2025年7月18日~20日に、京都市勧業館みやこめっせにて開催されたBitSummit the 13th Summer of Yokaiの出展タイトルから、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップして紹介しよう。
なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。
アニメ界の巨匠・東映アニメーションと、気鋭のインディーデベロッパー・ネストピの異色のタッグが世に放つ『Re:VER PROJECT TOKYO』の魅力を紹介しよう。

無実の罪から逃げて、生き延び、真実を暴け
『Re:VER PROJECT TOKYO』は、繊細なドット絵で描かれた現代東京を舞台に、生と再生をかけた物語が繰り広げられるサバイバルサスペンスアドベンチャーだ。
物語の主軸を担うのは、濡れ衣を着せられ追われる身となった青年「弥音ユキノリ」。彼は、類まれなるサバイバル術を頼りに、警察の追跡を振り切りながら自らの無実を証明するために奮闘する。


2人だけの逃避行、その命運はプレイヤーの手に
全国に指名手配されたユキノリにとって、コンビニで食料を買うことさえ命取りになりかねない。道端のどんぐり、ゴミ箱に残されたハンバーガー…あらゆるものを利用して飢えをしのぎ、心に余裕を取り戻したとき、初めて潔白を証明するための反撃が始まるのだ。
この孤独な戦いには、同じく無実の罪で追われるアイドル「六実ひなぎ」という仲間がおり、有名人である彼女は迂闊に姿を見せることができない。試遊時のデモ版では、ひなぎは高熱で寝込んでいるため、主人公は犯人捜しやサバイバルをしながらも、ひなぎの様子も気にしなければならない。高熱のまま放っておくと、ひなぎは死んでしまうので、その命は完全にプレイヤーの選択に委ねられている。
2人が着せられた罪の詳細は明かされていないが、ユキノリは議員銃撃事件の犯人に仕立て上げられていることが判明している。一方、ひなぎの罪状については未だ情報がなく、今後の情報解禁が待たれる。


社会の目が最も恐ろしい敵となる「都民センサーシステム」
『Re:VER PROJECT TOKYO』の舞台となる東京は、市民同士が互いを監視しており、息の詰まるような社会となっている。住人たちは常に不審な行動に目を光らせており、プレイヤーがゴミ箱を漁る姿を目撃されれば、即座に警察へ通報され、巨大な捜査網の一部となってしまう。プレイヤーは常に社会の視線という敵と戦いながら、生き抜かなければならない。
また、警察が現れた時には、街のあらゆる環境を活かして凌ぐ必要がある。この街では、誰もが敵であり、誰もが主人公を見ている。そんな冷たい大都市の片隅で、二人は手を取り合い、運命に抗おうとする。
警察に見つかり捕まるとゲームオーバーとなり、その日の朝からリトライとなる。ただし、これは試遊デモ版の仕様であり、製品版では変更される可能性がある。
今回のデモ版では、ひなぎの高熱を治療するところまでプレイ可能だった。しかし、「犯人探しの方法」については明らかにされなかったため、今後の続報が待たれる。なお、BitSummit the 13thで試遊できたデモ版が、現在Steamにて公開となっているのため、興味のある方は、ぜひプレイしてほしい。

熟練の物語と尖鋭なゲームデザインの融合
本作で特筆すべきは、サイバーパンク的な誇張を一切排し、東京の姿をドット絵で緻密に描き切ったアートワークである。華やかな新宿や渋谷だけでなく、東京の日常風景が見事に再現されている。
また、試遊で筆者が最も魅力を感じたのは音楽であった。ヘッドフォンを装着した瞬間、メインメニューから流れる音楽で、一気に世界へ引き込まれた。プレイ中の音楽や効果音も、演出として非常に効果的に使われているように感じた。
創業70年の歴史で培われた東映アニメーションの物語構築力と芸術性、そして少数精鋭で挑戦的なゲーム開発を続けるネストピの独創的なシステム。この2つの才能が融合することで生まれる化学反応は、インディーゲームの世界に新たな地平を拓く一作として、大きな期待が寄せられている。
基本情報 | Re:VER PROJECT -TOKYO- |
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開発 | 東映アニメーション、ネストピ |
販売 | 東映アニメーション、ネストピ |
配信日 | 2025年予定 |
言語 | 日本語、英語(English)、簡体字(Simplified Chinese) |
価格 | 未定(Steam) |