時間を止めて次の一手を存分に悩み、クラフトした武器で活路を見出す――並行世界が交差するSFアクションストラテジー『Million Depth』プレイレポ

しわしわ

2025/11/29

Million Depth』は、100万階層続く地底世界を落ちていくSFアクションストラテジーゲームだ。プレイヤーは自身がクラフトした武器と時間停止システムを使いこなして、地球の地下深くを目指して進んでいく。2025年11月12日に発売された本作は、Cyber Space Biotopeが開発、PLAYISMがパブリッシングを担当している。

PLAYISMより本作のレビューキーを提供いただけたので、本稿では実際のプレイ体験をもとに、『Million Depth』の魅力と特徴を紹介していこう。本作には「ストーリーモード」「ノーマルモード」「ローグライクモード」と3つの難易度が用意されているが、今回はノーマルモードでのプレイレポートとなる。

Steamで10% OFF:Million Depth
少女モマは、“キミ”という人物を追い求めて100万階層の地底世界「ミリオンデプス」に墜ちていく――自分だけの武装をクラフトし、思考する時間停止バトルに挑め。並行世界が交差する“深層墜下アクションストラテジー”。

“キミ”と出会うため落ちていく少女

主人公・モマは、宇宙船にたったひとり残された少女である。船内の仲間たちはみな謎の病に冒され亡くなってしまい、地球に暮らす“キミ”とのチャットのやりとりを心の支えにしていたが、その連絡も突然途絶えてしまった。さみしさに耐えかねたモマは、当初は仲間の治療を目的として開発した『ビオトープジャマー』を手に、地球に降りて“キミ”を探すことを決意する。

▲オープニングで流れる、心ゆさぶるエモーショナルなBGMも必聴だ

本作における地球は、汚染により地表での活動が不可能となった場所。一部の人々は宇宙に逃れたが、それが叶わなかったものや地球に残ることを決心したものは、地下に潜ることを選んだらしい。そうしてできた奈落にも見える大穴が『ミリオンデプス』であり、モマがやりとりしていた“キミ”がいるはずの場所である。

ミリオンデプス内では、かつてここを通った人間が残したであろうバッテリーなどの物質や、壊れたロボットの部品、個性ゆたかなNPCなどさまざまなものと出会う。生きた人間や、改造されていない生身の動物は非常に珍しいようだ。なんらかの影響を受けて凶暴化しているセイブツに襲われ、戦闘になることもある。モマはただ“キミ”に会うため、暗く危険なミリオンデプスをどんどん下っていく。

プレイヤーは先々のイベントを確認しつつ、ルートを選んで次の階層へダイブしていくことになる。2階層下まではそのエリアになにがあるのかサーチできるので、バッテリーや休憩所を目指したり、報酬目当てに強敵に挑みに行ったり、そのときどきで必要に応じた選択をしていこう。それより下の階層については、通過するとダメージを受ける「嵐」のほか、ショップ・お宝など特定のものしか確認できないものの、目印として大雑把なルートの指標になってくれる。特に嵐は確実に避けたいところだ。

暗く鬱蒼としていたかと思えば、どこからかまぶしい日差しが差し込んでくる場所があったり、幻想的な森に出会ったりと、さまざまな顔を見せるミリオンデプス。NPCとのやりとりも楽しいものばかりでなく、不穏なイベントが発生することも。“キミ”を求めるモマの旅の果てにはなにが待っているのか、気になってついついやめどきを見失ってしまう作品だ。

じっくり考えて立ち回る新感覚アクション

本作の大きな特徴は、その斬新な戦闘システムだろう。病の進行を遅らせるためモマが発明した『ビオトープジャマー』は、この装置以外の活動を安全な範囲で停止させるもの。その機能を活用して、疑似的に時間を停止させられるのだ。モマを動かすまで敵の行動も止まったままになるので、プレイヤーは戦闘中どのような場面であっても、じっくりと次の一手を思考し尽くせるようになっている。

▲ここからすべての攻撃を躱しきるには……?

また、武器を自身でクラフトすることができるのも、本作の面白いところ。道中で拾ったロボットの部品をクラフトパーツとして、プレイスタイルに合わせた武器を作り出すことができるのだ。

これはモマとは別に遠隔で操作するもので、飛んでいるものや地上に張り付く敵の処理などに大きく役立ってくれる。敵の攻撃を防ぐことにも使えるので、盾として頑丈なものを作るか、武器として攻撃力を上げていくのか、プレイヤーごとの好みと対策方法によってさまざまな形に変化させられるのだ。現在手元にあるパーツで何ができるかも影響するので、ランごとに唯一無二のクラフトとビルディングが可能だろう。

戦闘中は武器を動かすときも時間が進むので、ジャンプで避けるかダッシュでくぐるか、はたまた武器で受けるのか、さらにどの敵から倒すのかといった優先順位も併せて考えつつ、敵からどの位置でどのような攻撃が繰り出されるかも把握する必要があり――と、慣れるまでは見るところが多い印象だ。停止して考え尽くせるぶんターン制のような感触であり、アクションとしてよりストラテジーとしてのやりごたえと難しさがある。

そのため、難易度を選択する際の判断基準としては、アクション部分を気にかけるより、ストラテジーゲームが得意か不得意かに重きを置くほうが適切な難易度に近付くのではないかと思う。一度本作のシステムに慣れれば、『Million Depth』でしか味わえない戦闘の面白さに夢中になれるだろう。

▲ラン途中での難易度変更はできないので、不安であればストーリーモードで始めて調整するのもよさそうだ

また、ローグライク的要素として、モマを直接強化する『レリック』も、随所でランダムに獲得可能だ。効果にはさまざまなものがあり、高レアリティ帯ではバフが強力なぶん、手痛いデバフがつくことも。

このデメリットは『ドリるん』というNPCにパーツを提供することで削除してもらえるが、一度につきひとつのレリックからしか削除できないことと、その先にドリるんと出会えるエリアがあるかを把握しておく必要がある点には注意しよう。削除する予定でデメリットを抱え込んでも消しきれない可能性があるので、削除用アイテムが足りているか、受容できるデメリットなのかなど、さまざまな側面から判断していくことになる。この駆け引きも、本作の醍醐味のひとつだ。

▲ドリるんはかわいい。だけでなく、武器のクラフト範囲を広げてくれる役割も持つ。

そうして一度ランを終了すると、先ほどまでの旅が『α世界線』でおこなわれていたことが判明する。本作はマルチエンド形式になっており、さまざまな世界線のできごとが絡み合っていくだけでなく、“キミ”の正体すら異なってくるとのことだ。ルート分岐はフローチャートで非常に分かりやすくまとめられており、回収に悩むことはないだろう。

リトライ時には不穏なノイズが走ったり、『カルマ値』という詳細不明の数値が提示されたりと、並行世界やループものが好きなユーザーのツボを的確に押さえてくる本作。気になった方はぜひミリオンデプスにダイブして、自身の手でトゥルーエンドに辿り着いてほしい。

『Million Depth』は11月12日よりPC(Steam)にて発売中で、日本語・英語・中国語(簡体字/繁体字)に対応している。併せてサウンドトラックも発売されているので、本作をドラマチックに引き立てるサウンドが気に入った方は要チェックだ。


基本情報 Million Depth
開発 Cyber Space Biotope
販売 PLAYISM
配信日 2025年11月12日
言語 日本語有り
価格 1,870円(Steam

ライター:しわしわ 編集:LayerQ

この記事で紹介されているゲーム

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