2024年3月2日~3日に、東京・吉祥寺にて「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2024(以下、TIGS2024)」が開催された。
TIGSは2023年に初めて開催され、インディーゲームの新たなイベントとして注目を集めている。第2回目となるTIGS2024では「武蔵公会堂」と「吉祥寺東急REIホテル」をメイン会場に、133のゲームタイトルが出展された。さらに、キッズ向けワークショップや豪華ゲストを迎えたステージイベントなども開催。詳細は、こちらの記事を参考にされたい。
本稿では、筆者が本イベントで試遊して気になったタイトル『コメンテーター』をご紹介しよう。


ニュース番組に出演してコメントしよう!

『コメンテーター』は、テレビニュース番組のコメンテーターとなり、世論を操作していく報道シミュレーションゲーム。プレイヤーは視聴者の関心を引きつけつつ、スポンサーを満足させるコメントのスタンスを選択していく。開発は、本作が第一作目となるテバサキゲームズが手掛ける。
物語は、日本の大人気番組「NEWS SQUARE」のコメンテーターの就任を祝う番組プロデューサーからのメールで始まる。

プレイヤーは、テレビ局で番組プロデューサーのウメサワ氏と「NEWS AQUARE」で取り上げるニュースについて打ち合わせをする。その際に、政治やエンタメなどさまざまな分野のニュースに対するコメントの方向性を「強く支持」「支持」「不支持」「強く不支持」の4つの中から選ばなくてはならない。

ただし、1つのスタンスに対して選択できるニュースは1つだけ。たとえば、すべてのニュースを強く支持することはできないのである。視聴者の注目を集め、時にはスポンサーに対して忖度しながら適切なスタンスを選ぶことが求められる。

すべてのニュースに対するスタンスが決まれば、番組はスタート。選んだスタンスに基づいて、具体的にどんなコメントをするかチェックしてみよう。コメントの内容によって、その後のコメンテーターを取り巻く世界が変化していく。
あくまでもプレイヤーが決められるのは、コメンテーターとしてのスタンスのみ。時には、プレイヤーが意図していない解釈でのコメントになる可能性もある。

番組が終わったら、「番組の話題性」と「スポンサー満足度」が数値で表示される。この数値がプロデューサーの掲げる目標に到達しなければ、コメンテーターとしての仕事を失うリスクもある。
このように、毎日のプロデューサーとの打ち合わせでコメントのスタンスを決めて、番組に出演する。コメンテーターとして、できる限り多くの反響を呼ぶようなコメントをして番組を盛り上げつつ、世論、ひいては世界を変えていくのがこのゲームの目的だ。

自身のコメントが世界を動かす体験
テバサキゲームズのメンバーは3名。建築士でもあるヒヅメ氏は、ゲームのプログラム以外をすべて担当している。数年前、『ヘッドライナー:ノヴィニュース』のようなニュースを選択して世論を動かすゲームに触発され、自分もゲームを作りたい! と思ったのだそう。
日本人がより身近で親しみを持ってもらえるように、日本のテレビのニュース番組を題材に選んだという。ニュースのジャンルは、政治経済などのシリアスなものから、芸能や動物まで幅広く、できる限りリアルなニュース番組を目指したのだそうだ。
ゲームのプログラミングは、ヒヅメ氏が『Minecraft』のイベントで出会ったプログラマーのテバサキ氏が担当。なんとテバサキ氏は現役の高校生で、Webアプリの開発も行うエンジニアでもある。なお、ロゴデザインやノベルティ類のデザインは、デザイナーのエリナ氏が手掛ける。
このゲームをプレイして、すべてが予想通りにいくわけではない面白さを感じてほしいとのこと。

今は、誰でもSNSで好きなように自分の意見を発信できる時代だ。しかし、自分がなにげない気持ちで投稿した一言で世界が変わってしまったら…。そんな風に考えたことがある方もいるのではないだろうか。
『コメンテーター』をプレイすれば、自身が選んだスタンスに基づいて発信したコメントで、文字通り世界を動かすという体験ができる。製品版では、とある未曾有の出来事が発生し、プレイヤーのコメントによってエンディングが変化していく。ゲームの中で「もし〇〇だったら、というIFの世界を感じてほしい」とヒヅメ氏は言う。
『コメンテーター』の発売は、2024年夏頃を予定しており、現在はunityroomでデモ版をプレイできる。今後のイベントへの出展は未定とのこと。気になった方は、下のリンクから無料のデモ版をぜひプレイしてみてほしい。

基本情報 | コメンテーター |
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開発 | テバサキゲームズ |
販売 | テバサキゲームズ |
配信日 | 2024年夏頃 / 日本語有り |
定価 | 未定 |