「王道」と進化を目指した表現。ドット絵で描かれた個性豊かなモンスターたちを育てる放置系育成ゲーム『Tiktac Tame』ブースレポート【Pixel Art Park8】

レイリー

2025/08/19

2025年8月3日に、横浜・大さん橋ホールにて開催された「Pixel Art Park8」で試遊できたタイトルから、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップして紹介しよう。

なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。

Pixel Art Park 8 - 日本最大級のドット絵の祭典
年に1回のドット絵の祭典「Pixel Art Park(ピクセルアートパーク)」。国内外からドット絵にまつわるクリエイターや企業が集結。ドット絵の魅力を世界中へ発信します!

デスクトップの片隅でモンスターたちを育成

Tiktac Tame』は、ドット絵で描かれた個性豊かなモンスターたちをデスクトップ上で育てていく放置系育成ゲーム。『都市伝説解体センター』のドット絵部分も手掛けるなど、幅広く活躍するピクセルアーティストのシロス氏と、個人ゲーム開発者のail氏の2人によって、開発が手がけられている。

今回遊ぶことができたデモ版では、育成の大まかな流れを体験できたので、その内容についてご紹介しよう。

本作は、デスクトップの片隅に置かれた箱庭で、モンスターたちが育っていく様子を見守っていくという、いわば「デスクトップアプリ」のようなゲームとなっている。ゲーム画面の大きさも自由に調整でき、デスクトップのサイズや作業環境に合わせて自分だけのレイアウトで遊ぶことができる。

ただ見守るだけではなく、モンスターたちに名前を付けたり、エサを与えたりすることも可能。エサは時間経過に加えて、一定時間集中して作業を行い、数分休憩するというサイクルを繰り返す「ポモドーロ・テクニック」と呼ばれる作業法に適した「ポモドーロタイマー」の設定によって入手できる。入手したエサを一定数与えると、与えたエサによってモンスターたちがさまざまに進化できるようになるという、いろいろと試したくなるつくりだ。

▲エサは、食べ物から武器や鎧などの強そうなアイテムまで存在

モンスターはタマゴのような形態からスタートし、そこから人型の姿へと成長して、最終的には武装した天使や悪魔のような姿になったり、メカのような姿になったりと、進化するたび変幻自在に姿を変えていく。

3種類のステータスと覚えている技も進化に応じて変化するようだったが、こちらの仕様は製品版でのお楽しみとなりそうだ。

特徴的だったのは、進化の際の派手な演出。モンスターが進化すると、稲光が走るような予兆とともに、まばゆいオーラに包まれて一気に形態が変化する。これはもう、ロマンの塊というほかない演出だ。たとえるなら、RPGの「手塩にかけた相棒たちが進化する瞬間」という見どころを重点的に楽しめる作品とも言え、心を鷲掴みにされた。

生き生きと動くモンスターたちのドット絵や、淡い光に包まれたメニュー画面などのデザインも美しい本作。製品版では4種族、100体以上のモンスターが登場予定で、人類を侵攻していくミニゲームも楽しめるとのことだ。

簡易的なデモ版ながら、本編への期待が高まる内容となっていた。

▲モンスターの進化はクリックで行うので、放置してたら見逃した…という事態は防がれている

ドット絵の王道と進化を目指して

本作を手掛けたシロス氏とail氏にお話を伺うことができたので、最後にそちらもご紹介しよう。

開発は今年初めから行われており、以前より親交のあった2人で何か作りたいと思ったことがきっかけだったそう。試作品をいくつか作った結果、放置ゲームのスタイルが最も作りやすい形式と感じたことが、本作のベースとなっているとのことだ。

プログラミングを担当されているail氏によると、本作は「シロス氏のグラフィックをいかにして最大限活かすか」に焦点が置かれており、派手な進化演出などもそれを実現するうえで取り入れられている。

ただドット絵を配置するだけではなく、進化演出や、メニューアイコンには淡い光の表現を施して、よりドット絵を魅せる方向になっている点でも、グラフィックへのこだわりを感じることができた。

光の表現に関しては、意外にもサイバーパンク色の強い『SANAVI』や『Ovis Loop』(旧称:『STAND-ALONE』)を参考に調整されているそうだ。本作の世界観となっているファンタジーとは毛色が違うように思えたが、このサイバーパンク的な表現を魔法表現にも応用できそうだったので、本作にも取り入れられているとのこと。その結果として、本作特有のリッチな演出が誕生していると考えると、その柔軟な発想に驚かされた。

また、グラフィック面を手掛けるシロス氏によると、本作のドット絵はゲーム的なドット絵の「王道」ド真ん中を目指しているとのことで、ファンタジーという題材を選択したのもそれが理由だったそう。これは、シロス氏が元々ファンタジー作品好きだったのもあって、その作品群へのリスペクトも込められているとのことだ。

王道を目指す一方で、本作では現代におけるドット絵の進化も見せたい。そんな思いの集大成となる本作は、王道のファンタジー的なモンスターたちのドット絵に、現代的な光の演出も加えたハイブリット作となっている。取材の中でグラフィックへのこういったこだわりをひしひしと感じることができた。

『Tiktac Tame』は、PC(Steam)でのリリースを目指して鋭意開発中。デスクトップの片隅でモンスターたちを育てられる日への期待が高まる。

0:00
/0:27
基本情報 Tiktac Tame
開発 シロス, ail
販売 未定
配信日 未定
言語 日本語有り
価格 未定(Steam)

この記事で紹介されているゲーム

都市伝説解体センター

アドベンチャー

日本語対応

OVIS LOOP

早期アクセス

アクション

インディー

日本語対応

SANABI

アドベンチャー

アクション

インディー

日本語対応
¥1,520