プレイヤーごとに違う視点から、事件の真相を解き明かす。近未来を舞台に未知の事件を追う2人プレイ専用ミステリーゲーム『D.D.D. 災薬対策課』体験版プレイレポ【ゲムダン10】

レイリー

2025/11/30

2025年11月9日に、東京・浜松町にて開催の「東京ゲームダンジョン10」の出展タイトルから、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップして紹介しよう。

なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。

東京ゲームダンジョン 10 ► 2025年11月9日(日)、東京・浜松町で都内最大級のインディゲーム展示会を開催!
「東京ゲームダンジョン」は個人や小規模チームが制作するデジタル・ゲーム(インディゲーム)の展示会です。手頃な出展料と充実した設備で、気軽に作品を出展・試遊できるイベントを目指しています。主催者も個人でゲームを作っているインディ開発者です。みんなで国内のインディゲームを盛り上げましょう!

捜査官2人の視点から事件を追う

D.D.D. 災薬対策課』は、プレイヤーごとに異なる視点から証拠を集め、事件の真相を解き明かす2人プレイ専用のミステリーゲーム。個人開発者のfug氏によって開発が手がけられている。

プレイヤーは「災厄対策課」通称D.D.D.(Disaster Drug Division)に配属された2人の新人捜査官として、違法なナノロボット"DisasterDrug(災薬)"が使用された事件の真相を追っていく。

ゲームは捜査パートと回答パートに分かれており、捜査パートでは操作キャラクターによって集められる証拠や、調査する場所が異なる。プレイヤー同士でリアルタイムに情報共有を行いながら推理していこう。

そして、2人の間で意見が一致したら「推理」ボタンを押して、真相となる選択肢を選ぶことでゲームは進んでいく。ここでは、2人の回答が揃っていないと進行できないので、しっかりお互いが納得するまで議論して真相を導きだそう。

今回の体験版では、物語の冒頭を試遊することができたので、弊誌ライターのレイリーとセン星人のそれぞれで、男性捜査官「冬原誠一」と女性捜査官「鶴間余白」の視点からプレイした内容を紹介しよう。

D.D.D. 災薬対策課 on Steam
『D.D.D. ― 災薬対策課 ―』は、2人プレイ専用の推理アドベンチャーゲームです。 ナノロボット医療が発達した近未来を舞台に、プレイヤーは特別組織〈D.D.D.〉に所属する二人の刑事となり、 違法ナノロボット《DisasterDrug》が関わる事件の真相を追います。 互いに異なる情報を持ち寄り、通話で協力しながら、事件の謎を解き明かしましょう。

「マーダーミステリー」のような手触り / レイリー

まず、本作の特徴的な点はやはり2人で協力して進めていく点だろう。ゲーム開始後に、プレイヤーは男性捜査官「冬原誠一」か、女性捜査官「鶴間余白」のどちらかを選ぶことになる。

どちらを選ぶかによって事件で捜査する場所や、手に入る証拠が異なるため、どの視点でプレイするかでシナリオの印象も大分異なってきそうだった。

たとえば、筆者が選んだ冬原側の視点では、薬の分類表が証拠として入手できるが、肝心の現場にあった薬の見た目は分からないまま。一方の鶴間側は現場の薬を確認することはできるが、分類表は手元にないので断定ができない、といったように、各々で入手できる証拠を組み合わせて推理していく。

▲共有されている手がかりにはアイコンが付く

また、事情聴取の場面では、とある女性が「冬原の顔が好み」という理由で捜査へ非常に協力的だった。だが、鶴間側で同じく事情聴取を試みた際は取り付く島もなかったそうだ。

このように、片方の視点のみでは解決できないようなつくりとなっている。コミュニケーションを適宜とりながら推理していくという形は、参加者が犯人役や探偵役を演じ合う体験型ジャンル「マーダーミステリー」を彷彿とさせる。

▲それぞれの捜査官が出会う人物も異なる

このほか、ナノロボット技術が発達した近未来の世界観もシナリオに良いアクセントを加えている。違法なナノロボット「災薬」が使用された事件がメインの本作。プレイヤーにとっては未知の物質ということもあり、凄い事件を扱っているというワクワク感も、短い試遊ながら味わうことができた。

