2026年3月20日~21日に、東京都・高円寺の未来をつくる杉並サイエンスラボ IMAGINUSにて開催された「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2026(以下、TIGS2026)」の出展タイトルから、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップして紹介しよう。
なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。


本稿でご紹介する『キャットアイランド』は、日本の“猫島”から着想を得た小さな島を舞台に、猫のための街を作っていく経営シミュレーションゲームである。自由で愛らしい猫たちや、空を反射する海面など、癒やしをあたえてくれるピクセルアートとアニメーションが魅力的だ。開発・パブリッシングともに、PixelDuckoo氏とDomke氏の2名で手がけている。
TIGS2026では海外出展サポートとしてブース展示のみの出展だったので、後日開発者の方へご連絡し、特別にメールにてインタビューにお応えいただけた。本稿では、試遊版をプレイしてみて感じた本作の魅力をお伝えするとともに、メールインタビューで伺った日本へのリスペクトや制作のこだわりについてご紹介しよう。

猫のためにのんびり島づくり
海の上を走る電車に乗って猫が訪れる小さな島・猫島。プレイヤーの目標は、この猫島を猫たちにとって住みよい町へと発展させていくことだ。最初は小さな駅ひとつしかない島にレストランを建て、食事を用意し、猫が心地よく過ごせるようデコレーションを施していく。

メインとなるレストランの経営はシンプルで分かりやすい構造だ。レストランを設置したあとは、提供するメニューや在庫数を決めて、島を訪れた猫が利用できるようにする。試遊ではざるそば・サーモンの握り・エビの天ぷらをそれぞれ用意できるが、猫たちにはメニューへの好き嫌いがあり、すべてを同じ数そろえても同じだけ売れていくとは限らない。猫の好みにそぐわなかったものは返品され、手数料が発生し、一日の収益から差し引かれてしまう。
猫たちの好みを把握するには、食事の様子を観察することが大切だ。メニューに対して「少なめで!」とフキダシが出たものは在庫が多すぎるので減らす必要があり、反対に「もっと!」と出るものは在庫を増やしてもまだ売れる、というかたち。猫たちのリアクションをよく見て、調整を重ねていこう。

そうして得た収益で、ランダムな装飾品が手に入るガチャポンを回して島をデコレーションしたり、土地を拡張したり、猫が移住できる家を建てたりと、自由に猫島を発展させていく。装飾は島をかわいく飾れるだけでなく、各施設の「快適度」を上昇させ、利益を上げる効果もあるようだ。積極的に活用しよう。
食事にうたた寝、釣りをするなど、自分が作った島のうえで自由に過ごす猫たち。風に揺れる観葉植物と空を流れる雲、それらをぴかぴかと映しだす海面。ピクセル調で描かれる世界は心地よく、なにもせずぼうっと眺めているだけでも非常に癒やされる作品だ。土地や施設の維持費などは必要なく、収支がマイナスになることはないので、猫たちと一緒にのんびりくつろぎながらプレイすることができる。日々の喧騒を忘れたい猫好きのプレイヤーにはぴったりだ。

なぜ“猫島”なのか? 開発者へメールインタビュー
ここからは、開発を手がけたPixelDuckoo氏とDomke氏にお答えいただいた、メールインタビューの内容をお伝えしよう。質問・回答の翻訳にはAIを使用している。
お二人は大学で出会い、ゲーム開発を通じて意気投合されたそうだ。グラフィックをPixelDuckoo氏、技術面とプログラミングの大部分をDomke氏が担当され、ゲームデザインについては「これこそが『キャットアイランド』にとって最善の決断だ」と思えるまで、両氏で話し合って決定しているとのこと。
――本作は日本の“猫島”からインスピレーションを受けたとのことですが、きっかけとなったエピソードや、経営シミュレーションとなった理由があればお伺いしたいです。
PixelDuckoo:1年前、1ヶ月かけて日本全国を旅する機会がありました。行く先を調べている時に偶然、日本の“猫島”の存在を知ったんです。残念ながらその時は別の地域をメインに回っていたため訪問は叶いませんでしたが、「島のほとんどを猫が占領している」というアイデアが強く印象に残り、本作の舞台設定のインスピレーションの一つになりました。
また、開発を始める前に『おいでませ、みなみ通りへ!』や『SUMMERHOUSE』をプレイしたのですが、それぞれの経営要素とデコレーション要素に魅了され、この2つのメカニクスを1つのゲームに組み合わせたら面白いのではないかと考えました。これらの素晴らしいゲームと、日本旅行の思い出が、開発の大きな原動力になっています。

