AIを欺き勝利を掴め! 語彙力と推理で言葉遊びを楽しむマルチプレイ伝言ゲーム『コトバグ』ブースレポート【OSAKA INDIE GAMES SUMMIT 2026】

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2026年10月3日~4日に、大阪府・コングレスクエア グラングリーン大阪にて「OSAKA INDIE GAMES SUMMIT 2026(以下、OIGS2026)」が開催された。試遊した出展タイトルから、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップして紹介しよう。

なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。

OSAKA INDIE GAMES SUMMIT 2026 (OIGS 2026)
今年は10月3日(土)4日(日)開催決定!会場はJR大阪駅直結「コングレスクエア グラングリーン大阪」。関西から世界へ。インディーゲームクリエーターが集結。

本稿でご紹介するのは、“AIと言葉”をテーマとする対話系ゲーム『コトバグ』だ。個人開発者nomari氏が開発を手がけている。

AI vs 人間のかたちで、AIに正解されないよう伝言ゲームをおこなうマルチ協力プレイの『コトバグ』は、現在も公式サイトにて公開中のブラウザゲームだ。ルーム作成権は500円で販売されており、参加は誰でも無料で可能となっている。会場では、本作に別途実装予定で開発中のソロプレイRPG『コトバグクエスト(仮題)』も展示されていた。

本稿では、両タイトルをあわせてご紹介しつつ、開発者へ実施したインタビューの内容もお伝えしていこう。

AIとの“言葉遊び”で生まれる、異なる2つのゲーム体験

『コトバグ』は、出題されたお題をヒントだけで仲間に伝える、2~6人で遊ぶマルチプレイ用伝言ゲームだ。親が出すヒントをもとに仲間がお題を当てられればクリアなのだが、AIも同じ条件でゲームに参加しており、正解されると人間側の敗北となる。仲間には伝わる一方で、AIには答えが見破れないようなヒントをどうにか捻り出すという、言葉遊びが主体のゲームだ。

単純にお題を連想させる言葉を並べるだけではAIにも正解されかねないため、仲間との共通認識や言葉のニュアンスを利用して、AIの推測をかいくぐることが目標となる。とはいえ、曖昧すぎたり突飛な連想をしすぎたりすれば、仲間にすら伝わらないという本末転倒な事態に陥るだろう。絶妙な塩梅を探りながらヒントを出し、仲間はそれをどうにか推理で汲み取って、勝利を目指していくわけだ。

対して、ソロプレイ用に開発中の『コトバグクエスト』は、プレイヤーが入力した言葉で戦うRPGである。画面中に表示されたパレットから五十音を組み合わせて言葉にすると、AIが技としての強さを判定し、敵にダメージを与えられる。この強弱の判定は、日本語版と英語版で仕様が異なるのだそう。

日本語版では、ひらがなの画数がそのまま基礎ダメージとして計算されるかたちだ。例えば、「あめ」と打ったら「あ」で3点、「め」で2点となり、合計5点のダメージを与えられる。ここに、言葉の長さや特定の文字・属性などによる補正が乗って、最終ダメージが算出される仕組みだ。英語版では、使用頻度の高いアルファベットはダメージが低いといったかたちで開発を進めているそう。

ただし、やみくもに画数の多い文字を詰め込めば良いわけではない。AIが言葉として理解できなかった場合は「拒絶」され、攻撃失敗となってしまう。しっかりとストーリーも作りこまれていて、『コトバグ』本編の息抜きのはずがつい夢中になってしまう――そんなプレイ感を予想させる内容だった。

“AIと言葉”をテーマにしつつ、対照的な内容となっている両タイトル。どちらも、人間とAIの理解力や語彙力が試される構造となっていて、非常に面白い試みだと感じた。

AIと人間が一緒に遊べるゲームを目指して――開発者インタビュー

会場では、本作の開発者nomari氏にお話を伺うことができた。ここからはその内容をお伝えしていこう。

現代はもはや、人間とAIは切っても切り離せない時代に突入している。“人間らしい振る舞い”によって、愛称で呼ばれるほど愛着を持たれている対話型AIも存在するほどだ。そうした時代背景の中で、nomari氏がAIと一緒にゲームを楽しめればいいなと感じたところから、本作の企画がはじまったのだそう。

そこで、伝言ゲームはどうかと思いついたものの、AIにお題を分からせるのではありきたりなうえ、今のAIは頭も良くすぐに分かってしまう。ならばと、その頭の良さを逆手に取り、頭の良いシステムにも分からないような言葉選びをするというゲームデザインに辿り着いたという。人間はこういった頭の使い方ができるんだぞ、といったところを本作で再確認してもらえれば、と話してくれた。

個人的に、非常に納得感があったのは、「AIと一緒にゲームを楽しめれば」というコンセプトだ。本作はシステムとして、非対称型PvPゲームの“鬼役”を、AIが務めているようなイメージがある。ルールひとつで、AIと同じ条件でともにゲームを遊ぶことができるという秀逸な着眼点は、新たな可能性を感じさせてくれた。

しかし、果たして人間側がどれほど勝利できるのだろう? という疑問も抱いた。AIの推測能力は、体感する範囲でもかなり上がってきている。ここに関して、当初はなんと頓珍漢な回答を返してくることのほうが多かったのだとか。

それではルールが破綻してしまうため、調整のためのプロンプトを組むことに相当の時間がかかったという。現在の難易度自体は、人間側の語彙力や理解力に依存する内容となっていて、勝率は観測範囲でおよそ2割ほどだそうだ。非常に挑戦しがいのある数字である。

また、nomari氏の本業はエンジニアであり、その経験を活かしてUIやUXなどのデザイン・動線まわりはかなり切り詰めてこだわったとも聞かせてくれた。

本作は、スマートフォン・タブレット・PCなど、端末を問わずに遊べるブラウザゲームのため、画面比率や性能差によって体験に差が生まれないよう最適化するのが非常にむずかしかったそう。その甲斐あって、ゲームページは非常にスタイリッシュな仕上がりとなっているので、ぜひお手元の端末で遊んでみてほしい。

マルチ協力伝言ゲーム『コトバグ』は、2026年5月24日より公式サイトにて配信中。ルーム参加は無料で、作成権は500円で購入できる。ソロプレイ用RPG『コトバグクエスト(仮題)』は、本作への実装を目指し鋭意制作中で、同時にストーリー性のないミニゲーム的なソロプレイコンテンツも開発予定とのこと。気になった方はぜひチェックしてみてほしい。


基本情報 コトバグ
開発 nomari
販売 nomari
配信日 2026年5月24日
言語 日本語有り
価格 参加無料/ルーム作成権500円(公式サイト)

ライター:しわしわ 編集:レイリー

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