2025年8月3日に、東京・浜松町にて開催された東京ゲームダンジョン9の出展タイトルから、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップして紹介しよう。
なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。
『ダンガンロンパ』や『ペルソナ』など、名作ゲームに影響を受けた『雑音系少年少女』が登場する。心に傷を負った少年少女たちが、未来へ歩み出す謎解きアドベンチャーだ。本記事では、その独特な世界観と魅力について紹介する。

ノイズに隠された過去を暴け。心の闇に挑むサイケデリック・ミステリー
『雑音系少年少女』は、サイケデリックなビジュアルと、心に傷を負った少年少女たちの繊細な物語が融合した、トラウマ解消系謎解きアドベンチャーゲームだ。人々のトラウマが具現化した迷宮都市を舞台に、記憶喪失の少年少女たちが自身の過去と向き合いながら脱出を目指す物語となっている。
舞台は、人々の思い出したくない記憶が具現化した牢獄のような迷宮都市雑音スクランブルシティ。主人公のゼナをはじめとする6人の少年少女は、ある日突然この街で目を覚ます。
この歪んだ都市に囚われているのは、主人公のゼナ以外に、強がりな少女「ホノカ」、嫉妬深い少年「イツキ」、嘘つきな動画投稿者「ヒヨリ」など6名。彼らはそれぞれが心にトラウマを抱えており、記憶の一部を失っている。痛々しくも人間味あふれる彼らと共に、脱出の糸口を探ることになる。


一見、普通の渋谷のように見える雑音スクランブルシティから脱出しようと試みるが、街から離れようとすると謎の頭痛に襲われ、出ることができない。脱出する唯一の方法は、「ノイズ」を集めて自身の心の傷と向き合うことだ。
この「ノイズ」とは、街の至る所に点在する過去のトラウマの記憶の欠片であり、それを探し、組み合わせ、失われた記憶を取り戻すことで都市の謎を解くヒントが手に入る。さらに、謎解きは各キャラクターの背景やトラウマに沿って色濃く作られており、彼らの過去を深く知ることが、新たな道を切り開く鍵となる。
謎を解き明かすことで、彼らは本当の自分と向き合うこととなる。


古典に宿る革新性、クリックが紡ぐ物語
ゲームの基本操作は、クラシックスタイルなポイント&クリック形式の2Dアドベンチャーだ。しかし、その体験は決して単純作業で終わらない。プレイヤーのクリックごとに物語の新たな扉が開き、次の行動へと直結するよう巧みに設計されている。プレイヤーの能動的な探索こそが、この物語を前進させていく。
何気ない会話にさえ、物語を大きく動かす伏線が隠されていることも少なくない。脱出の過程では、行く手を阻む人物たちとの「対話」が不可欠だ。彼らと向き合い、心の傷を癒していくプロセスが物語に一層の深みを与えているように感じる。
基本的にゲームオーバーという概念はなく、行き詰まってもやり直しは可能だが、プレイヤーの選択によってはバッドエンドが待ち受ける。


現在、Steamで配信中の体験版では、関西弁の動画投稿者「ヒヨリ」のエピソードを通じ、その世界観の一端に触れることができる。
記憶を失った少年少女たちは、自らのトラウマと向き合った先に何を見るのだろうか…。独特な世界観と歯応えのある謎解きが融合した、トラウマ解消系謎解きアドベンチャー『雑音系少年少女』。少しでも気になった方は、Steamで体験版をダウンロードしてみてほしい。
基本情報 | 雑音系少年少女 |
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開発 | DankHearts |
販売 | WhisperGames |
配信日 | 2025年9月17日 |
言語 | 日本語有り |
価格 | 未定(Steam) |