2025年11月9日に、東京・秋葉原UDXにて開催の「デジゲー博2025」の出展タイトルから、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップして紹介しよう。
なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。


洋館に眠る過去を追うホラーアドベンチャー
日本のインディーゲーム開発スタジオ"WEM3(ウィームス)"が手掛ける回遊型ホラーアドベンチャー『REliC』。プレイヤーは一家心中事件の真相を追うジャーナリストとして、事件の舞台となった郊外の洋館を探索していく。
物語は、身寄りのない子どもたちを引き取って育てていた館の主人と、彼らにまつわる謎を少しずつ解き明かしていく形式。探索中には説明のつかない不可思議な現象を目にすることになり、館内に散らばるドキュメントを集めることで、過去の出来事が浮かび上がっていく構成となっている。

ナイトビジョンが導く静かな恐怖体験
本作は、一人称視点で進行するホラーアドベンチャー。リニアな構成ながらも、各部屋を丹念に探索し、環境から得られる情報を頼りに道を切り開いていく丁寧なゲームデザインとなっていた。
最大の特徴は、ライトが存在せず、暗闇を進む際に頼れるのは館内で入手するビデオカメラの「ナイトビジョン(暗視機能)」のみという点だ。ナイトビジョンを通して浮かび上がる緑の世界は、視覚的にも強い印象を与えるだけでなく、映像越しにしか見えない文字やギミックが存在するなど、ナイトビジョンそのものが謎解きの道具としても機能している。


顔認識のように特定のポイントへフォーカスし、その対象を録画することで仕掛けが動作する場面もあり、演出面とシステム面が巧みに融合していた。単なる"暗闇を照らす装置"に留まらない工夫が感じられた。
筆者が特に惹かれたのは、館全体に漂う「雰囲気の重さ」だ。派手なジャンプスケアではなく、人気のない館内に満ちる静けさや圧迫感で恐怖を描き出しており、ホラー耐性がある人でもその空気を感じ取れることだろう。

完成に向けて仕上がりを見せる試遊版
今回の試遊は約15分ほどの構成で、物語の一部分を体験できた。
探索のテンポは落ち着いており、環境音や空間演出が静かな緊張感を保っている。館の中は場所によって明るく落ち着ける雰囲気の部屋もあるが、ナイトビジョンを使う場面では、暗闇に沈んだ部屋の中に浮かび上がる視界を通じて、少しずつ情報を拾っていくような感覚がある。

道中で発見するドキュメントには、館に住んでいた人々の生活や事件の経緯が断片的に記されており、読み解くほどに背景の闇が濃くなっていく。その積み重ねが、静かに恐怖を感じさせる本作の基調を形づくっていた。
一方で、ナイトビジョンを用いても視界がほとんど得られない"完全な暗闇"のシーンもあり、どうしても行き詰まってしまい、開発チームの方の助けを借りて先へ進むというアクシデントもあった。こうしたシーンは調整候補となっていて、より分かりやすい導線へとブラッシュアップしていく予定だという。

『P.T』『Layers of Fear』『Outlast』といったホラー作品からインスパイアを受けたという本作には、その影響が随所に感じられる。だが単なる模倣ではなく、ナイトビジョンという一つのギミックを軸に、自分たちなりの恐怖演出を丁寧に組み上げており、短編ながらも密度の高い体験となっている印象だ。
静けさの中に漂う不安、見えないものへの想像が恐怖を形づくる――その感覚を追求する姿勢は、同スタジオの初作品ながら確かな方向性を感じさせる。製品版でどのような仕上がりを見せるのか、その完成に期待したい。
『REliC』は、PC(Steam)にて2025年内リリースに向けて鋭意開発中だ。

| 基本情報 | REliC |
|---|---|
| 開発 | WEM3(ウィームス) |
| 販売 | WEM3(ウィームス) |
| 配信日 | 2025年予定 |
| 言語 | 日本語有り |
| 価格 | 未定(Steam)※ストアページ未公開 |
ライター:朝比奈 編集:LayerQ
