『Egging On』は、卵を転がして足場を登っていく、シンプルかつ高難易度なプラットフォーム・アクションゲームだ。物理演算に基づいた挙動をする卵を慎重に操作し、険しい道のりを乗り越えていこう。ポーランドに拠点を置くEgoboundsが開発を手がけ、Alibi GamesおよびIndieArkがパブリッシングを担当している。
『LOST EGG』フォロワーにあたる作品で、ステージ制ではなく、オープンなフィールド上を移動し続けていくかたちの本作。卵の着せ替え要素や、先端部分でジャンプすると跳躍力が上がる点などが特徴だ。2026年4月3日のアップデートでは、イースターエッグを探しだすことで特定の着せ替えをアンロックできる「イースターモード」も追加されている。
今回、Indie Arkよりレビューキーをいただき『Egging On』をプレイしてみたので、その感触をもとに、本作ならではの要素や魅力について紹介していこう。

高難易度ながら親切な、懐の深い“卵転がし”
本作は『LOST EGG』同様、“卵”であることを活かした独特の操作感がある。上下非対称の楕円形である卵は、思ったように真っ直ぐ進まず蛇行したり、坂道では重力に従い勝手に転がったりと、制御がむずかしい。プレイヤーは、スタート地点となる鶏小屋の屋根をひとまずの目標とし、小屋内から足場を伝って上へ上へと登っていく。

高所から落下すればもちろん卵は割れてしまうが、一時的に生卵の状態になってしまうだけで、ゲームオーバーはない。時間経過ですぐに殻は復活し、最初からではなく落下した地点からやり直せる。落下により卵が割れてしまう高度のラインも高めに設定されている体感で、序盤は特に「失敗したがまだ割れていない」という場面も多く、黙々と取り組み続けることができる。いわゆる鬼畜と呼ばれるほどの難易度ではない印象だ。
さらに、本作にはチェックポイントという救済機能も存在。一度通過していれば、最下層まで落ちてしまってもドローンがチェックポイントまで卵を運搬し復帰させてくれるという、画期的なシステムだ。『LOST EGG』は途中で諦めてしまった、または『Only up!』系のタイトルに手を出したことがないユーザーでも、比較的とっつきやすいのではないだろうか。難易度によってチェックポイントや卵のブレーキ操作を無効化することもできるので、歯ごたえも求めるプレイヤーもじゅうぶんに楽しめるはずだ。

また、「120メートル転がった」「3メートル以上の高さから落ちた」など、プレイしていくと自然に解除される実績によって、卵の新たな着せ替えが獲得できる要素も。基本的には卵の色や模様が変化するのみだが、なかには二段ジャンプなど特殊なスキルを持つものもある。それらはカスタム難易度モードでのみ使用することができ、ライト層はもちろん、気晴らしに力を抜いて遊びたいときに試してみるのもおすすめだ。お気に入りの卵を探してゲームを隅から隅まで遊び尽くすのも楽しいだろう。
そのほか、アップデートにて追加された「イースターモード」に設定しておけば隠された卵探しにも挑戦できるなど、さまざまな要素・遊び方が盛り込まれた本作。飽きのこない工夫とプレイが途切れない設計によって、やめどきを見失ってずっと浸ってしまうような魅力を備えている。高難易度ながら懐の広い作品という印象だ。

上達の実感が心地よい、多彩なギミックと絶妙な緩急
操作に慣れるまでは思うように卵をコントロールできず、すぐにコースアウトしてしまう場面が続く。進行方向の判断を誤ったり、視点操作が遅れたり、卵の飛距離を掴みきれなかったり……思うとおりに攻略を進めるのは想像以上にむずかしい。「卵の先端部分でジャンプをすると跳躍力が上がる」というシステムを軸にマップがデザインされていることもあり、まずは卵の向きを意識する操作のコツを掴むことが重要だ。
失敗しながら試行錯誤していくうち少しずつ卵の操作に慣れ、マップの構造を覚え、徐々に前に進みやすくなってくる。何度途中で落下しても、操作が雑になってきても、失敗地点までの復帰は確実にラクになっていく。時間をかけたぶんだけ“慣れと余裕”が生まれてくることを実感できるのだ。

操作に慣れるとそれまで苦戦していた場面も安定してテンポよく進めるようになり、上達を実感できると同時に、穏やかな心地よさも味わえるようになってくる。それを見計らったように多彩なステージギミックが次々と顔を出す展開も、本作の魅力だ。
トランポリンのように卵が大きく跳ねるネットや、ぎこちなく回転する換気扇の羽根など、新たな仕掛けがプレイヤーを翻弄しはじめる。体験に幅が出るだけでなく、新たな操作を求められることで、結果的に難易度も少しずつ上がっていく感覚だ。すいすい進んではあっけなく転げ落ちたり、振り落とされたり、ときには解法が分からず頭をひねって悩んだり……ただコースが複雑になるだけではない、楽しさと両立されたむずかしさが心地よく、慣性のように「もう一回」と挑戦を繰り返してしまう手触りのよさに繋がっている。


つねに張り詰めるような集中力を求められるマップ構成ではなく、肩の力を抜けいて休憩できるポイントが頻繁に用意されている緩急の塩梅などが、本作の“ちょうどよさ”や“心地よさ”に繋がっているように思う。落ちれば悔しく、落胆もするが、ついころころと卵の操作を続けてしまうのだ。そんな穏やかな中毒性のある本作に興味を持った方は、ぜひ卵の大冒険に挑戦してみてほしい。
『Egging On』は現在PC(Steam, Microsoft Store), PlayStation 5, Xbox Series X/Sにて発売中で、Epic Games Storeでも配信予定だ。英語・日本語をはじめとする11の言語に対応している。鶏小屋を抜け出した卵がどこへ向かい、どこに辿り着くのか、自身の手で確かめてみよう。
| 基本情報 | Egging On |
|---|---|
| 開発 | Egobounds |
| 販売 | Alibi Games, IndieArk |
| 配信日 | 2025年11月7日 |
| 言語 | 日本語有り |
| 価格 | 1,700円(Steam) |
| 1,760円(PlayStation 5) | |
| 1,750円(Xbox Series X/S)※Game Pass対象 |
ライター:しわしわ 編集:LayerQ

