2025年11月9日に、東京・浜松町にて開催の「東京ゲームダンジョン10」の出展タイトルから、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップして紹介しよう。
なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。


新体験版で進化した! “盗み”が主役のアクション
『BANDIT KNIGHT』は、2.5Dドットの世界を自由に駆け回る盗賊アクションゲームだ。「Game Float」が開発し、「Spiral Up Games」がパブリッシングを担当する。
プレイヤーは盗賊ギルド“キバドリ”の一員となり、不義と搾取に支配された世界から富を奪い、平和を取り戻すことを目指す。単なるアクションゲームではなく、“盗み”そのものに主軸を置いた独自性が、本作の最大の魅力だ。
2.5D(ドットキャラクター × 奥行き背景)を活かしたビジュアル表現に加え、ステルス・アクション・収集が連動するゲームデザインは高く評価され、第2回 GYAAR Studio インディーゲームコンテストでプラチナ賞を受賞。正式リリースは2026年予定だが、2025年11月20日よりSteamにて新体験版のプレイテストが解禁され、誰でもアクセスできるようになった。

“盗み”を軸にしたゲームシステム
『BANDIT KNIGHT』では、家具、装飾品、観葉植物、ぬいぐるみ──ステージ内のほぼすべてが“盗む対象”として機能する。ジャンプ、スリ、背後からの無力化、ナイフ投げなどのアクションを組み合わせ、衛兵や住民に気付かれないよう鮮やかに盗みを遂行するステルス性は、緊張感と達成感を同時に味わえる設計だ。
また、特定条件を満たすと周囲のアイテムを一括回収できる「コレクトゾーン」が発動。拠点に持ち帰った戦利品は換金され、スキルや装備の強化に使用できる。見つかってしまうと戦闘やアイテムロストのリスクを伴うため、立ち回りと判断が攻略の鍵を握る。また、明確なゲームオーバーはなく「時間内にどれだけアイテムを奪取できるか」に焦点をあてた作品となっている。
ストーリーでは、主人公がなぜ盗賊として盗みを働いているのか、その理由などについても今後は語られていくとのこと。
新体験版で大幅進化──拡張された世界と新たな要素
今回配信された新たな体験版では、新ステージとして港町エリアが登場。海辺の倉庫街、狭い路地裏、商人たちの市場など、従来とは異なる地形と視線の駆け引きがプレイヤーを待ち受ける。住民の生活感が細かな描写で表現され、盗賊として“街に紛れる”感覚が一層強くなった。盗賊仲間との新たなミッションや会話イベントも加わり、物語とキャラクターの関係性も強化されている。
さらに、初公開となるスキルツリーが導入。移動速度やステルス能力の強化、ナイフ関連スキル、罠解除などを自由に選択でき、潜入型や戦闘型など、自分だけのビルドを構築できるようになった。探索で入手する設計図による装備クラフトも加わり、“準備の楽しさ”が大きく進化している。
また、初登場した新要素「予告状」は、ステージ開始前に使用することで特別報酬やレアアイテムの出現率を高める一方で、敵の警戒度上昇や難度アップというペナルティも伴う。安全に稼ぐか、あえてリスクを取って高報酬を狙うか…その駆け引きが、ステージ攻略に新たな緊張感と戦略性を与えている。


「盗む面白さ」がすべての中心にある
『BANDIT KNIGHT』の核にあるのは、戦闘でも探索でもない、“盗み”そのものの面白さだ。盗める対象の豊富さだけでなく、それをどう持ち帰るか、どのルートで逃げるかといった判断までがゲーム性として機能している。戦闘で突破するか、影のようにすり抜けるか──その選択は常にプレイヤーに委ねられる。
今回の東京ゲームダンジョン10で、開発者に話を伺ったところ、『ドラゴンクエスト』などでタンスを開けるときのワクワク感やドキドキ感からヒントを得たと教えてもらえた。「アイテムを集める楽しさ」「盗む楽しさ」「準備する面白さ」「挑戦する緊張感」の要素が、より明確かつ自然に融合している。
盗賊として生きる──その体験を研ぎ澄ました本作は、今後のインディーアクションシーンにおいて注目すべき存在となりそうだ。気になった方は、Steamから「Playtestに参加」をクリックして申請してみよう。正式リリースに向け、次なる一手にも期待したい。
| 基本情報 | BANDIT KNIGHT |
|---|---|
| 開発 | Game Float |
| 販売 | Spiral Up Games |
| 配信日 | 2026年予定 |
| 言語 | 日本語有り |
| 価格 | 未定(Steam) |
ライター:セン星人 編集:LayerQ

