2025年9月25日~28日に、千葉県・幕張メッセにて開催された「東京ゲームショウ2025(以下、TGS2025)」の出展タイトルから、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップして紹介しよう。
なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。



皆様は『PowerWash Simulator』というゲームをご存じだろうか。こちらは高圧洗浄機でステージ内の汚れを落としていくだけという非常にシンプルな作品。制限時間や複雑なルールなどもなく、そのシンプルさゆえに一度ハマれば時間を忘れて没頭してしまう。
そうやって没頭しているうち、洗浄機から響く水の音に癒されたり、きれいさっぱり落ちていく汚れにスッキリしたりとリラックス効果も感じられる点が魅力的だ。
そんなゲーム性が世界中で根強いファンを獲得し、『ファイナルファンタジー7』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』といった誰もが知る作品とコラボするまでに至った『PowerWash Simulator』だが、2025年10月23日にいよいよ待望の続編が登場する。

より汚れを落としやすく正統進化
『PowerWash Simulator 2』は、『PowerWash Simulator』の続編となる高圧洗浄機で汚れを落としていく癒し系シミュレーションゲーム。イギリスのインディースタジオFuturLabによって開発が手がけられおり、前作とは異なり同社からの販売となる。
今回会場で遊ぶことができたデモ版では、サーフェスクリーナーやホームベースといった新機能を体験できたので、その内容を中心にご紹介しよう。

前作同様、本作のメインは「キャリアモード」となっており、本モードはステージ内の汚れをすべて落とすとステージクリアとなる。一定の汚れを落とすごとに報酬金がもらえるので、そのお金で高圧洗浄機のノズルや洗剤などを強化していきながら、全38ステージの汚れを落としていこう。
本作より広範囲を一気に掃除できる「サーフェスクリーナー」や、高所の掃除をカバーするシザーリフトやハーネスなどが登場しており、清掃のしやすさがパワーアップ。家具や小物を配置して自分だけの空間にカスタマイズできる「ホームベース」なども登場し、遊びの幅も広がった正統進化作だ。

新要素をピックアップしてご紹介すると、まず新たな相棒「サーフェスクリーナー」の使い心地が抜群に良い。前作は広い範囲の汚れを一気に落とす手段があまりなかったが、これを解消してくれる道具だ。
サーフェスクリーナーは、床や壁などクリーナーが届く範囲の汚れをまとめて落とすことが可能。本作では、汚れを落とした時のエフェクトがアップデートされ視覚的により分かりやすくなったことも相まって、一気に汚れを弾き飛ばしていく爽快感を味わうことができた。

サーフェスクリーナーにも届く範囲が短いといった弱点はあるが、遠くの場所は従来の高圧洗浄機を用いるといった形で役割分担もできており、器具を使い分けて効率よく掃除していく楽しさも生まれている。アクセスしにくかった高所作業にもロープアクセス装置などの新要素が追加されており、前作よりストレスフリーかつ遊びやすくなったと言えるだろう。
このほか、細かい新要素により前作のストレス部分が解消されている部分が多かった。たとえば、前作では「最後に残った汚れがどこにあるのかわからない……!」 というむずがゆい思いを感じる場面も多かった。本作はそこをカバーしており、ある程度清掃が進むと、ターゲットマーカーが表示されて汚れが残っているエリアを示してくれる。あてもなく汚れが残っているエリアを探し続けることがなくなり、嬉しい仕様変更となっていた。

そして、もう一つ大きな目玉となる新要素が「ホームベース」。ホームベースでは、自由に家具を飾って自分だけの拠点へ仕上げていくことができる。よくあるハウジング的要素に思えるが、そこには『PowerWash Simulator 2』ならではの特徴がある。ただ飾れる……というわけではなく、汚れきった家具を洗い流すことではじめて設置できるようになる。熱すぎるリユース精神である。
家具は専用の部屋まで持っていってから、普段のステージでも使用する高圧洗浄機やサーフェスクリーナーを用いて洗っていくことになる。ピアノやソファといった高価な家具も容赦なく高圧洗浄機で清掃していくという豪快な光景も、本作の醍醐味となりそうだ。

