2026年3月20日~21日に、東京都・高円寺の未来をつくる杉並サイエンスラボ IMAGINUSにて開催された「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2026(以下、TIGS2026)」の出展タイトルから、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップして紹介しよう。
なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。


今回試遊した『Onikura オニクラ』は、ピクセル調で描かれる趣深い和風の世界を舞台とした、横スクロールの高難易度ボスラッシュゲームである。タイミングを合わせて攻撃を弾くことでダメージを無効化するパリィを軸に立ち回る、ハイスピードな戦闘が特徴だ。開発はブラジルのインディースタジオToo Dark Studiosが手がけ、パブリッシングをAstrolabe Gamesが担当している。
ボスラッシュというジャンルとパリィメインのスタイル、美しいキーアートに惹かれ試遊に足を運んでみたところ、ブースには「プレイ時間制限なし」という思いきったポップが貼り出されていた。気の済むまでアクションと攻略を楽しませてもらい、その過程で感じた本作の魅力やプレイフィールにくわえ、後日お応えいただけた開発者メールインタビューの内容もお伝えしていきたい。

中毒性のある爽快パリィアクション
試遊開始後、まずはマップ上を進みながら操作を確かめる簡単なチュートリアルが始まった。ダッシュやジャンプといった基本的な動作に加え、瞬間移動できる鍵縄に、攻撃・パリィなどで溜めたゲージを消費して放つ奥義など、多彩なアクションをひとつずつ確認しながら、和の雰囲気が漂う静かな世界を進んでいく。

アクションはどれも滑らかかつ素直な操作感で非常に心地よい。特に、本作の目玉となるパリィの爽快感は格別だ。成功時には小気味よい効果音とともにまばゆい閃光エフェクトが弾け、ひとめで成否が分かるだけでなく、確かな手応えと高揚を感じさせてくれる。パリィ可能な攻撃には事前に予兆の表示があり、入力から構えまでのラグといった癖もないので、感覚を掴みやすい印象だ。
操作内容をあらかた把握したところで、さっそく一体目のボスとご対面……が、正面から突進を食らい続け、すぐさまゲームオーバーとなってしまった。

本作のダッシュは回避としては使用できず、すれ違って背面に回るということができないので、立ち回りに手間取ってしまったのが原因だ。リスポーン地点はボスの直前に設置されていたのですぐさまリトライし、ジャンプやダッシュの使いどころを見極めながら、安定する立ち回りを模索していく。
パリィのタイミングを把握し、突進をジャンプで躱し、奥義も駆使しながら6分ほどをかけてようやく撃破。あまりブースに長居してはならないと思いつつ、試遊であることを忘れそうになるほどのやりがいがあり、つい時間無制限のお言葉に甘えて没頭してしまった。体幹にあたる数値が設定されているのか、パリィや奥義を決めると敵がダウンすることがあり、上手くプレイできると明確な報酬があるのが嬉しい。

少し進むとまた次のボスが現れるので一度だけ戦ってみたが、こちらはさらにハイスピードな展開で、パリィしがいのありそうな内容となっていた。いよいよ本番といったところだろう。
素直で快適な操作感とテンポの良いリトライ性で、突破口を見つけるまで何度でも立ち向かいたくなる中毒性を持つ本作。とことん立ち回りを極めて強敵の攻略に没頭したいユーザーにはうってつけな印象だ。ストアページによると、主人公の強化やカスタマイズといった要素も解放されていくようなので、独自のプレイスタイルを見つけて洗練させていく楽しさも期待できそうである。
成長とともに達成感を得られる設計に――開発者メールインタビュー
残念ながら当日は開発者の方が現地におらず、お話を伺えなかったのだが、パブリッシャーAstrolabe Gamesのご厚意により、後日メールにてインタビューをおこなうことができた。ここからはその内容をお伝えしていこう。
――まずは自己紹介をお願いします。
Gabriel:私はToo Dark Studiosのガブリエル・ロペスといいます。みんなからは「Flymper(フリンパー)」と呼ばれています。このプロジェクトのクリエイティブ・ディレクターを務めており、マーケティング、レベルデザイン、脚本、PRなどを担当していますが、本職はゲームデザイナーです。

