さらなるブラッシュアップ! ジェムを組み合わせるコンボが気持ちいいデッキ構築型ローグライト『ANTHEM#9』ブースレポート【TIGS2025】

朝比奈 / Asahina

2025/03/11

2025/03/18

2025年3月8日~9日に、東京・吉祥寺にて開催された「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2025(TIGS2025)」の出展作品より、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップしてご紹介しよう。

なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。

TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2025
インディーゲームのための新たなオフラインイベント『TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2025』(トーキョーインディーゲームサミット2025)が、2025年3月8日(土)9日(日)に武蔵野公会堂(吉祥寺)で開催決定!

色違いのジェムを繋げてスキルを叩き込め!

ANTHEM#9(アンセム・ナンバーナイン)』は、ジェムを組み合わせてスキルを繋ぐパズルバトル風のデッキ構築型ローグライトだ。日本の個人ゲーム開発者のkoeda氏が手掛ける。

秘密結社に属するエージェントとして、世界秩序を脅かす者たちを粛清するために精神世界に干渉できる異能を使い、ターゲットと戦いを繰り広げていく姿が描かれる本作。弊誌では過去複数回にわたり本作を取り上げているが、今回さらなるブラッシュアップが見られたため、そのフォローアップとなる。

Steam:ANTHEM#9
『ANTHEM#9』は、ジェムを組み合わせてスキルを繋ぐ“パズルバトル風”のデッキ構築型ローグライト。レシピアレンジによる高い自由度のデッキ構築と、世界秩序を統制する秘密結社のエージェントが繰り広げるサスペンスストーリーが特徴です。
ANTHEM#9 | Game | 集英社ゲームズ -SHUEISHA GAMES-
ジェムを組み合わせてコンボを繋げ!「デッキ構築型ローグライト」の新星誕生!ジェムを組み合わせてコンボを繋ぎ、敵を倒そう!制限時間内にどれだけ多くのスキルを出し、コンボを繋げられるかが勝利の鍵となる。最大火力を出すためのデッキ構築力と、コンボを繋ぐための瞬時の判断力が求められるぞ。パズルのように楽しめる、奥深さと爽快感が両立したデッキ構築型ローグライト!

本作のゲームシステムは、ターン制のデッキ構築型のカードバトル。毎ターン配られる赤・緑・青の"3色のジェム"をパズルのように組み合わせ、デッキからスキル(カード)を発動して戦うというものだ。

鍵となるのはジェムの組み合わせ。各スキルは「赤・緑」「緑・青」「青・青」といったようにジェムを特定の順番で揃えることで発動する。配られるジェムの数には限りがあるが、例えば「赤・緑」に連続して「青」を選ぶことで「緑・青」のスキルも連続して発動できるというメカニクスだ。

このように、ジェムを繋げる順番によってジェムを節約しつつ複数のスキルを発動させるという戦い方ができるところが「パズルバトル風」と掲げられる本作の特徴となっている。

▲このコンボが連なる演出も視覚的にもより派手になっていた

本作ではスキル(カード)を発動するための手持ちのジェムをシャッフルすることが可能。これによってさらにコンボを繋げられる可能性が生まれるところも面白い。また、ターンの合間には、さまざまな有利な効果を持ったランダムな3枚のカードから1枚を選択可能な「ブレス」と呼ばれるメカニクスもあり、それがより戦いに変化を生む要素となっている。

リソースを駆使して1ターン内でいかにコンボを繋げられるかという戦略性と、スタイリッシュな演出によって生まれる爽快感こそが魅力となっているわけだ。

回を重ねる度に磨き上げられていく

筆者はおおよそ2年ほど前からイベント出展がある度にプレイさせてもらっているのだが、毎回のように手が加わり、よりプレイしやすくなっていくという印象を持っている。

今回TIGS2025にて確認できたのは、プレイアブルキャラクターの1人であるルービットのビジュアルがより大人びた印象に変化したのと、それと併せるかのようにキャラクターボイスの追加が特に目立っていた。以前のビジュアルも良かったが少し幼い印象もあったので、エージェントのイメージとしてはこちらのほうがしっくりくる感じだ。

▲こうして並べると新旧の変化がよくわかる(下のビジュアルが最新版)

また、プレイフィールもよりカジュアルになったことも大きい。これまでの試遊体験版では、デッキ構築型ローグライトというジャンルらしい比較的高めな難易度だった。これが、ジェムを揃えるという戦略性はそのままに、コンボがより繋がりやすくなり、敵の攻撃の苛烈さがマイルドになった印象を受けた(まだ調整中とのことだったが)。