このほかにも、オフラインでは画面分割による2人プレイが、オンラインでは最大4人で遊びつつキャリアモードの進捗が即時共有されるなど、より遊びやすく、より汚れを落としやすく正統進化を果たしている本作。ストレスフルだった部分もきれいさっぱり洗い流し、清掃体験へ没入できることだろう。
ユーザーコミュニティからのフィードバックを活用
本作のマーケティングマネージャーを務めるJess Green氏にお話を伺うことができたので、最後にそちらもご紹介しよう。
前作『PowerWash Simulator』が開発された経緯としては、当時FuturLabのCEOを務めていたJames Marsden氏が、市場でシミュレーションゲームがヒットする傾向を掴んでおり、同ジャンルで何か作品を出すことを構想していたそう。
そのとき、YouTubeでストレス発散にたまたま見ていた高圧洗浄機で汚れを落とすASMR動画からインスピレーションを受け、高圧洗浄機シミュレーションである本作が形作られていったようだ。

そんな経緯から開発されたこともあって、リラックス効果は当初からターゲティングしており、時間制限は設けない、難しくしすぎないといった形でレベルデザインを行ったとのこと。当初はitch.ioでプロトタイプ版を公開しており、ニッチなユーザーに刺されば上出来と考えていたところ、これが爆発的な人気を誇り製品版の開発へと踏み切ったそうだ。
続編の構想自体は1~2年ほど前からあり、前作で入れられなかった要素を実現することを中心として開発を進めていった。その中で、前作のユーザーコミュニティからのフィードバックやアイデアが大いに活用されているとのこと。
たとえば、Green氏もイチ押しの新要素だったサーフェスクリーナーは、後半ステージに多く見られた大きい敷地を清掃する際に、単調で飽きてしまうユーザーがいる懸念点を解決するために実装したそう。
オフラインでの2人画面分割プレイや、オンラインマルチプレイでのキャリアモード進捗共有、汚れの残ったエリアの強調表示などの細かい変更もユーザーに寄り添ったものだったことからも、その姿勢がうかがえる。

また、日本ユーザーの盛り上がりは凄まじく、全世界でも2~3位程度の反響を記録していたとのこと。こういった日本コミュニティの盛り上がりにも感謝しており、本作が日常生活でリラックスするうえで役立っているならこの上ないと語っていただいた。
今回が初来日だったというGreen氏の目からも、日本人はあまりにも忙しそうに映っていたようで、そんなお国柄も本作がヒットする土壌を生んだのかもしれない。

このほか、こだわりの部分としては高圧洗浄機等から発する水しぶきの表現にも注目してほしいそう。実際、プレイ中も水圧の強さや距離によって水しぶきの表現は細かく変化しており、特にミスト状に広がるサーフェスクリーナーのしぶきは見ているだけでも癒されるような作りこみとなっていた。プレイする際は注目しておきたい。
『PowerWash Simulator 2』は、PlayStation 5, Xbox Series X|S, Nintendo Switch 2, PC(Steam, Epic Games)に向けて2025年10月23日に発売予定。また、TGS2025で試遊できたデモ版とは内容が一部異なるが、現在PC(Steam)にてデモ版が公開されている。清掃欲がうずいてきた方は、こちらで新たな清掃体験を一足早く味わってみてはいかがだろうか。
| 基本情報 | PowerWash Simulator 2 |
|---|---|
| 開発 | FuturLab |
| 販売 | FuturLab |
| 配信日 | 2025年10月23日 |
| 言語 | 日本語有り |
| 価格 | 2970円(Steam) |
| 2970円(Epic Games Store) | |
| 2970円(Nintendo Switch 2) | |
| 2970円(PlayStation 5) | |
| 2970円(Xbox Series X/S) |
ライター:レイリー 編集:LayerQ

