幽霊の町に暮らす少女を中心に描くビジュアルノベル『ghostpia シーズンワン』の販売本数が全世界で1万本を突破

朝比奈 / Asahina

2024/10/19

2024年10月17日、雪に閉ざされた町に住む幽霊たちの物語を映画のように読み進めていくビジュアルノベル『ghostpia シーズンワン』の販売本数が、全世界で1万本を突破したことが、同作を手掛けた開発スタジオ"超水道"の公式X、および、Steamニュースにて報告された。

本作がNintendo Switchにてローンチを迎えたのは2023年3月23日。続けて、2023年8月22日にはSteamでもリリースされており、トータルではおよそ1年半ほどでの達成ということとなる。

ghostpia シーズンワン-『ghostpia シーズンワン』の販売本数が10000本を突破しました!-Steamニュース
『ghostpia シーズンワン』の売上本数が、全世界で10000本を突破しました! お買い上げいただいた全ての方に、心からのお礼を申し上げます。
ghostpia公式サイト | 超水道
無残なかわいさとさびしい暴力。Nintendo Switch/スマホ/PCで「読む映画」。『ghostpia シーズンワン』の公式サイトです。「どこにも行けないこの町で、いろいろできないわたしは夢みる。」

『ghostpia シーズンワン』とは?

ghostpia シーズンワン』は、寿命もなく永遠に生きる自らを「幽霊」と呼ぶ人たちが住む、ずっと夜が続く雪降る町を舞台にしたビジュアルノベルだ。インディーゲームレーベルの"ヨカゼ"のサポートタイトルで、日本・東京のゲーム開発スタジオ"超水道"が手掛ける。

もともとは2014年にアプリ版でリリースされたもので、それから9年を経た2023年に新たなエピソード追加と、既存エピソードにも手を加える形でリメイクされたのが本作『ghostpia シーズンワン』だ。二部構成の予定で、現在は後編の『ghostpia シーズンツー』の制作が進められている。

本作のゲームシステムは、グラフィックスとしての動きや表現は控えめに、主にテキストによって描かれた物語を読み進めるノベルゲーム、または、ビジュアルノベルと呼ばれるもの。

作品によってそのスタイルには細かな違いもあるが、公式には本作を「絵本のような温かみのあるビジュアルと、グリッチとノイズに彩られたノスタルジックな表現が特徴の、ストーリーを楽しむビジュアルノベル」と説明している。

連続するエピソード形式で1話ずつ見ていく構成となっていて、ドラマやアニメのように1話毎にオープニングとエンディングが流れる演出や、ブラウン管を通したかのようなざらついた画作りはとてもユニークだ。

物語は主人公の小夜子視点でテキストが綴られ、それぞれのキャラクター自身の言葉は画面上に「セリフの吹き出し」という形で表示される。

見方によっては詩的と言えるかもしれない、情緒感のある秀逸な言葉選びと丁寧な情景描写が特徴的で、(これを言葉で伝えることは難しいのだが)文章を読み書きすることを嗜む人にとっては好まれるタイプのテキスト、というのが筆者の印象だ。

過去の記憶が曖昧で、自身を孤独だと信じて人と関わらずに過ごしてきた小夜子。ある日、ずっと顔ぶれの変わらないこの町に、新しい幽霊の少女ヨルがやってきたという出来事をきっかけとしてストーリーが展開されていく。

詳細は伏せさせてもらうが、そこにパシフィカとアーニャという人物を加えて、それぞれのカラーを持った4人のメインキャラクターたちを中心に、エピソードを重ねる度にだんだんとストーリーが明らかになっていく。その続きを期待させる組み立て方が巧みな作品だ。

2023年11月16日に15周年を迎えた超水道。かつて初めての同人即売会イベントでの売り上げは、ゼロ本だったという苦いエピソード(サークル参加した経験のある人間からすれば親近感を覚える)が語られているが、今回の1万本という数字は着実に歩んできた彼らにとって大きなものではないだろうか。

ghostpia シーズンワン』は、PC(Steam)とコンソール(Nintendo Switch)にて配信中。現在、Steamでは体験版が配信されており、本編に収録されている「第1話 ようこそここへこの町へ」からプレイすることが可能だ。気になる方は、まずこちらを手に取ってみてはいかがだろうか。

1万本を記念したグッズが予約受付中

現在、今回の1万本達成を記念したグッズ3点が、pixivが運営するクリエイターズマーケットbooth上の超水道の公式ストアにて予約受付中だ。いずれも発送予定日は2024年11月5日頃になるとのことなので、本作のファンの方はぜひチェックしてみよう。


基本情報 ghostpia シーズンワン
開発 Chosuido(超水道)
販売 room6
配信日 2023年8月22日(Steam)/ 日本語有り
2023年3月23日(Nintendo Switch)
定価 2,300円(Steam
2,300円(Nintendo Switch

この記事で紹介されているゲーム

ghostpia シーズンワン

アドベンチャー

日本語対応
¥2,300
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発売日2023年8月22日
ジャンル
アドベンチャー

カテゴリ
シングルプレイヤー
フルコントローラサポート
ファミリーシェアリング
ストアページリンク

ghostpia シーズンワン

『どこにも行けないこの町で、いろいろできないわたしは夢みる。』 ghostpiaは絵本のような美しいヴィジュアルとグリッチノイズが彩る一本道のビジュアルノベルです。夜に閉ざされた幽霊の町で孤独に暮らす少女が繰り広げる謎と友情——ときどき暴力——の物語をお楽しみください。

What's ghostpia?

 

無残なかわいさとさびしい暴力。
あなたのPCで「読む映画」。


'ghostpia'は、絵本のような温かみのあるヴィジュアルと、グリッチとノイズに彩られたノスタルジックな表現が特徴のヴィジュアルノベルです。
欧米ではメジャーなグラフィックノベルの表現を取り入れた、グラフィカルなビジュアルノベル──デンシ・グラフィックノベルを標榜しています。
 

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QTEも分岐も廃し、その分のリソースを一本のシナリオを徹底的にブラッシュアップするために注ぎ込み、まるで一本の長編映画のような濃厚な物語体験をお届けします。
 

ストーリー


雪に閉ざされた終着駅の町。
短い昼が終わると、町にあふれるのは幽霊たち。
でも、ほんとうの幽霊じゃなくて、不死身の自分たちをそう呼んでみているだけだった。
幽霊の理想郷。誰かがそう言っていた。
「でもどうだろう、ただのごちゃまぜの町でしかないような気がするな」
彼女──小夜子は、そう思っていたけれど。
小夜子は町でたったひとりの異邦人。
新入りの、ちょっと不思議な女の子「ヨル」とルームシェア中。
小夜子は故郷に帰りたかった。
誰も超えたことのない、町を囲む雪の砂漠を越えて、あるかもわからない故郷へ。
忘れていた「大事なこと」を思い出したかった。
それが夢だった。

どこにも行けないこの町で、いろいろできないわたしは夢みる。