開発者のkoeda氏に伺ったところ、デッキ構築型ローグライトというジャンルをプレイしてもらう上での敷居を下げる意図があるそうで、プレイヤーには戦略的なプレイ感覚を味わってもらいつつ、ストーリー性を持たせることで先を見たいというモチベーションを維持したまま、エンディングまで楽しくプレイしてもらいたいとのこと。

もちろん、同ジャンルの代表的なタイトルである『Slay the Spire』に見られるような、より歯ごたえのある挑戦的なやり込みモードも用意する予定とのことで、まずはストーリーモードを取っ掛かりとしてもらいたいそうだ。

ANTHEM#9(アンセム・ナンバーナイン)』は、PC(Steam)にて2025年冬のリリースに向けて鋭意開発中。このリリース時期についても直近で発表されたばかりとなる。

なお、Steamでの体験版配信予定があるのか気になる方もいらっしゃると思うが、本稿の執筆時点では未定とのこと。今回のTIGS2025のようなゲームイベントでは、本作をパブリッシングする集英社ゲームズのブースにてプレイアブル出展されているので、別のイベントにて機会があればぜひプレイしてみてはいかがだろうか。


基本情報 ANTHEM#9
開発 koeda
販売 集英社ゲームズ
配信日 2025年冬 / 日本語有り
定価 未定(Steam

この記事で紹介されているゲーム

ANTHEM#9

ストラテジー

インディー

日本語対応

Slay the Spire

ストラテジー

インディー

日本語対応
66%¥952
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発売日2025
ジャンル
ストラテジー
インディー

カテゴリ
シングルプレイヤー
ファミリーシェアリング
ストアページリンク

ANTHEM#9

『ANTHEM#9』は、ジェムを組み合わせてスキルを繋ぐ“パズルバトル風”のデッキ構築型ローグライト。レシピアレンジによる高い自由度のデッキ構築と、世界秩序を統制する秘密結社のエージェントが繰り広げるサスペンスストーリーが特徴です。

世界秩序の均衡を保つべく暗躍する主人公の戦いを描く、ターン制のデッキ構築型ローグライト。毎ターンランダムに配られる赤、緑、青の3色の“ジェム”を並び変えることでスキルを発動させる“パズル風バトル”とも呼べる独自の戦闘システムが本作の特徴となっています。

思想家、科学者、国家スパイ...世界に跋扈する世界の秩序を脅かす者たちの粛清。

これこそが「均衡と調和」、秘密結社"ANTHEM#9"が掲げる理念である。

他者の精神世界に干渉できる異能を有するエージェントと、ターゲットとされた危険人物の戦いを描く、単純な勧善懲悪ではない一癖二癖あるサスペンスストーリー。

ANTHEM#9は、「均衡と調和による世界の安定的存続」を理想に掲げる世界規模の秘密結社。

肥大した権力やオーバーテクノロジーは世界のバランスを崩しかねない危険因子と捉え、その中心人物を未然に「粛正」することで歴史の裏側で常に世界を未曽有の危機から救い続けてきた組織です。

本作では、世界中に点在するANTHEM#9のエージェントのうち、異なる地域で活動するエージェントたちに焦点を当てています。

ルービット

ANTHEM#9のエージェントにして、ミステリアスな雰囲気漂う本作の主人公。

独特の価値観に基づいた『均衡のとれた美』を行動原理とする。

理知的な性格でありながら多弁でもある一方で、ターゲットの粛清の為には手段を選ばない冷徹な面も合わせ持つ。短剣の扱いに長けている他、毒技による狡猾な戦闘スタイルが特徴。

ジェムの組み合わせでスキルを繋ぐ【パズル風バトル】

毎ターンランダムに配られる赤、緑、青の3色のジェムをパズルのように組み合わせ、スキルレシピ(スキルの使用に必要なジェムの色と並び)を完成させることで敵を攻撃します。

デッキには最大4つのスキルをセットでき、配られたジェムを全て使い切るまではいくつでもスキルを使用することができます。一番多くスキルが出せる組み合わせを見つけることで、コンボが繋がる爽快感のあるバトル体験が可能です。

koeda

2021年に活動を開始したゲームクリエイター。

業界経験なし、プログラマーでもない。それでもゲーム開発への夢を捨てきれず、30過ぎにして入門書片手に一念発起した異色の個人開発者。右も左も分からないながらも、ひたすらに開発を進めてきた熱き心の持ち主。イベント出展にも積極的で、精力的に活動を続けている。

デビュー作となる『ANTHEM#9』が「集英社ゲームクリエイターズ CAMP GAME BBQ vol.2 デモなし部門」で大賞を受賞。