本稿は、Game Grove Xと連携して制作した特集記事です。
2026年1月31日、和歌山城ホールで開催された「GGX Games Showcase」。和歌山県が主催するゲームクリエイティブ・プロジェクト「Game Grove X(GGX)」の集大成となるこのイベントでは、約3ヶ月にわたるゲームジャム「GGX NEXUS JAM」で生まれた作品群が一堂に会した。
その中で見事に最優秀賞に輝いたのが、チーム「ぴすたちお下校班」が開発した『ホワイトノウェイ』だ。小学生が道路の白い線だけを踏んで家まで帰るという、誰もが一度はやったことがあるであろう遊びをモチーフにしたアクションゲームだ。
今回は「ぴすたちお下校班」の方々にインタビューさせていただいたので、『ホワイトノウェイ』の紹介とともにお届けしよう。

白線の上だけを歩いてゴールを目指せ!
『ホワイトノウェイ』は、主人公の少年の左右の足をマウスで操作しながら、白線の上だけを歩いてゴールを目指すアクションゲームだ。お母さんから伝えられた門限を越えてしまうとゲームオーバーになるので、なるべく急いで先を目指そう。
白線の外に足を置いてしまうと転んでタイムロスしてしまうので、左右の足をできる限り正確に操作していく必要がある。

道中では白線が途切れ途切れになっていたり、足を平行に出して進まないといけなかったりする場所があり、少しずつ白線の上を歩く難易度が上がっていく。さらに、しばらく進むと少年が空想する海の世界に突入し、タコが墨を吐いてきたり足を地面から出したりしてきて、よりスリリングなゲーム展開に。
そして、ゴール後はリザルト画面が表示され、ゲーム内時間でクリアした時間と歩数が表示される。個人的に本作をさらに面白く感じたのはここからで、このタイムをどこまで縮められるかに挑戦してみると、自分なりのテクニックをいくつか編み出すことに成功。どんどんと効率化されていく少年の足さばきに、自身の成長も感じられて楽しくプレイを続けることができた。
下記URLから誰でもブラウザ上で遊べるので、皆さんもぜひ挑戦してみて欲しい。


「ぴすたちお下校班」インタビュー:GGXを振り返る
今回は「ぴすたちお下校班」にてリーダーを務めたとっきーさん(サウンド担当)とサブリーダーのオタメガさん(プランナー)に、作品の着想からGGX NEXUS JAMに参加した感想、そして今後の意気込みまでを伺った。
【プロフィール】とっきー:大阪電気通信大学 総合情報学部1年生。リーダー兼サウンド担当。/オタメガ:同大学 総合情報学部4年生。プランナー、ステージ・レベルデザイン、サブリーダー。
「まさか同じチームになるとは思わなかった」
——まず、GGX NEXUS JAMに参加したきっかけを教えてください。
とっきー:先輩であるオタメガさんに勧められたのがきっかけです。今年の2月中旬にBitSummit Game Jamに参加したいと考えていたのですが、その前に学校外のゲームジャムで初対面の人たちとのゲーム制作の経験を積みたいと思ったんです。
オタメガ:昨年はTGS2025の出展を目指すプロジェクトや、学校でBitSummitに出す作品の制作などを並行していたんですが、たまたま手が空いたタイミングでGGXの存在を知りました。とっきーさんのような後輩を何人か誘っていたんですけど、まさか同じチームになるとは思ってもいなかったです(笑)。ゲームジャム自体は学内も含めて何度か経験があって、一昨年のBitSummit Game Jamにも参加していました。
——プロジェクトを終えた今のお気持ちはいかがですか。
とっきー:実はまだ「終えた」という感覚はないんです。『ホワイトノウェイ』を次のBitSummitで展示する予定で、ブラッシュアップのためにちょっとずつ動き出しているところです。『ホワイトノウェイ』をプロジェクトとして見たときに、プロの方々のサポートやレクチャーにとても助けられたこともあって、進行としてはすごくスムーズでした。
オタメガ:次のBitSummitへの流れがあって、書類関係は自分が担当しているぶん正直ちょっとキリキリしています。2月中旬からはBitSummit Game Jamで別の作品にも携わることになっているので、今から結構忙しいですね。良い経験になりましたが、同時に課題もたくさん見つかりました。

