派手さはない、そこが良い。味わい深い冒険をライトに楽しめる探索型2Dプラットフォームアクション『オウリディア:地下に眠る黄金の都市』プレイレポ

しわしわ

2025/10/04

剣と魔法にも胸躍るが、松明片手に自分の足音だけが反響する洞窟内を進んでいくような冒険もまた、浪漫あふれる魅力がある。そんなことを思い出させてくれる『オウリディア:地下に眠る黄金の都市』は、2025年9月22日に発売された2Dプラットフォームアクションゲームだ。さまざまなエリアからなるマップをシームレスに冒険していく探索重視な作品で、戦闘要素はほとんどないことが特徴。Norseboar Gamesが個人で開発し、TrueColor Gamesと共同でパブリッシングを務めている。

本稿では筆者が実際にプレイしてみた感触を交え、本作の魅力や特徴をお伝えしていこう。

Steamで15% OFF:オウリディア:地下に眠る黄金の都市
『オウリディア~地下に眠る黄金の都市』で、秘密溢れる遺跡を探検!フックで深淵を越え、爆弾で道を開き、棘を踏み越え禁地へ。古代遺物を解読し、千年眠る文明の謎に迫ろう!

祖父が遺した手がかりを追って遺跡探索

主人公であるプレイヤーは、冒険家だった祖父の後を追い、古代の都市アウリディアを目指す(翻訳の過程で生じた表記ゆれと思われる。本稿ではゲーム内の表記に従って、タイトル以外は「アウリディア」と記載する)。そこに祖父の死の真実は遺されているのか、アウリディアとは何なのか、一本の松明を手に大きな秘密を紐解いていくというストーリーだ。

▲なんともわくわくする導入

本作に戦闘的な手段はほぼなく、プレイヤーはジャンプを始めとするさまざまな探索アクションを駆使して遺跡を巡っていく。アイテムを取得することで壁登りフックスイングなど新たな機能が解放され、少しずつ探索範囲が広がっていくという流れだ。また、主人公にレベルやステータスなどは存在せず、強化できるのはアクション使用時に消費する「スタミナ」のみ。装備などもないので、その組み合わせ次第で難易度が上下するといったことも起きない仕様だ。システムは非常にシンプルであり、道を切り開くのはプレイヤー自身の練度と閃きとなる。

また、アウリディアにまつわる遺物を渡すことで新たな情報・アイテムを入手できる歴史家の「スノッリ」をはじめとした、さまざまなキャラクターも登場。地下に佇む長寿の大きな亀「ウルズ」はスタミナの強化をおこなってくれ、祭壇から聞こえてくる謎の声は――内容が少々不穏だが――探索のヒントをくれる。彼らとのやりとりは助けになるだけでなく、物語への没入感をも高めてくれた。

人物の位置や重要な手がかりは地図に自動でマークされるし、もちろんプレイヤーが手動でマーカーを追加することもできる。そうして手段を増やし、歴史の断片を見つけ、プレイヤー自身がアウリディアの成り立ちと衰退の謎に迫っていく……本作には、そんな浪漫あふれる冒険が待っている。

わくわくが途切れない味わい深い冒険

プラットフォームアクションというと高難易度なイメージもあるかもしれないが、本作の難易度は「アスレチックを楽しむ」ラインに抑えられていると感じた。何より、死亡時には直前の安全な足場からすぐにリトライできる点が、快適かつスピーディーなプレイフィールを提供してくれる。巻き戻し作業が必要なくデスペナルティもないので、気軽に挑戦・調節を繰り返すことができ、比較的サクサクと踏破できるのだ。

滞りなくゲームが進行し、新たなアイテムやバイオームに次々出会えることは、わくわく感やモチベーションの持続に繋がる。テンポ良く進行するからこそ黙々と前に進む探求の旅という体験に没頭でき、世界観の魅力が真っ直ぐに伝わってくるのだ。戦闘のない静けさもそれらを際立たせている。

この「冒険らしい新鮮な発見とわくわく」は、そういったプレイフィールのほか、ゲーム内のあらゆるテキスト群からも補強されていた。ゲームブック風の独特の語り口が味わい深く、さらなる没入を促してくれる。

▲童心をくすぐられるような浪漫あふれるテキストが随所に散りばめられている
▲アイテムテキストは魅力的なだけでなく、過去を紐解く重要な手がかりだ。集めて読み解き、研究を進めよう