――猫たちや景観など、本作のピクセルアートは非常にかわいらしく素敵でした。こだわった点やユーザーに注目してほしいところはどこでしょうか?
PixelDuckoo:アートディレクションに関して言えば、『キャットアイランド』は私が育ってきたジブリ映画、特に『千と千尋の神隠し』へのささやかなラブレターのようなものです。あの映画は少なくとも5回は観ています(笑)。特に千尋が電車で移動するシーンや、作品全体の風景のトーンが大好きで、プレイヤーの皆さんにも同じような感覚を味わってもらえたらと思っています。
ピクセルアートのスタイルについては、『Kingdom』シリーズと『Hyper Light Drifter』という2つのゲームから大きな影響を受けました。どちらも本当に素晴らしいグラフィックで、私たちのゲームもそれらに負けないくらい美しくしたいと考えました。

――『千と千尋の神隠し』へのラブレター、非常に納得できます。日本への旅も、ジブリ映画の影響で企画されたものだったのでしょうか。
PixelDuckoo:もともと日本に興味を持ったきっかけはジブリ映画でしたが、年を重ねるにつれて、日本で生み出される多くのメディアに触れるようになりました。そして、いつしか日本を訪れることは私のバケットリスト(死ぬまでにしたいことリスト)の最優先事項になっていたのです。
日本への旅行は本当に素晴らしいものでした。自然、文化、食べ物、そして人々、それらすべてが特別な思い出になりました。いつかまた訪れる機会があることを願っています。この旅は間違いなくゲームのアートに影響を与えましたし、ある意味で、このゲームは私の経験の記念品(メメント)でもあります。
奈良公園で自由に歩き回る鹿や、広島の近くにある浮いた鳥居、そしてゲームセンターにあふれる可愛いおもちゃのガチャガチャには本当に驚かされました。また、コンビニで見つけたお気に入りのお菓子や、滞在中に食べた料理もいくつかゲームの中に取り入れています。

製品版のゲームでは、旅の思い出をもっと盛り込みたいですし、他にも私が魅了された日本の姿を形にしたいと思っています。
――本作ならではの特徴や、制作にあたって大切にした点などもお聞きしたいです。
Domke:『キャットアイランド』がユニークな点は、ハードな経営や都市建設シミュレーションではなく、「体験そのもの」に重きを置いていることです。ショップやレストランの経営、島の発展といったシステムはありますが、デコレーションを楽しんだり、世界と触れ合ったり、自分のペースで進めたりと、遊び方の自由度が非常に高いのが特徴です。
また、ガチャマシンのような遊び心のある要素を加えたり、各レベルが新鮮に感じられるようデザインしたりして、単調にならないような工夫もしています。
私たちが目指したのは、あくまで「心地よく、カジュアルで、心温まる」体験です。プレッシャーを感じることなく、リラックスして遊べるものを目指しました。同時に、効率化を楽しみたいプレイヤーには十分な深みのある経営システムを提供しつつ、のんびりとデコレーションや雰囲気を楽しみたいだけの人も満足できる、そんなバランスを大切にしています。
『キャットアイランド』は、自分だけの小さな世界を作り、ただそこで過ごす時間を楽しむための、ゆったりとした可愛い体験を目指したゲームなのです。

日本旅行での思い出を織り込みながら、ゲーム体験の心地よさ・自由さなど、さまざまなこだわりと愛情をもって制作されている『キャットアイランド』。PC(Steam)にて2026第2四半期発売予定で、現在ストアページでは体験版も配信中だ。気になった片はぜひプレイして、本作のあたたかなプレイ感を確かめてみてほしい。
| 基本情報 | キャットアイランド |
|---|---|
| 開発 | domkegames, pixelduckoo |
| 販売 | domkegames, pixelduckoo |
| 配信日 | 2026第2四半期 |
| 言語 | 日本語有り |
| 価格 | 未定(Steam) |
ライター:しわしわ 編集:LayerQ
