2人で視点が異なるからこそ、ときにキャラクターのみならず、プレイヤーの推理や考えがすれ違うこともありそうで、この続きにも期待が広がる作品となっていた。

「自分にだけ見えている情報」は何なのか? / セン星人

今回の試遊時に、女性捜査官である「鶴間余白」の目線でプレイをした。レイリーさんは冬原パートだったため、お互い別々の捜査を行うこととなった。

まず最初に「自分にしか見えていない情報は何なのか」という点を共有し合うところから始まる。捜査の情報は、捜査資料に記憶されるのだが、その内容を冬原を操作しているもう片方のプレイヤーに伝えていくことで、事件の全貌が少しずつ見えてくる。

上の画像は、自分が操作している鶴間でしか見ることができず、冬原側では、薬の分類表の内容しかわからないため「形状や装飾」の内容を口頭で伝えることで、事件の証拠を共有し合うことができた。

また、別のパート時には、被害者と親しい関係の人物に話を聞く場面があった。そこでの情報を冬原側に伝えると「女性である鶴間には話したがらないが、男性である冬原には重要な証言をする」という人物が居た。その逆のパターンもあるため、何気ない会話の情報すらも共有しておく必要がある。

本作の率直な感想だが、配信映えするのではないかと感じた。筆者は動画制作や配信などを行っているのだが、本作のような「各プレイヤーごとに、見ているものが別」「会話でお互いの情報を伝えあう」「進行の選択肢が個別」というシステムは、リスナーも考察をしたり、どのような展開になっていくのか想像したり…など観ている側と一喜一憂することができるからだ。

以前話題になった『It Takes Two』や『違う冬の僕ら』などを彷彿とさせる「協力・会話・進行」といった2人協力プレイは、ゲームだけでなく配信界隈も盛り上げてくれそうな予感だ。

ゲーム制作を始めたばかりということもあり、全体のボリューム感は少なめだったが、今後の制作過程やイベントなどで新たなバージョンを試遊できるのが、非常に楽しみな作品だと感じた。

2人協力プレイに絞って開発

本作の開発を手掛けるfug氏にお話を伺うことができたので、最後にそちらもご紹介しよう。

元々fug氏が「マーダーミステリー」好きだったことから、これをゲームに落とし込みたいと考えたことが開発のきっかけだったそう。ただ、本来マーダーミステリーは大人数で行うものが一般的なため、そのままゲームに落とし込むことは難しかったそう。

そこで、マーダーミステリーの「参加者同士がコミュニケーションをとって、協力しながら推理する」というエッセンスを取り出して、2人プレイに絞った本作の開発が始まった。

開発が始まってから半年ほどが経過しており、既に一回ゲームキャッスルには出展していた。しかし、その際に難易度が高いというフィードバックが多かったことを受けて、今回出展した体験版では少し難易度を調整していたそうだ。

調整部分は、当初存在していた推理のノイズとなるようなダミーの選択肢を消すなどが主だったそう。普通の推理ゲームなどでは当然あるような要素に思えたが、協力型となると難易度が大きく上がってしまうようだ。対話するにあたって、何を共有したらいいのか分かりにくくなる点も影響しているのだろうが、この辺りはレベルデザインの難しさを感じられた。

また、作るうえでの苦労を他にも伺ったところ、シナリオ作成が特に苦戦しているそうで、既に5回は書き直しを行っているようだ。2人分のシナリオ間で辻褄を合わせる必要があるのはもちろんのこと、そのうえで伏線などを張る必要がありバランス調整が難しいとのことだった。

シナリオについては、最終的に6時間ほどのボリュームを見込んでおり、全3部構成を予定しているそう。また、体験版時点でテキストなどにボイスはついていなかったが、NPCには余裕があればつけるかもしれないとのことだった。

一方で、2人の主人公については今後もボイスをつける予定はないそう。これはプレイヤー自身の没入感を損なわないようにするためと伺った。

『D.D.D. 災薬対策課』は、PC(Steam)での発売を目指して鋭意開発中。いったん来年中の完成を目指しているとのことだったので、続報を期待して待ちたい。

基本情報 D.D.D. 災薬対策課
開発 fug
販売 fug
配信日 未定
言語 日本語有り
価格 未定(Steam

ライター:レイリー、セン星人 編集:LayerQ

この記事で紹介されているゲーム

It Takes Two

アドベンチャー

アクション

日本語対応
¥4,300

違う冬のぼくら(BOKURA)

アドベンチャー

カジュアル

アクション

インディー

日本語対応
¥710

D.D.D. 災薬対策課

アドベンチャー

日本語対応