探索やプラットフォームアクションが好きな人はもちろん、この雰囲気に惹かれたのならどんなプレイヤーにもおすすめしやすい本作。ストアページによると3〜6時間ほどでクリア可能なボリュームとのことで、小粒ながら刺さる人には堪らない魅力がギュッと詰まった濃密な作品だ。アウリディア人とは何者だったのか? アウリディアはなぜ封じられたのか? ぜひこの地を踏んで、あらゆる手がかりを辿り、自身の手で確かめてほしい。

オウリディア:地下に眠る黄金の都市』は2025年9月22日よりPC(Steam)にて発売中。対応言語は英語、日本語、中国語(簡体字/繁体字)、韓国語となっており、10月7日まで15%オフのセール中だ。


基本情報 オウリディア:地下に眠る黄金の都市
開発 Norseboar Games
販売 Norseboar Games, TrueColor Games
配信日 2025年9月22日
言語 日本語有り
価格 1,200円(Steam

ライター:しわしわ 編集:LayerQ

この記事で紹介されているゲーム

オウリディア:地下に眠る黄金の都市

アドベンチャー

アクション

日本語対応
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オウリディア:地下に眠る黄金の都市

『オウリディア~地下に眠る黄金の都市』で、秘密溢れる遺跡を探検!フックで深淵を越え、爆弾で道を開き、棘を踏み越え禁地へ。古代遺物を解読し、千年眠る文明の謎に迫ろう!

滅びの残響、黄金の都市が招いている

『オウリディア~地下に眠る黄金の都市』は、プラットフォームジャンプをコアとしたメトロイドヴァニア作品です。戦闘はほとんど存在しいませんが、それは決して「易しい」という意味ではないです。

あなたを待ち受けるのは、深淵、迷宮、未知、そして――自身の操作精度への挑戦です。黄金の都市を巡り、ジャンプ、スイング、爆破、バウンドなど、多彩なアクションで道を切り開いていきます。新たに得る能力は、すべて未知の領域への鍵となります。あらゆる場所に隠された手がかりがあり、その謎めいた存在は何度も足を運びたくなるほどの魅力を放つだろう。失われた文明の探索に心躍らせ、神秘的な神話に魅了され、究極の謎を解き明かしたい――そんなあなたを、黄金廃都の秘密が待ち受けています!

剣は不要、ジャンプこそが言葉

登れ、爆ぜろ、棘を踏み越えて跳べ!天井からのスリル満点のスイング、狙い澄ました爆弾投擲、そして棘を利用した驚異のバウンド――これらすべてがあなたの武器となります。

6種類のユニークな移動アクションを駆使し、遺跡の奥深くへ進み続けよう。オウリディアの遺跡は、シームレスにつながる9つの個性的なエリアで構成され、広大かつ秘密に満ちた探索の舞台を提供します。そこでは、1つひとつのジャンプやスイングが、あなたの技術を試す真剣勝負!

廃墟は無言、だが応える者を待っている

文明は滅び、あなたはその「応える者」です。千年前に消えたオウリディア文明ですが、その物語はまだ終わっていません。選ばれた探索者として、遺跡を探索し、50種類以上の古代遺物を発見しましょう。それらは単なる収集品ではなく、記憶の断片であり、オウリディアの伝承を宿す鍵です。

独自の歴史研究システムを通じて、断片を組み合わせ、文明の栄光と衰退を紐解きます。同じくこの地を訪れた古代史学者が、千年の謎の解明を望んでいます。集めた遺物を彼に見せ、この土地で起きた真実を共に明らかにしよう。

その発見は、彼の歴史観を変え、そしてこの都市の未来すら左右するかもしれません。

道は不明――しかし、歩み出せ

オウリディアの世界は、真の探検者が訪れるのを待っています。明確な目標がなければ落ち着かない人も、この地では試されることになるだろう。日誌を読み込み、マップを研究し、自主的に探索しなければ、自らの道を見出すことはできません。

激しい戦いはほとんど存在しませんが、知恵と機敏さこそが最大の武器です。一手一手を慎重に、体力の消耗にも気を配れ――探索の持続力には限りがあります。しかし、50以上の神秘的な祠があなたを待っており、体力上限を引き上げ、旅を長く続けられます。

『オウリディア~地下に眠る黄金の都市』の旅は長くはありません――およそ3〜6時間程度です。しかしながら、その一つひとつの選択が物語を形作り、結末は何を見つけ、何を理解し、何を選ぶかによって変わります。

探求者よ――黄金の都市は再び現れました。その呼びかけに応える準備ができているでしょうか?