2025年3月8日~9日に、東京・吉祥寺にて開催された「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2025(TIGS2025)」の出展作品より、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップしてご紹介しよう。
なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。


花束を通じてお客さんの人生に彩りを
『あなたに花束を』は、花屋を訪れるお客さんの要望を聞いて花束を作り、彼らの人生に彩りを添えていく花束作成シミュレーションアドベンチャーゲームだ。日本の個人ゲーム開発者のabyss氏が手掛け、メインイラスト・キャラクターデザイン・ロゴデザインをイラストレーターの染山ゆか氏が担当されている。
舞台となるのは、現代の東京のどこかにある花屋。あなたはそこでお店を訪れるお客さんの注文を受けて花束を作成していくこととなるが、皆それぞれが心のどこかに色褪せた苦しみを抱えている。本作ではそんな彼らとの関わり合いの中から、さまざまな物語を垣間見ていくことになる。


今回の試遊体験版では、正式開業前のプレオープン中の花屋で、かつて同じフラワーアーティストの師匠から共に学んだ友人のエンドウカンナをお客さんとして迎えた日の姿が描かれていた。彼女からお試しとして注文を受け、要望に沿っての花束作成を体験できた形だ。
花束作成パートでは、ブーケ・バスケット・リースなど全7種類から作成可能。まずはベースを選択し、そこにポイント&クリックでさまざまな種類の生花やリボン、ラッピングを組み合わせて完成を目指していく。
ちなみに、生花を素材としたスタイルは大きく分けて花束とアレンジメント(フラワーアレンジメント)に分かれるそうで、本作が扱っているのは前者ということとなる。

基本的にはお客さんの要望に沿う形となるが、それほど具体的なものではないので、プレイヤーの感性によって完成形が変化する自由度がある。実際に自分が手掛けている気持ちになって、こだわりの素敵な花束を作れるところが本作の魅力の1つだろう。
中には花束をうまく作れるか心配な方もいらっしゃるかもしれないが、物語の進行に伴って要望が多少複雑にはなるかもしれないものの、そこまで難しくなることはないとのことだった。
今回の試遊ではお客さんは女性1人のみだったが、製品版ではより多彩なキャラクターが登場。Steamストアページによれば、ビジュアルが発表されている3人に加えて、さらに6人が登場する予定のようだ。

物語は提供する花束によって分岐していくが、開発者のabyss氏に伺ったところ、ゲームのスタイルとしては『Coffee Talk』の花屋版を目指しているそうで、アドベンチャーパートとしてテキストベースでカウンター越しでの会話を読むことが主軸になるとのこと。
今回の試遊はあくまで花束作成パートの体験が中心となっていたが、わずかな会話から物語の一端が見え、彼らお客の1人1人がどういった物語を見せてくれるのか完成が楽しみだ。
『あなたに花束を』は、PC(Steam)にて2025年のリリースに向けて鋭意開発中だ。
基本情報 | あなたに花束を |
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開発 | abyss good games |
販売 | abyss good games |
配信日 | 2025年 / 日本語有り |
定価 | 未定(Steam) |