倭寇という強大な敵に対して孤独に戦い抜く『The Last Soldier of the Ming Dynasty(平寇志)』日本語サポートでリリース

朝比奈 / Asahina

2023/12/26

The Last Soldier of the Ming Dynasty(平寇志)』は、中国の明朝を舞台に「倭寇」に対して孤独な戦いを挑む1人の兵士の姿を描いた、水墨画風のアートワークが特徴的なアクションゲームだ。中国のインディーゲーム開発スタジオ"Circuit_Art"が手掛ける。

2023年10月に開催された「Steam Nextフェス」の際に、弊誌のIndie Gemにてデモ版をご紹介した本作。その時点では日本語サポートは検討中とされていたが、この度2023年12月7日のリリースにおいて正式に対応した形だ。

The Last Soldier of the Ming Dynasty on Steam
The Japanese pirates have terrorized the Ming Dynasty for generations. You’ve devoted your life as a soldier to fighting them.And now you are in their turf, alone with your sword; the last soldier in pirate’s land in this 3D-action game inspired by traditional Chinese ink painting landscapes.

倭寇を相手に1人戦う兵士の姿を描く

本作の舞台となるのは、中国史における明の時代。倭寇の襲撃を撃退する任務を負った主人公"封海平"たちの部隊だったが、嵐により船が難破してしまう。1人生き残り、倭寇の支配する複嶺島に流れ着いた主人公が、それでも孤独に戦い抜こうとする――というストーリーだ。

歴史を少し紐解くと、彼が相手取る「倭寇」とは13~16世紀にかけて朝鮮半島や中国大陸の沿岸部、一部のアジア諸国地域を襲撃した海賊を指す。前期は日本人が主体だが、後期は中国人主体で一部日本人が含まれていたとされている。

以上が簡単な舞台背景だが、そういうわけで「後期倭寇」がテーマとなる本作において、敵として登場するのが日本の海賊となっている。

戦略性の高い戦闘アクション

本作はソウルライク作品に代表されるような高難易度アクションを売りにしているわけではないものの、プレイヤー自身の腕が試されるようなアクションシステムとなっている。

主人公は長刀や槍、サブ武器として火縄銃や弓などを扱える。初期武器の長刀を例にすると、斬り下ろし・横薙ぎ・突きの3種類のスキルを組み合わて、コンボを繰り出すことが可能。この3種類のスキルは敵も繰り出してくるため、防御する際に対応したコントローラのボタンを押すことで攻撃を受け流す(パリィ)ことができるなど、有利な立ち回りが可能だ。

ただ、この受け流しは見極めがやや難しいため、機動性の高い回避アクションを活用としてヒットアンドアウェイを重視した立ち回りも有効だ。このように、自分のスタイルに合わせて戦闘をこなしていくといいだろう。

全体的な傾向として雑魚敵の数は多いが比較的弱めに、中ボス以上は相当に手強くという調整となっているので、なかなか歯ごたえのあるアクションが楽しめるはずだ。

デモ版からのブラッシュアップ

今作の回復アイテムは消耗品なのだが、以前のデモ版においてはボス戦などで使い切って倒されてしまっても補充されることがなく、再戦にはジリ貧で挑まざるを得なくなってしまっていた。

これではただ難易度が上がることになってしまうため、デモ版をプレイした際にフィードバックを行っていたのだが、製品版ではリトライ時に「最低3つ」の回復アイテムが補充されるように改善されていた。確実にプレイフィールの向上が感じられるポイントだ。

こうした当たり前のように思える仕様だが、本作に限らず意外にも抜けていることが少なくない。開発チームの視点では、開発中に繰り返しプレイすることで多少の不自由さが当たり前になってしまうといった理由が考えられるが、そういうときにユーザーからのフィードバックが重要な視点となる。

デモ版や早期アクセス(Early Access)タイトルをプレイした際に、なにか気づいたことがあれば、ぜひとも積極的にフィードバックを開発チームに届けてみよう。

製品版リリースに合わせて日本語サポート

冒頭で触れたとおり、2023年10月の「Steam Nextフェス」に出展されたデモ版の時点では検討中となっていたが、製品版リリースにおいて日本語がサポートされた。

以前、パブリッシャーの2P Gamesに伺った際には、倭寇がテーマであるため日本のプレイヤーにとってセンシティブなものとなってしまうのでは? との懸念もされていたようだが、数百年前という遠い過去の出来事を扱った時代物として、純粋に楽しんでプレイできる方も多くいらっしゃるのではないだろうか。

おそらくそうしたものが、日本からのウィッシュリスト登録数などの判断要素に表れた結果なのだろう。

▲UIなど翻訳しきれていない部分もあるが、用語集も充実。

なお、翻訳のクオリティに関しては、やや違和感を感じる表現や言い回しが登場することはあるものの、チュートリアルや登場人物たちの会話などは十分に理解できるものとなっていた。

ただし、使用されているフォントが日本語表記に最適化されていなかったり、オリジナルが中国語である関係からか馴染みのない漢字のワードが多用されていたり、UIの一部に翻訳が適用されていなかったりと詰めの甘さが散見されたのは事実だ。

しかし、まずは日本語をサポートしていただいたことに素直に感謝し、今後のアップデートでよりよい日本語翻訳になっていくことを期待したい。


基本情報 The Last Soldier of the Ming Dynasty(平寇志)
開発 Circuit_Art
販売 2P Games
配信日 2023年12月7日 / 日本語有り
定価 1,700円(Steam

この記事で紹介されているゲーム

The Last Soldier of the Ming Dynasty

インディー

RPG

アクション

アドベンチャー

2023年12月7日
日本語対応
¥1,700