2026年3月20日~21日に、東京都・高円寺の未来をつくる杉並サイエンスラボ IMAGINUSにて開催された「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2026(以下、TIGS2026)」の出展タイトルから、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップして紹介しよう。
なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。

過酷な環境に根を張る、一輪のタンポポの物語
『タンポポは耐える。』は、道端の過酷な環境で生きる植物の生命力を描き、シミュレーションとアドベンチャーをミックスしたタンポポライフシミュレーションアドベンチャーだ。日本のインディーゲーム開発スタジオ"無限オーリーゲームズ"が手掛ける。
プレイヤーは過酷な環境に根を張る一輪のタンポポとなり、光合成で命を繋ぎながら降りかかる試練に耐え抜き、いつか綿毛となって空へ旅立つことを目指していく。


「光合成」と細胞分裂、そして過酷な試練に「耐える」システム
道端にそっと生を受けた、一輪のタンポポ。本作が描くのは、そんなど根性タンポポの静かで、それでいて懸命な一生だ。雨の日も、風の強い日も、あるいは照りつけるような夏の日差しの中でも、彼/彼女は決して折れることはない。
時には猫のいたずらに遭い、時には人間に踏まれそうになることもあるが……そんな苦難の日々を乗り越えた先に待っているのは、綿毛となって空へと旅立つ穏やかな瞬間だ。過酷な生存競争の中に生まれる、ささやかな物語がプレイヤーを待っている。

ゲームシステムの主軸となるのが「光合成」。周囲に漂う二酸化炭素や水、あるいは光エネルギーを丁寧に集めることで、自らの体を成長させる細胞分裂が可能になる。光合成によって蓄えた力を使い、生命力に関わるさまざまな能力を自分なりに高めていくことが、強く生き抜くためのカギだ。
また、光合成と並んで重要になるのが「耐える」というアクションだ。襲いかかるさまざまな試練に対し、タイミングよく耐えることでダメージを最小限に抑え込める。ただし、耐える行為そのものにも体力が必要な点には注意したい。無闇に力を込めるのではなく、ここぞという場面で見せる静かな抵抗こそが、タンポポとしての命を繋いでいく。
2つの場面で体験した「光合成」と黒猫とのバトル
今回TIGS2026の会場ではGYAAR Studioブースにて、15分ほどの体験版を試遊することができた。まず前半は、道路上のアスファルトで育ち始めたばかりのタンポポから物語が始まる。三人称視点で自由にカメラを操作できるが、この時点ではまだ花茎も伸びておらず、地を這う葉っぱだけの状態だ。
本作の軸となる「光合成」は、空中を漂うオーブ状の分子をマウスクリックで掴み、葉っぱのもとまで誘導するという直感的な操作で行う。光エネルギー、二酸化炭素(CO2)、水(H2O)。これら3つの資源を、通り過ぎる車や植木鉢から溢れた水滴といった周囲の環境から集めるプロセスには、ライフシミュレーションとしての着実な面白さがある。

リソースとなる分子は、なんらかのきっかけに従って画面上をゆらゆらと漂っている。太陽の光を浴びたり、足元に水が溜まったりするのを待つだけではなく、自ら手を伸ばして掴み取るという行為は、限られた環境の中でいかに効率よく栄養を摂取するかという植物なりの工夫を表しているのだろう。
「光合成」を繰り返してゲージが溜まると細胞分裂が発生し、3つの選択肢から能力を強化できる。分子の視認性を高めたり、一度に回収できる量を増やしたりと、成長するための力を自ら選んでいく。レベルアップを重ねることで、少しずつ効率よくリソースを回収できるようになり、植物としての成長を実感することができた。

一方で後半はシチュエーションがガラリと切り替わり、線路上のバラスト(砕石)に根を張るレベル10の姿となる。視点は三人称のままだが固定カメラに変わり、黄色い花を咲かせた成長ぶりに目を細めていたのも束の間、一匹の黒猫が遊び相手として現れる。猫にとっては気まぐれなじゃれ合いでも、タンポポにとっては命懸けの防衛戦の幕開けだ。
ここで重要になるのが、猫の攻撃に合わせてタイミング良くクリックする「パリィ」アクションだ。単純な防御だけでは体力が持たず、最後まで耐えきることができないからだ。しかし、このパリィの判定が意外なほどにシビア。猫パンチからゴロンと寝転がっての体当たり、しっぽを使った不規則な連続攻撃まで、タイミングがなかなか読みきれない。

筆者はこの手の操作には慣れているほうだが、まさかの3回もリトライすることになった……。タンポポという静かな存在が、懸命に身を守る姿はどこか健気でもあり、独特の緊張感がある。攻撃パターンを覚え、正確なタイミングを合わせる冷静な操作が求められる。
なんとかコツを掴んで猛攻をしのいでいると、線路を走ってくる電車の音に驚いた猫が走り去り、体験版は終了となった。作品の印象からスローライフ的な雰囲気かと思いきや、これほど意外な立ち回りを求められるとは思わなかった。実にユニークで、挑戦的な一作だ。

短い体験版に凝縮された、本作の主軸と印象的な体験
今回の試遊は15分ほどだったが、主軸となる「光合成」と、印象的な黒猫との対峙をダイレクトに味わえる構成になっていた。一見するとスローライフのような穏やかな空気感だが、その実態は日々こうした戦いを強いられているのかもしれない。
『タンポポは耐える。』は、PC(Steam)にて2026年のリリースに向けて鋭意開発中だ。

| 基本情報 | タンポポは耐える。 |
|---|---|
| 開発 | 無限オーリーゲームズ |
| 販売 | Rikuya Waki |
| 配信日 | 2026年 |
| 言語 | 日本語有り |
| 価格 | 未定(Steam) |
ライター:朝比奈 編集:LayerQ





