勇者が汚したダンジョンの床をピカピカに拭こう! 一筆書きパズル『ダンジョン掃除人』


Masa Kei
Masa Kei

2023.11.21

ダンジョン掃除人(Dungeon Cleaner)』は、悪魔の掃除人となって、勇者たちが通り過ぎたダンジョンを片付ける一筆書きパズルゲーム。チャプターごとに新しいギミックが盛り込まれたステージが用意されており、ダンジョンの住人たちと会話するストーリーも楽しめる。

本作は8月のBIC Festivalの記事にて紹介したことがあり、筆者が日本向けのプレスリリース配信をサポートしている。

開発元のDimidiumは2021年からボードゲームの制作を始めた韓国のチームで、『ダンジョン掃除人』が初のPCゲームプロジェクトとなる。日本のアナログゲームのイベント「ゲームマーケット2023春」に参加してパズルブック版『ダンジョン掃除人』を販売したほか、12月の「ゲームマーケット2023秋」で新作ボードゲームを販売する予定だ。

Dungeon Cleaner on Steam
Clean and slide endlessly. Dungeon cleaner
▲残さずきれいに拭くにはどのルートを通ればいい?

同じタイルを二度踏まないように!

ふざけた勇者どもめ……汚さずに戦っていけよ!!

勇者たちがモンスターを倒して通り過ぎた後のダンジョンはどうなっているのだろう? 血まみれの床をきれいにしないと気のすまない悪魔が、モップで拭いているのだ。

パズルのルールはシンプル。「すでに掃除した床をもう一度踏んではいけない」ということだけ覚えておこう。掃除人のモップがけが見事なあまり、滑って転んで死んでしまうからだ。すべてのタイルを一度だけ通ってきれいにすれば、ステージクリアとなる。

▲何度も転んで顔が血で真っ赤に……もともと赤いのはご愛嬌

ダンジョンの住人たちとの楽しい会話

潔癖症の悪魔が掃除人をやっているというのも面白い設定だが、このダンジョンには他にもヘンテコな住人たちがいる。

竜討伐隊のリーダーだった「黒騎士」が首なし騎士として「ドラゴン」と新婚夫婦になり、ロマンチックな新居を構えている。羊が散らばってしまって泣いている「羊飼い」や、精霊「ジニー」と「サラマンダー」など、6名のキャラクターが登場。

各ステージの合い間に会話シーンがあり、勇者の一行を追いかけながらダンジョンを片付けていくストーリーが展開される。血痕を拭き取った後に、何か隠された秘密が明らかになるらしい……?

▲パズルのステージにもキャラクターがいて話しかけてくる
▲ダンジョンの住人たちの会話劇も魅力のひとつ

増えていくギミックが楽しい変化を生む

本作には、5つのチャプターに分かれた18のステージとエクストラステージがある。

チャプターごとに新しいギミックが追加され、「草原」では羊を飛び越えて、「城」ではしつこい汚れを二度拭きし、「溶岩地帯」では砂地獄に吸い込まれてワープするなど、ギミックを利用してパズルを解いていく。

▲溶岩地帯。片方の砂地獄に入ると、もう一方にワープする

ボリュームに満足できるかどうか?

少し気になる点としては、エクストラステージを含めても24ステージしかないため、人によってはボリュームが足りないと感じるかもしれないということだ。

だが、何度もミスしてリトライすることを考えると、丁度よいボリュームのようにも感じた。ワンコインで買える短編としてアリだと思ったら、ぜひプレイしてみていただきたい。

日本語翻訳は、開発チームが独力で翻訳したものらしく、意味は通じるものの、中には不自然なセリフもある。個人的には、海外の小規模なインディーゲームチームに日本語を学んでいるスタッフがいて、自分たちのゲームを日本に届けようとしていることに好感が持てた。ただ、日本語翻訳が十分な品質とは言えないことは正直に書いておきたい。

こうして海外からボードゲームやパズルゲームで新しい風を吹き込んでくれそうなチームがあるということをお伝えできれば幸いだ。Dimidiumの今後の活躍にも注目したい。

▲チャプター選択もある。もともと16ステージの予定だったが少し追加されたようだ

基本情報 ダンジョン掃除人
開発 Dimidium
販売 Dimidium
配信日 2023年11月14日 / 日本語有り
定価 470円(Steam
Indie Freaks

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