夏祭りを復活させて再び団地に賑わいを取り戻そう!『Danchi Days』ブースレポート【デジゲー博2024】

朝比奈 / Asahina

2024/11/07

2024年11月3日に、東京・秋葉原にて開催された「デジゲー博2024」の出展作品より、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップしてご紹介しよう。

なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。

デジゲー博 | 同人&インディーゲームオンリー展示・即売会

夏祭り復活のために団地を冒険しよう

Danchi Days』は、団地を舞台に少女とカッパが151人の住民たちを招待して、夏祭りを再開するために奮闘する"平成レトロ"感あふれるアドベンチャーゲームだ。日本とカナダの国際的なメンバー3名(sandy powder氏、mogumu氏、Melos Han-Tani氏)が共同で手掛ける。

レトロなアートスタイルと独創的なサウンドトラックが高く評価されたインディータイトル『Anodyne(アノダイン)』シリーズを手掛けたMelos Han-Tani氏が制作に携わっていることで、注目されている方もいらっしゃるのではないだろうか。

Steam:Danchi Days
『Danchi Days』は151人を招待して夏祭りを開く、“平成レトロ”団地アドベンチャー!GBA風のドット絵で描かれた、おもしろおかしいキャラクターたちを招待して、インターネットでみんなのお悩みを解決。五感で団地を探索したらどんなふしぎに出会えるかな?

本作の舞台は、平成感あふれる日本のどこかにある古い団地。そこに引っ越してきたばかりの主人公金岡ホシノが、彼女にしか見えないカッパのモロキュウと共に、高齢化によってしばらく途絶えていた夏祭りを復活させようと奮闘していくひと夏の大冒険を描いた物語だ。

夏祭りの開催には、団地に住む住民たちの協力が必要不可欠。そこで彼女は団地内を巡り、参加を呼びかけるためのチラシを配っていくことになる。

しかし、団地に住まう住民たちは個性的な人々ばかり。シンプルにチラシを手渡して「ハイ、終わり」というわけにはいかず、皆それぞれが気になることがあったり、悩み事を抱えていたりして、すぐには受け取ってもらえない。

そこで活躍するのが「五感を使って周囲を感じる力」だ。普段は感覚的に扱っている五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)に集中することで、いつもは気づかないことも発見できるようになる。

そうして、それぞれの状況をテーマにした「感覚ゲーム(ミニゲーム)」に挑み、見事クリアすることで状況に変化が生まれ、住民の欲求を満たすことで無事にチラシを受け取ってもらえるわけだ。

例えば「聴覚」をテーマにしたミニゲームでは、無心で竹ぼうきで掃き掃除をするおじいさんが相手。茂みを揺らして落ちた葉を掃く際の「音(音符)」を集めればクリアとなるが、意外とその動きが読めず、こちらが無駄に動くと集中力ゲージが切れて失敗となってしまう。

このようなシンプルだが歯ごたえのあるミニゲームが住民の数だけ用意されている。今回の体験版では、12分経過するか、最大4人にチラシを配り終えたところで終了となっていたが、製品版ではなんと151人が存在するというのだからスゴい数だ。

どんな住民がいて、どうすれば興味を持ってもらえるかといったヒントが(ゲーム内の)昔ながらの個人ホームページに書かれているので、うまく情報収集しながら広大な団地内を駆け回ることになるだろう。

全員を招待できなくとも夏祭りは開催できるそうだが、やり込み要素としてフルコンプを目指すというのも挑戦のしがいがありそうだ(ポケモン図鑑的なものをイメージしてほしいそう)。

団地の魅力をもっと知ってもらいたい

今回会場ブースでは、sandy powder氏とMelos Han-Tani氏からお話を伺うことができた。

そもそも、なぜ「団地」が舞台なのか。それは、世の中に漠然とある団地への「暗そう」「古そう」といったネガティブなイメージを払拭して、団地の良さを知ってもらいたいのだそうだ。実際にお二人とも団地に住まわれているそうで、実体験から来ているとのこと。

人同士の関わり合いが希薄な現代においても、団地にはそこに住まう住民同士には繋がりがあり、今作の夏祭りのような季節柄のイベントがあったり、まるで小さな街のように敷地内にスーパーや診療所、郵便局などが併設されていたりと利便性も高い。きっと多くのプレイヤーにとっては、想像を超えるロケーションの豊富さに驚くのではないだろうか。

一方で、高齢化や世代間格差といった問題もあり、そうした現実的な出来事も描きつつ、ゲームとしてポジティブに盛り上げることで現実にも良い影響があると嬉しいとの思いを伺えた。

なお、本作はゲームボーイアドバンス用のゲームソフト『さくらももこのウキウキカーニバル』にインスパイアされているとのこと。パートナーの妖精と共に町を巡り、人々の悩み事などを解決しながらカーニバルの準備を進めていく主人公の姿が描かれるが、それを再現しているかのような本作に懐かしさを感じる方もいらっしゃるかもしれない。

Danchi Days』は、PC(Steam)にて2026年のローンチに向けて鋭意開発中。まだ完成はしばらく先のこととはなるが、かわいいだけではないメッセージ性も感じられる本作に注目して待ちたい。


基本情報 Danchi Days
開発 sandy powder, mogumu, Melos Han-Tani
販売 Analgesic Productions
配信日 2026年 / 日本語有り
定価 未定(Steam

この記事で紹介されているゲーム

Danchi Days

インディー

アドベンチャー

日本語対応

Anodyne (アノダイン)

アドベンチャー

アクション

インディー

日本語対応
¥1,200
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発売日2013年3月23日
ジャンル
アドベンチャー
アクション
インディー

カテゴリ
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Anodyne (アノダイン)

本作で冒険の舞台となるのは、ヤングという少年の無意識が生み出した世界。プレイヤーは大自然、都市、抽象的世界を冒険し、戦い抜いていきます。ゲームボーイカラーや 16 ビットゲーム機を彷彿とさせるビジュアルスタイルとどこか夢の世界を思わせる印象的な音楽が特徴的な本作です。

「Anodyne」(鎮痛剤)。本作で冒険の舞台となるのは、ヤングという少年の無意識が生み出した世界。プレイヤーは大自然、都市、抽象的世界を冒険し、戦い抜いていきます。ゲームボーイカラーや 16 ビットゲーム機を彷彿とさせるビジュアルスタイルとどこか夢の世界を思わせる印象的な音楽が特徴的な本作が、ついに日本語版になって登場です。