2025年8月3日に、横浜・大さん橋ホールにて開催された「Pixel Art Park8」で試遊できたタイトルから、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップして紹介しよう。
なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。


植物を育て崩壊した世界を探索
『:(BluesClean』は、崩壊後の世界で植物の研究と草刈りをしていくゲーム。ジャンルは現時点で明言されていないものの、デモ版ではアドベンチャー的要素と、コマンドバトルRPGの要素が確認できた。本作は『アンリアルライフ』などを手がけた個人ゲーム開発者のhako 生活氏と、ピクセルアーティストのApo+氏がタッグを組んだ「MOKUREN」によって制作されている。
舞台は崩壊後の世界、いわゆるポストアポカリプスのジャンルで描かれる。プレイヤーは、白衣に身を包んだ少女を操作して不思議な力を持つ植物を育て、外の草を刈りつつ探索していくという内容になっており、最終的な目的は現時点では明らかになっていなかった。
今回は冒頭5~10分程度をSteam Deckを用いて試遊することができたので、本作の内容についてご紹介しよう。

プレイできたパートは大きく分けて、研究室らしき場所で植物の栽培・摂取を行うパートと、研究室の外に出て、進路を妨害する草木を刈っていくパートの2つとなっていた。
まず、研究室でのパートは、所持しているさまざまな種を、土や肥料などの育成を促進する物質と組み合わせて植物を栽培することができる。組み合わせ次第でさまざまな植物を育てることができ、怪我が治るものや、体が温まるものなどそれぞれの効能も異なっていた。このとき、コーヒーメーカーを「耕肥メーカー」として栽培に利用しており、ユーモアを感じると同時に、この世界観へのさらなる興味をひかれた。

種を入れてから一定日数経過した植物は収穫できるようになり、最終的に主人公の少女が食べる。食べるのだが、今回最初に育てた植物は「おわりの花」という不穏すぎる名前。「絶大な力を持つはずだが……」という説明もあり、食べて大丈夫なのか……? という心配がどうしてもよぎってしまう。そんな心配をよそに、おわりの花を口に入れた少女は倒れてしまい、本作のタイトルにもかかっている「ブルースクリーン」の演出が入る。

目覚めた少女がいた場所は、研究室の外。四方は壁に覆われていたようだが、一か所だけ崩落した「出口」があったため、少女はそこを目指して邪魔な草を刈っていくことになる。
草刈りに入ると、コマンドバトルRPG形式で草との戦闘が始まる。ターン制で行動していき、草のHPを無事0にできれば勝利、逆に主人公のHPが0になれば敗北というオーソドックスなシステムとなっていた。デモ版では、手元に偶然あったハサミを使用したが、今後はさまざまな武器が選択できそうだ。

草は一見無抵抗かと思いきや、一定ターン経過ごとに毒をもった胞子をまき散らし、主人公にダメージを与えてくる。デモ版では、3戦目で主人公のHPが尽きてしまい敗北してしまったが、その後は何故か研究室内へと逆戻り。
そして、戻ってきた研究室内では再び植物の栽培を行えた。このため、本作の基本的なサイクルは、植物を栽培して、収穫した植物で少女のステータスを強化していき、外の草を刈っていくことで世界を探索していくという形になりそうだ。
本作の主人公となる少女はいったい何者なのか、そしてこの世界に何が起きてしまったのか。先に進んでいった果てに何が待ち受けているのか、非常に期待が高まる内容となっていた。
「光の表現」を最大限活かせる作品に
本作を手掛けたhako 生活氏と、Apo+氏のご両名にもお話を伺うことができたので、最後にそちらもご紹介しよう。
まず、世界観のメイン部分はApo+氏が手がけているとのこと。作品の根幹を植物が握っているのも、Apo+氏の同居人の方が植物好きで、自分も触れていくうちにインスピレーションを受けたからだそう。そこに、ポストアポカリプス的世界観を加え、本作の世界が構築されていったという。また、既に一年以上前から開発は進行しており、近日中にはストーリーのさらなる部分も公開したいとのこと。
グラフィック面もApo+氏が手がけているが、同氏が普段の作品でこだわっている「光の表現」を最大限活かせる形で、hako 生活氏がゲームシステムを構築している。ご本人たちのやりたいことを最優先しながら、2人で開発されているようだ。
実際、デモ版の範囲内でも、研究室内に差し込む美しい光の表現や、薄暗い研究室から一転した、退廃的でありながら青空のもと青々とした芝生が広がる外の光景など、この点に関するこだわりを感じることができた。Apo+氏のこれまでの経験がふんだんに活かされた、集大成としてのアートワークにもなっていそうだ。
リリースについては2026年内を目標にしており、ボリュームとしては短編作品になる予定とのこと。対応ハードは明かされていないが、試遊版はSteam Deckで起動していたため、PC向けの作品となる可能性が高そうだ。
余談ではあるが、hako 生活氏は現在開発が進行している横スクロールアクション『ピギーワン SUPER SPARK』の息抜きに本作を制作されているとのことで、そのバイタリティにも驚かされた。こちらも2025年内の発売を目指して鋭意制作中となっており、どちらの作品も今後に期待が広がる。
基本情報 | :(BluesClean |
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開発 | MOKUREN |
販売 | 不明 |
配信日 | 2026年 |
言語 | 日本語有り |
価格 | 未定(Steam) |