ローグライト×タワーディフェンス=骨太なプレイ体験。可愛らしいユニット同士のシナジーで敵の大群を退けるストラテジー『Nightcap Witch』プレイレポート【東京ゲームダンジョン12】

レイリー

2026年6月15日

2026年5月3日に、東京・浜松町にて開催された「東京ゲームダンジョン12」の出展タイトルから、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップして紹介しよう。

なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。

ゲームダンジョン ► 2026年8月8日(土)、東京・浜松町でインディゲーム展示会を開催!
「東京ゲームダンジョン」・「大阪ゲームダンジョン」は個人や小規模チームが制作するデジタル・ゲーム(インディゲーム)の展示会です。手頃な出展料と充実した設備で、気軽に作品を出展・試遊できるイベントを目指しています。主催者も個人でゲームを作っているインディ開発者です。みんなで国内のインディゲームを盛り上げましょう!

変化していく戦況に対し、ノンストップで戦略を練る

Nightcap Witch』は、さまざまなユニットを使い分けて敵の大群を退けるタワーディフェンス形式のローグライトストラテジー。ターン制ローグライトバトルゲーム『Golden Warden』を手がけた個人開発者xpii氏の最新作となる。

プレイヤーはデッキ内のカードを駆使して、ステージの左端を目指して進んでくる敵の群れを撃退していくことになる。デッキは最大8枚で構成され、敵を一定数撃退するごとのフェーズ進行でカードを1枚ずつ加えることができる。

カードにはプレイヤーユニットとともに戦う仲間を召喚する「ユニット」カード、使い切りだが強力な攻撃を放てる「スペル」カード、地形を変えることで敵の進軍を阻む「タイル」カードの3種類が存在。目の前の戦況に対応しつつも、今後に向けてどのようなデッキを構築していくか、プレイヤーの頭脳が試される作品となっている。

本稿では「東京ゲームダンジョン12」で遊べた試遊版の内容を中心に、本作のプレイフィールをご紹介しよう。

Steam:Nightcap Witch
『Nightcap Witch』は、限られたユニットを駆使して戦うローグライト戦略ゲーム。8枚のカードからなるデッキを構築し、押し寄せる悪夢の軍団から泉を守り切ろう。君は悪夢を打ち払い、安眠を取り戻すことができるかな?

強力なユニットに頼りきりでは勝てない奥深い戦略性

ゲームが始まると早速敵がゆっくりと進軍してくるが、最初のデッキは0枚。いきなり詰んでしまったのかと思われるかもしれないが、本作はプレイヤーユニットも攻撃可能。もちろん移動させることもできるので、最初は主人公1人で敵を倒していくことになる。

しかし、本作のマップは縦3マスの横長マップとなっており、主人公1人では1レーンを守りきるのが精一杯。そこで頼りになるのが、フェーズ進行で入手できるカードだ。仲間を増やすためには「ユニット」カードを取れば良いのだが、ユニットにはそれぞれ個性が存在している。

たとえば、最初に加入する「もちばちゃん」はとにかく前へ進んで、目の前に敵がいたら1対1で戦うだけとシンプルな性能。弓で射程差を活かして攻撃できるユニットだったり、範囲攻撃ができるユニットだったり、体力がとにかくタフでタンク役になれるユニットだったりと個性豊かな面々と比べると一歩劣る印象もある。

だが、そんなもちばちゃんにも「コストが軽い」という利点が存在している。実は本作のユニット召喚はコスト制となっており、強力なユニットほど召喚にかかるコストも多く柔軟に対応しにくい。

また、コストの上限値は最初から決められているため、ステージ内に召喚できるユニット数も限られたものとなる。そのため、多数のレーンから同時に敵が来ており、一時的にそれを食い止めたいといった場面ではコストの軽さが輝くことがある。強力なユニットに頼りきりでは勝てないという、戦略性の奥深さを感じられた。

▲デザインも愛くるしい

ちなみに、当初はユニットごとに属性が割り振られており、それぞれ有利不利が発生する三すくみも存在したが、これは今回の試遊版から削除されていた。

理由として、敵に対して有利属性のユニットをとりあえず並べておけばクリアできてしまい、多様性が生まれなかったためと開発者のxpii氏が語っていた。また、ローグライトによるデッキのランダム性とも相性が悪かったそうで、もっといろいろなユニットを使ってもらうためシンプルな形にしたそうだ。

とはいえ、ユニットカードばかりを取っても、結局ステージ内に召喚できる数に限りはある。そこで活躍するのが、「スペル」カードだ。スペルカードは1回使用すると手元から消えてしまうが、炎で範囲内の敵を焼き尽くす攻撃や、矢が降り注ぐ攻撃など強力な効果をもたらす。これをユニットコストを払わずに使えると考えれば、リソースが限られた状況で文字通りの切り札となる。

その他、「タイル」カードは敵の進行を阻む障害物を召喚したり、スリップダメージを与える地形に変えたりと、ビルド次第でさまざまな使い方ができる可能性を秘めている。残念ながら、筆者が試遊した回ではうまく使いこなすことができなかったが、障害物で塞ぎつつ遠距離攻撃ユニットで固める……といった面白い使い方もできそうだ。

試遊版は1ステージ15分ほどのプレイとなっており、最後に現れたボス「クイーンスライムちゃん」を倒した時点で終了となった。15分ノンストップで戦略を考え続けるなかなか骨太なプレイ体験となっていたが、1ステージあたりのプレイ時間についても短くするか現在検討中とのこと。今後の続報に期待したいところだ。

好きなもの同士を掛け合わせてさらに面白くしたい

本作の開発を手がけるxpii氏にお話を伺うことができた。最後にそちらもご紹介しよう。

以前にxpii氏が手がけた『Golden Warden』の開発が終わり、次なる新作として着手され始めたという本作。もともと『にゃんこ大戦争』といったストラテジー作品が好きだったとのことで、今回は自分がストラテジーを作るならどうなるかというところがスタート地点だったそうだ。

そこにxpii氏が好きなジャンル「ローグライト」を掛け合わせることで、好きなもの同士のシナジーでさらに面白く、他作品とは異なるオリジナリティを出せるのではというアイデアから、本作の方向性が決まっていったそう。ゲーム外の要素ではあるが、組み合わせによるシナジーが出発点とは、なんともローグライトらしいエピソードだ。

色数が絞られたドット絵のアートワークも魅力的な本作。xpii氏曰く何かを意識してこうなったわけではないとのこと。むしろ色数が多いと、まとまりに欠けたビジュアルとなってしまいがちだったことから、あえて色を制限してビジュアルを作り上げているそう。

そうしたこだわりのもと作られたアートワークの中でも、特に時間をかけているとxpii氏が語るのはキャラデザイン部分だ。モチモチした感触のキャラクターデザインがもともと好みだったとのことで、そうしたデザインからインスピレーションを受けつつ本作のキャラデザインを作っていったそう。本作のマスコット的存在でもある「もちばちゃん」のモチモチした外見からも、その点は十二分に伝わってくる。

『Nightcap Witch』は、PC(Steam)での配信を目指して鋭意開発中。現在はレベルデザインや、全体的なゲームボリュームの調整などを行っているとのこと。今後さらにブラッシュアップされていくであろう本作への期待も広がる。


基本情報 Nightcap Witch
開発 xpii
販売 xpii
配信日 未定
言語 日本語有り
価格 未定(Steam

ライター:レイリー 編集:LayerQ

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