2024年10月17日、雪に閉ざされた町に住む幽霊たちの物語を映画のように読み進めていくビジュアルノベル『ghostpia シーズンワン』の販売本数が、全世界で1万本を突破したことが、同作を手掛けた開発スタジオ"超水道"の公式X、および、Steamニュースにて報告された。
本作がNintendo Switchにてローンチを迎えたのは2023年3月23日。続けて、2023年8月22日にはSteamでもリリースされており、トータルではおよそ1年半ほどでの達成ということとなる。



『ghostpia シーズンワン』とは?
『ghostpia シーズンワン』は、寿命もなく永遠に生きる自らを「幽霊」と呼ぶ人たちが住む、ずっと夜が続く雪降る町を舞台にしたビジュアルノベルだ。インディーゲームレーベルの"ヨカゼ"のサポートタイトルで、日本・東京のゲーム開発スタジオ"超水道"が手掛ける。
もともとは2014年にアプリ版でリリースされたもので、それから9年を経た2023年に新たなエピソード追加と、既存エピソードにも手を加える形でリメイクされたのが本作『ghostpia シーズンワン』だ。二部構成の予定で、現在は後編の『ghostpia シーズンツー』の制作が進められている。

本作のゲームシステムは、グラフィックスとしての動きや表現は控えめに、主にテキストによって描かれた物語を読み進めるノベルゲーム、または、ビジュアルノベルと呼ばれるもの。
作品によってそのスタイルには細かな違いもあるが、公式には本作を「絵本のような温かみのあるビジュアルと、グリッチとノイズに彩られたノスタルジックな表現が特徴の、ストーリーを楽しむビジュアルノベル」と説明している。
連続するエピソード形式で1話ずつ見ていく構成となっていて、ドラマやアニメのように1話毎にオープニングとエンディングが流れる演出や、ブラウン管を通したかのようなざらついた画作りはとてもユニークだ。

物語は主人公の小夜子視点でテキストが綴られ、それぞれのキャラクター自身の言葉は画面上に「セリフの吹き出し」という形で表示される。
見方によっては詩的と言えるかもしれない、情緒感のある秀逸な言葉選びと丁寧な情景描写が特徴的で、(これを言葉で伝えることは難しいのだが)文章を読み書きすることを嗜む人にとっては好まれるタイプのテキスト、というのが筆者の印象だ。

過去の記憶が曖昧で、自身を孤独だと信じて人と関わらずに過ごしてきた小夜子。ある日、ずっと顔ぶれの変わらないこの町に、新しい幽霊の少女ヨルがやってきたという出来事をきっかけとしてストーリーが展開されていく。
詳細は伏せさせてもらうが、そこにパシフィカとアーニャという人物を加えて、それぞれのカラーを持った4人のメインキャラクターたちを中心に、エピソードを重ねる度にだんだんとストーリーが明らかになっていく。その続きを期待させる組み立て方が巧みな作品だ。

2023年11月16日に15周年を迎えた超水道。かつて初めての同人即売会イベントでの売り上げは、ゼロ本だったという苦いエピソード(サークル参加した経験のある人間からすれば親近感を覚える)が語られているが、今回の1万本という数字は着実に歩んできた彼らにとって大きなものではないだろうか。
『ghostpia シーズンワン』は、PC(Steam)とコンソール(Nintendo Switch)にて配信中。現在、Steamでは体験版が配信されており、本編に収録されている「第1話 ようこそここへこの町へ」からプレイすることが可能だ。気になる方は、まずこちらを手に取ってみてはいかがだろうか。

1万本を記念したグッズが予約受付中
現在、今回の1万本達成を記念したグッズ3点が、pixivが運営するクリエイターズマーケットbooth上の超水道の公式ストアにて予約受付中だ。いずれも発送予定日は2024年11月5日頃になるとのことなので、本作のファンの方はぜひチェックしてみよう。
- ghostpia スペシャルアクリルブロック:『みんなでうれしくよろこぶ日』
- 【Cassette Edition】Relay - ghostpia シーズンワン Original Soundtrack
- クラーラといっしょ!おでかけアクリルカード

基本情報 | ghostpia シーズンワン |
---|---|
開発 | Chosuido(超水道) |
販売 | room6 |
配信日 | 2023年8月22日(Steam)/ 日本語有り |
2023年3月23日(Nintendo Switch) | |
定価 | 2,300円(Steam) |
2,300円(Nintendo Switch) |