「白いところだけ踏んで帰る」誰もが知っている遊びが原点
——『ホワイトノウェイ』のアイデアはどのようにして生まれたのでしょうか。
オタメガ:最初の案出しはブレインストーミングで、メンバーがそれぞれ2~3個ずつアイデアを出しました。その中で「小学生が道路の白いところを歩いて家まで帰る」というアイデアがあって、「ノスタルジーを感じてほしい」というテーマを軸にすることが、チームの多数決で決まりました。方向性が決まった後はスムーズに進んで、大きなトラブルもなかったですね。
とっきー:別案にも面白いアイデアはたくさんありました。ゾンビと戦いながらシェルターに戻るゲームとか、お坊さんが托鉢で世の中の不浄を受け止めるゲームとか(笑)。その中から絞っていった形です。
——帰り道の空想で海の世界に入るシステムが印象的ですが、海の世界以外のアイデアもあったのでしょうか。
オタメガ:海の世界のほかに、マグマの世界の構想がありましたが、全体の制作進行を考えてマグマの世界は見送りになりました。週に動ける時間に制約があったので、その中でまずはちゃんと遊べるものを作ることを最優先しました。
とっきー:空想の世界に入るというシステム自体は、プランナーに「このテーマで企画を作ってほしい」とお願いした後に出てきたものです。プランナーの力が大きかったですね。

「学外に行ったのに同じチーム」偶然が生んだ安心感
——プロジェクト中に印象的だったエピソードを教えてください。
オタメガ:学外のゲームジャムなので、和歌山の大学の人や会ったことのない人と組めるのかなと思っていたら、蓋を開けるとKCG(京都コンピュータ学院)や同じ学校のメンバーと組み合わさった。KCGもBitSummit Game Jamでよく一緒になっていたので、顔なじみのメンツです(笑)。それはそれで予想外で印象的でした。
大変だったのはチームマネジメントですかね。9人のチームでしたが、スケジュールの関係でミーティングに参加できないメンバーがいることがどうしてもあって。不参加のメンバーへのフォローをどう工夫していくか、という点は自身にとって難しい部分でした。
とっきー:僕とオタメガさんは前期に学内で同じプロジェクトをしていた仲なんです。GGXで学外に出たのに、また同じチームに入ってしまうというハプニングがあったんですが、結果的には安心感があってリラックスして取り組めました。週に1回のミーティングでは、毎回中心になって動いてくれる方たちが良い意見を出してくれて、とても活発な場になっていたのが印象的です。その週で一番よく話したのがミーティングだったというくらい、楽しい時間でした。
「この懐かしさを共有できたら」読者へのメッセージ
——最後に、GGXに興味を持っている方や『ホワイトノウェイ』を遊んでくれる方にメッセージをお願いします。
とっきー:僕とオタメガさんで去年の前期の制作を福岡や名古屋に展示しに行ったことがあるんですが、今回の展示「GGX Games Showcase」はそれらと比べても、とにかく手厚かったです。PCとモニターを貸し出してくれたり、発表の練習の時間も作ってくれたり、準備に丸1日かけてくれました。これから目立っていくゲームジャムになるだろうと期待しています。
『ホワイトノウェイ』は10分くらいのゲームなんですが、そういう規模の作品でも遊んでくれる人がいるのが素直に嬉しかったです。もっと広く遊んでもらって、この懐かしさやノスタルジーを共有できたらいいなと思っています。
オタメガ:GGXに興味を持たれた方には、オフラインの展示がとにかくアツいと伝えたいです。前日から大きなポスターや説明書、ポスターカードなどの印刷物まで用意してもらえるので、学生としては本当にありがたかった。イベントの中でもかなり厚遇されていると感じました。和歌山城を見るついでにでも、ぜひ参加してみてほしいです。ここからGGX最優秀賞という看板を背負い、BitSummitに向けて3ヶ月間ブラッシュアップしていくので、皆さんにぜひ遊びに来てほしいです。
Game Grove X 公式サイト
https://gamegrove-x.com/
GGX Games Showcase
開催日:2026年1月31日
会場:和歌山城ホール
GGX Games Showcase 特設サイト
https://gamesshowcase.gamegrove-x.com/
和歌山県 イベントアナウンスページ
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/020400/04/ggxgamesshowcase.html
ライター/編集:LayerQ

