこちらの武装はライフル状の小型レールガンの一種らしく、磁気で加速させた弾体を放って敵を撃つ。シングルショットで1発置きに短時間のチャージが必要になるものの、どこに当てても2発(ヘッドショットなら1発)でクリーチャーを仕留めることが可能だ。
クリーチャーは同時に複数体が出現することがあるが、独特の呼吸音のようなものを発しているので、できるだけ早く察知して距離が離れているうちに仕留めるか、奇襲されないように身構えておきたいところ。
まだまだ開発段階ということもあってか、こちらに近接攻撃の手段がないので近づかれてもチャージして撃つしかなかったのはもどかしいが、クリーチャーのアルゴリズムもシンプルなのでさほど脅威にはならない。しかし、今後のアップデートで動きが洗練されていくと危険度も増していきそうだ。

今回のテストビルドでは描かれなかったが、物語はストーリーベースで展開していき、探索を進める中でプレイヤーは別の生存者が操作するロボットと出会うことになるのだという。
そのロボットは、この世界の真実を求めて探索を進める生物学者が操作しており、今は互いに離れた場所でロボットを操っているが、いつか直接出会えることを願って共に探索を進めていくことで絆が深まっていくというストーリーテリングを目指しているとのこと。
偶然の邂逅を果たした瞬間から、生存のためだけの探索というわけではなくなるというシチュエーションは何ともエモい期待をさせてくれるので、そういうところにも注目したい。

『M.I.N.S.K.』は、PC(Steam)でのリリースに向けて鋭意開発中。現時点では日本語サポートの予定について言及はないが、ウィッシュリストに登録するだけでも日本のユーザーが注目しているという意思表示ができるので、本作に期待する方はぜひ登録しておこう。
なお、体験版は公開されていないが、本稿で取り上げたものと同じ内容のプレイテストが2025年6月20日からSteamで募集されている。実施期間については未定だが、前回2月に行われた際は1週間程度だったと記憶しているので、興味のある方は早いうちに申し込んでみてはいかがだろうか。

基本情報 | M.I.N.S.K. |
---|---|
開発 | sodesign games |
販売 | sodesign games |
配信日 | 未定 |
言語 | 日本語無し |
定価 | 未定(Steam) |