2025年9月25日~28日に、千葉県・幕張メッセにて開催の「東京ゲームショウ2025(以下、TGS2025)」の出展タイトルから、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップして紹介しよう。
なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。


愛犬ポルカを追いかける愉快な大冒険
『Finding Polka』は、昔飼っていた愛犬にそっくりな犬を追いかけて歩き回るウォーキングシミュレーターゲームだ。開発は、リドロックスが手掛ける。
物語の主人公は、メガネをかけた女の子フレンディ。現在は愛犬のジャズと楽しく暮らしている。ある日、街中で幼い頃に飼っていた犬ポルカにそっくりなブルドッグを見つけた。フレンディはそのブルドッグを追いかけるのだが、すぐ見失ってしまう。こうして、ポルカにそっくりな犬を探す旅がはじまった。

今回は、東京ゲームショウ用の試遊版を、本作を手掛けたリドロックスの熊沢新之助氏の解説を聞きながらプレイさせていただいた。熊沢氏は、2007年に公開され世界中で1,000万人以上にプレイされたFlashゲーム『マキビシコミック』の作者としても知られる。
熊沢氏によると、本作のテーマは「Fun in Every Step」。ただ目的地を目指して歩くのではなく、道中で出会うキャラクター、隠されたギミック、予想外の展開など、一歩一歩前に進むたびに遊び心が感じられるようになっている。
プレイヤーはフレンディを操作し、ポルカにそっくりなブルドッグを探して街を歩き回る。その道中でさまざまなキャラクターと出会い、彼らの願いを叶えると友達になれる仕組みだ。
早速プレイしていると、画面上にブルドッグを発見。しかし、大きなボックスが邪魔で通れない。ボックスの前にいた猫に近づくと、どうやら魚が欲しい様子。釣りをしている動物から魚をもらって猫に渡すと、フレンディと猫がハイタッチ! これで友達なれたようだ。


友達になった猫に手伝ってもらって前に進んでいくと、ようやくブルドッグのいた場所にたどり着いた。しかし、その犬の姿はなく、残っていたのは犬が粗相した跡だけだった。再び、犬を探して歩き出す。
今回の試遊版で遊んだのは海辺のエリアだったが、製品版では海を越え時を超え、さまざまな場所を歩いてポルカを探すという。ニューヨークの街中や宇宙に飛び出すシーンもあり、ビーチバレーや釣り、さらにはリズムゲームなどのミニゲームも楽しめるそうだ。

試遊後、熊沢氏から本作の原画を見せていただいた。ボールペンで細かく書き込まれた手描きの世界は、思わず「うわぁ!」と声が出るほど圧巻だった。
本作の最大の特徴は、こうした手描きのキャラクターたちが動き出す「動く絵本」の世界だ。セリフやUIメッセージなどのテキストは一切存在しないが、キャラクターの表情や仕草だけで何をすべきかが自然と伝わってくる。熊沢氏の絵の表現力があってこそのノンバーバルなゲームと言えるだろう。
また、愛らしいギミックが随所に盛り込まれている点も非常に魅力的だ。たとえば、キリンとやりとりをしていると、フレンディの首もキリンのようにニョーンと伸びて、思わずにやけてしまった。熊沢氏によると、『クレヨンしんちゃん』のような子どもも大人も楽しめるコメディを目指しているという。手描きならではのぬくもりとクスっと笑えるユーモアが絶妙にマッチしていると感じた。


圧巻のボールペン画の世界とコメディ要素の融合が楽しい『Finding Polka』は、2026年4月頃の発売を目指して鋭意開発中。プレイ時間は2~4時間になる予定で、Steam版以外にもiPad版などの開発が計画されているそうだ。
Steamページは現在準備中だが、最新情報は熊沢氏のXで随時公開されるとのこと。本作とは異なるテイストのゲームが遊べるリドロックスのウェブサイトも併せてチェックしてみてほしい。また、熊沢氏が手掛けた『マキビシコミック』のSteam版が現在配信中。『Finding Polka』を待つ間に、こちらをプレイしてみてはいかがだろうか。
基本情報 | ゲームタイトル |
---|---|
開発 | リドロックス |
販売 | リドロックス |
配信日 | 2026年4月 |
言語 | 日本語有り |
価格 | 未定(Steam) |
ライター:ばんじーよこすか
編集:LayerQ