本稿は、Game Grove Xと連携して制作した特集記事です。
2026年1月31日、和歌山城ホールで開催された「GGX Games Showcase」。和歌山県が主催するゲームクリエイティブ・プロジェクト「Game Grove X(GGX)」の集大成となるこのイベントでは、約3ヶ月にわたるゲームジャム「GGX NEXUS JAM」で生まれた作品群が一堂に会した。
その中で見事に優秀賞に輝いたのが、チーム「グレープ」が開発を手掛けた爽快感重視のアクションゲーム『セーチング!』だ。本ゲームジャムのテーマである「聖地」に対して、違った考え方をすることで生まれた本作は、可愛らしいローポリグラフィックと破壊の爽快感を特徴とするタイトルとなっている。
今回は「グレープ」のチームリーダーにインタビューさせていただいたので、『セーチング!』の紹介とともにお届けしよう。

聖地を破壊し尽くす魔王となれ!
『セーチング!』は、制限時間内に勇者が生まれる聖地をできる限り破壊していく爽快感重視のアクションゲームだ。主人公となるのは魔王の息子で、魔王からジャンプして建物を破壊する方法を教えてもらったらゲームスタート。スペースキーで力をためて、離せばジャンプするので、建物に着地して聖地をバラバラに破壊していこう。
本作の最大の魅力は破壊の爽快感。着地時のエフェクトや効果音、建物がバラバラになる様子など、プレイヤーが気持ちよく感じるためのコアが出来上がっているように感じた。高くジャンプすれば、着地時の衝撃波が大きくなり、より広範囲の建物を壊せる仕組みも楽しい。深く考えずに破壊の限りを尽くす、というシンプルな遊びが本作の魅力だ。

しかし、タイムアップ後に表示されるリザルト画面でのハイスコアを伸ばそうと思うと、いくつかの工夫や戦略が必要になってくる。例えば、緑色の建物を壊すと制限時間を延ばしてくれる時計が出現するので、その場所の把握と効率的に時計を回収できるルートを考える必要がある。
また、建物を破壊して出現する宝石を一定量集めると、凄まじい高さまでジャンプできるフィーバーモードに突入するのだが、それをどのように運用するかもハイスコアを伸ばす上で重要だ。

下記URLから無料でプレイできるので、気になった方はぜひ挑戦して最高ランクの「DEVIL-KING」を目指してみて欲しい。ブラウザ上でも遊べるが、筆者の環境では動作が重く、「Download」ボタンからビルドを落としてプレイした。そちらも多少動作が不安定ではあったが、『セーチング!』本来の爽快感を味わえるはずなのでオススメだ。


「グレープ」インタビュー:GGXを振り返る
今回は「グレープ」にてリーダーを務めた吉岡さん(プログラマー・3Dモデリング担当)に、作品の着想からGGX NEXUS JAMに参加した感想、そして今後の意気込みまでを伺った。
【プロフィール】吉岡:和歌山大学 システム工学部 3年生。学内ゲーム制作サークル副代表。リーダー兼プログラマー、3Dモデリングも担当。
「和歌山大学に県庁の方が来てくれて」
——まず、GGX NEXUS JAMに参加したきっかけを教えてください。
吉岡:和歌山県庁の方が和歌山大学に訪問してくださって、ゲーム制作のコミュニティを作らないかと誘われたのがきっかけです。それがGGXでした。GGXの運営チームにも参加していたんですが、実際にはゲームジャムのチームメンバーとして制作に集中させていただいていましたね。
——これまでゲームジャムの参加経験はありますか?
吉岡:学内のサークルでやっているものや、UnityRoomの1週間ゲームジャムには参加したことがありました。ただ、学外に出て参加するのは今回が初めてです。
——オフラインでの発表会「GGX Games Showcase」はいかがでしたか?
吉岡:オフラインだとご来場してくださる皆さんに向けて展示が必要になります。これまではゲームを作ったら、サムネイルあたりを作って終わりだったんですが、今回はトレーラーや展示物も制作することになって。そういう部分を経験できたのが学びになりましたし、とても楽しかったです。

「聖地を壊す」逆転の発想から生まれたコンセプト
——『セーチング!』のアイデアはどのようにして生まれたのでしょうか。
吉岡:今回のゲームジャムのテーマが「聖地」だったのですが、そこからプランナーがアイデアを提案してくれました。他のチームは聖地を「懐かしい場所」や「大切にする場所」として扱いそうだなと思ったので、逆の発想で「聖地を壊す」という方向性を打ち出したんです。ただ、破壊するといってもグロテスクな表現はよくないので、可愛らしいローポリのビジュアルにすることもそこで決まりました。もう1つ、2Dアドベンチャーのアイデアもあったんですが、多数決と話し合いで『セーチング!』に決まって、その後はスルスルと進みましたね。
——爽快感が魅力のゲームだと思いますが、一番こだわった点を教えてください。
吉岡:一番こだわったのは、破壊した瞬間の気持ちよさですね。破壊する演出処理がこのゲームで一番大事だと思ったので、プログラマーのポジションとしてこだわりました。音や揺れ、エフェクトの選定も含めて、そこに一番時間をかけましたね。反省点としては、プロトタイプをもっと早くチームに提供して、より詳細なフィードバックをもらえるようなフローを組み込めたらよかったなと思っています。

「会議のまとめが丁寧で」チームビルディングの学び
——プロジェクト中に印象的だったエピソードを教えてください。
吉岡:ゲームの内容からは少しそれますが、チーム自体の話をさせてください。年齢も出身もバラバラで、顔合わせもしたことがないメンバーでのスタートだったんです。その中で、会議が終わるたびに小林さんというメンバーが議事録を詳細にまとめてくれていて。おかげで不参加の人もこぼれ落ちていかない。チームビルディングの観点でとてもよかったですし、今後チームで動く上で僕も参考にしたい動きでした。
——本プロジェクトで一番の学びは何でしたか?
吉岡:去年の夏にゲーム会社のインターンで3日間のチーム開発を経験したんですが、そのときに作ったのが複雑なパズルゲームでした。審査もしていただいたのですが、面白さやアイデアが短時間では伝わりづらくあまり上手くいきませんでした。そこで、審査があるゲームジャムでは、シンプルなゲームのほうがいいと感じたんです。実際に優秀賞を取ることができたので、ゲームジャムではそういう意識がとても大事だと実感しましたね。
「どこかで一緒にゲームを作りましょう」読者へのメッセージ
——最後に、GGXに興味を持っている方や『セーチング!』を遊んでくれる方にメッセージをお願いします。
吉岡:GGXに興味を持ってくれた方へ。ゲームって遊んでみると「こうだったらもっと面白いのにな」ってアイデアが出てくることがあると思います。きっかけは何であれ、そういった”ゲームを遊ぶ側から作る側に回ってみたい”という意識が芽生えたら、ぜひ一度ゲーム作りに足を踏み入れてみてください! すごく楽しいですよ! そして興味があれば、GGXのコミュニティに参加して、一緒にゲームを作りましょう!
Game Grove X 公式サイト
https://gamegrove-x.com/
GGX Games Showcase
開催日:2026年1月31日
会場:和歌山城ホール
GGX Games Showcase 特設サイト
https://gamesshowcase.gamegrove-x.com/
和歌山県 イベントアナウンスページ
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/020400/04/ggxgamesshowcase.html
ライター/編集:LayerQ