――本作を作ろうと思ったきっかけや、「高難易度ボスラッシュ」というジャンルを選んだ理由をお伺いしたいです。
Gabriel:スタジオのメンバー全員が、少なくとも12年前から高難易度ゲーム(死にゲー)に対して強烈な情熱を注いできました。そんな中、ゲームジャム(※)の期間中に、「日本をテーマにした、とてつもなく難しいボス戦が1つだけある小さなゲーム」を作ろうというアイデアが生まれました。当時は私自身を含め、誰も倒せないほどの難易度でした。
※ゲームクリエイターが集まり、指定された期間のなかでお題に沿ったゲームを制作する企画のこと。
その後、私はレナートとビアにスタジオの設立を提案したのですが、その際レナートが出した唯一の条件が、「『Onikura』を完成させてフルゲームにすること」でした。私は即座に承諾しました。
ボスラッシュというジャンル、そして右肩上がりに増していく難易度の背景にあるのは、プレイヤーに味わってほしい「ある感情」です。どれほど困難であっても、ゲームに費やすすべての時間が、着実な進化とプレイスキルの向上につながっていることを実感してほしいのです。
同じボスに数分、あるいは数時間費やした末に訪れる「勝利の感覚」は、間違いなく言葉では言い表せないほどの達成感です。私たちはそれを何度も経験してきましたし、プレイヤーの皆さんにもぜひ味わってほしいと考えています。

――本作はとても操作性が良く、特にパリィが気持ちよかったです。アクションで意識したことやこだわった部分についてお聞きしたいです。
Gabriel:『Onikura』のようなゲームでは、極めてレスポンシブで正確な操作性が、プレイヤーの操作感やゲーム体験にとって非常に重要だと考えています。そのため、キャラクターのあらゆる動きに可能な限りの“流動性・なめらかさ”を持たせることに全力を注ぎました。
また、多くのプレイテストを通じて、パリィがテスターから最も高く評価されるメカニクスであることが分かりました。彼らがこのゲームを「2D死にゲー」と呼んでくれたことから、パリィを核としたゲームにすることを決め、すべてのゲームプレイやデザイン、操作の流動性をその一点に合わせて調整しました。
さらに、メカニクスや機能の面では、99%のプレイヤーが一生気づかないような「アンダーワールド(隠れた深淵)」も用意しています。これは、このゲームに多大な愛と関心を寄せてくれるRTAプレイヤーのために特化し、磨き上げた世界です。普通のプレイヤーが普通に遊んでいるだけでは決して発見できないような、スピードラン専用の機能を何十種類も盛り込んでいます。

――グラフィックも綺麗で、和風のキャラクターやフィールドにとても惹かれました。“和風”テイストを選んだ理由はなんでしょうか?
Gabriel:私たちも皆さんと同じように日本文化が大好きです。ブラジル人ではありますが、幼い頃から日本文化は身近な存在であり、それが作品への深い敬愛につながっています。設定、テーマ、物語背景のすべてにおいて、日本的なスタイルは非常にスムーズに、かつ完璧にプロジェクトに馴染みました。日本の方々にも誇りに思っていただけるような、親しみやすく美しいものを作り上げたいと願っています。
アートスタイル自体はとあるプラットフォーム・ゲームからインスピレーションを受けていますが、自分たちのアイデンティティを加え、作品のコンセプトをより良く表現できるようアレンジしています。
――最後に、主人公の強化やストーリーなど、中盤以降のプレイフィール・見どころについて、ユーザーに伝えたいことがあればぜひお願いします。
Gabriel:処女作ということもあり、諸々の要因から物語を深く掘り下げすぎない選択をしました。しかし、自分が何者で、どこにいて、何が起きているのか、そして何を目的としているのかを理解してもらうための重要なストーリー要素は用意しています。プレイヤーの状況を説明するいくつかのカットシーンや、いわゆる“ソウルライク”なゲームのように、世界観を伝えるアイテム説明なども取り入れています。

成長要素に関しては、キャラクターが徐々に形作られ、自分好みのプレイスタイルにビルドしていく感覚を味わえるよう設計しました。自分がどんどん強くなっていく実感を得られる一方で、立ちふさがる試練もより大きく、険しくなっていくのを感じられるはずです。
挑戦を愛するプレイヤーの皆さんには、驚くような素晴らしい仕掛けを用意していると断言できます。また、カジュアルなプレイヤーにとっても、本作は高難易度ゲームへの格好の入門編となるでしょう。苦手な方でも進化を遂げ、ゲームを存分に楽しめるような成長曲線を設計しています。
――ありがとうございました。

快適なプレイと、着実に成長を感じられる設計を重視して制作されている本作。筆者自身も試遊にてそれらをじゅうぶんに体感することができた。『Onikura オニクラ』はPC(Steam)にて配信予定で、現在ストアページ上で体験版が公開されている。気になった方はぜひプレイして、感触を確かめてみてほしい。
| 基本情報 | Onikura オニクラ |
|---|---|
| 開発 | Too Dark Studios |
| 販売 | Astrolabe Games |
| 配信日 | 未定 |
| 言語 | 日本語有り |
| 価格 | 未定(Steam) |
ライター:しわしわ 編集:LayerQ









