2024年6月22日に東京のベルサール秋葉原で、TOKYO SANDBOX 2024が開催された。本稿では、筆者が実際に試遊して気になったタイトルをご紹介していこう。


20年代初頭の日本が舞台のADV
『On a Summer Night』は、2000年代初めの東京を舞台としたポイントアンドクリックの短編ビジュアルノベルゲームだ。開発は、本作が商用ゲームとしては第1作目となるTeam Wagashiが手掛ける。
2000年代初頭の東京、主人公武史が終電で仕事から帰るシーンより物語は始まる。このゲームは、主人公武史自身がある日の夜に起きた出来事について語るいわゆる「枠物語」の構成となっている。映画でいうと、100歳の女性が若い頃に体験した沈没事故について語るプロローグの後に本編が始まる『タイタニック』のような構成だ。

武史は、進学のために地元山口から東京に引っ越してきた。都内でそのまま就職した後は、サラリーマンとして毎日終電で帰宅する生活を続けていた。そんなある夏の夜、彼は駅で自分のバッグをなくしてしまったことに気づく。バッグの中には家の鍵もスマホも入っているのに…。
プレイヤーは武史となって、すっかり日が落ちた街を探索しながら歩き、途中で出会うちょっと不気味な人たちと交流しながら家に帰る方法を見つけ出すことになる。

開発者インタビュー「人とのご縁を感じて」
本作が商用ゲームとしては第1作目となるTeam WagashiのメンバーであるChaocube氏にお話を伺った。
Team Wagashiはフランス人女性3人のチームで、3人の内2人が日本国内を拠点に活動中。3人は大学の日本語クラスで出会い、大好きな和菓子をチームの名前に採用したそうだ。
日本のアニメのような独特な味わいがあるキャラデザインは、小学生の頃から大好きだった日本コミックとベルギーコミックから影響を受けたもの。ベルギーコミックは『タンタンの冒険』などで知られ、日本のマンガともアメコミとも異なる独特の風合いが特徴的だ。そのため、今作のキャラデザインは日本のアニメ調でありながら、個性的でスタイリッシュな雰囲気も感じられる。


本作を通じて、人とのご縁や働くこと、自分の人生を生きるという意味を感じてほしいとのこと。特にジャンプスケアなどの怖い演出はないが、学校のイジメ、交通事故、アルコール依存症などの暗いテーマが含まれるので、そういうものが苦手な方は注意してほしい。
発売日は2024年、プレイ時間は1時間程度、価格は数百円前後を予定している。ある夏の夜、サラリーマンの身に何が起こったのか。気になる方は、今のうちにウィッシュリストに登録しておこう。

基本情報 | On a Summer Night |
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開発 | Team Wagashi |
販売 | Team Wagashi |
配信日 | 2024年 / 日本語有り |
定価 | 未定(Steam) |