ケーキを「運ぶだけ」がもたらす独特の緊張感。物理演算を取り入れたホラーゲーム『Don't Drop The Cake』ブースレポート【DREAMSCAPE#4】

朝比奈 / Asahina

2026/01/27

2026年1月18日に、東京都・秋葉原 UDX Galleryにて開催された「DREAMSCAPE#4」の出展タイトルから、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップして紹介しよう。

なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。

DREAMSCAPE
インディーゲームの可能性を拡張する支援プロジェクト

「ケーキを運ぶ」アクションが、スリリングな体験に変わる

Don't Drop The Cake』は、障害を乗り越えつつプレートに載せたケーキを落とさないように前進していく、一人称視点の物理演算アクションホラーゲームだ 。日本の個人ゲーム開発者のミドリヤマ氏が手掛け、2026年春のリリースを目指して開発が進められている。

本作は、さまざまなロケーションを舞台に、歩くたびにグラグラと揺れ動くプレートに載ったケーキを、落とさないよう目的地まで運び続ける作品だ。道中にはプレイヤーの行く手を阻むギミックや、暗闇から迫りくる未知の脅威が待ち受けている。

基本的には前進し続ける「ウォーキングシミュレーター」のスタイルを採っているが、常に揺れ動くケーキのコントロールが、単なる移動に独特の緊張感を与えている。もちろん、ケーキを床に落としてしまえば、その瞬間にゲームオーバーだ。不気味な雰囲気の中で、何よりもケーキの安全を最優先しなければならないという状況は、どこかシュールな滑稽さも漂わせている。

Steam:Don’t Drop The Cake
美味しいケーキを届けに行きましょう!しかし、目的地にたどり着くまでには、異形の者たちが徘徊する不気味な空間を進まなければなりません。恐怖で手が震えたり、焦ってバランスを崩してしまうと、ケーキを落として台無しになってしまいます。プレイヤーは慎重に歩を進め、異形の者たちを巧みに避けながら、無事にケーキを届けることが求められます。臆病者には、このゲームをクリアすることはできません。何事にも恐れない強靭な勇気と、不測の事態にも動じない冷静さを持った者だけが、この難関を突破できるのです。さあ、あなたの勇気と冷静さを試してみましょう!

変化し続けるロケーションと、前進だけではないゲーム体験

本作では、キーボードのWASDで前進・後退・左右への方向転換を行い、マウスを左右に動かしてケーキのバランスを取る操作がベースとなる。視点のターンが90度単位に制限されているため、急な視線移動の直後などは、思わずケーキを落としてしまいがちだ。

今回の体験版では謎めいた洋風の屋敷の中を進んでいったが、幾度かドアを開けて進むとその光景が変わり、不気味な現象が次々とプレイヤーを待ち受けていた。壁にべったりと手形がついたり、飾られた絵画が不意に落ちたりといった演出に加え、一瞬の暗転後に謎の手が突然視界を塞いでくるようなジャンプスケアも用意されている。

さらには、底の見えない穴の上に渡された一本道の鉄骨の上を歩かされたり、進むべき道の先から頭部が巨大な一輪の「花」になっている異形の人物が迫ってきたりと、一筋縄ではいかないシチュエーションの変化が訪れた。

シンプルに「前進」すればいいのだという固定観念から、筆者は何度か「花」の人物の横をすり抜けようとしては捕まっていたが、実は方向転換して逃げればいいのだという。このアドバイスを受けて、ようやく体験版のクリアにこぎつけることができた。必死に逃げ回りながらも、手元のケーキだけは水平を保とうとする姿は、端から見れば相当に必死で奇妙な光景だったに違いない。

――このように、本作はただ前進するだけのゲームではないということだ。

「驚き」がケーキを揺らす――身体的な反応をゲーム性に

今回ブースで開発者のミドリヤマ氏にお話を伺ったところ、本作はホラーゲーム『Don't Scream』にインスパイアされたという。多くのプレイヤーが黙々とプレイする傾向にあることから、驚いた瞬間にマウスを握る手が「ビクッ」と動いてしまう反応に着目したとのことだ。その微かな手の震えをダイレクトに反映させるため、グラグラと揺れる「ケーキ」がモチーフに選ばれている。

ターゲットをケーキとした理由は、画面中央に配置した際の収まりの良さに加え、落とした時のサウンドのインパクトや、誕生日を迎えた実況者にプレイしてほしいという狙いもあるという。

演出をじっくり楽しみたいプレイヤーに向けては3段階の難易度設定が用意されており、低難易度ではケーキの揺れ具合や、迫りくる脅威のスピードが緩和される仕組み。自身のスタイルに合わせた体験をセレクトできるのは、ユーザーフレンドリーなポイントと言えるだろう。

単なる「運搬」では終わらない、本編に組み込まれる新たなギミックと物語

ミドリヤマ氏によれば、製品版ではベルトコンベアの上でケーキを運ぶといったアクション要素や、ロケーションが次々と変化していく演出も描かれるとのことだ。

現在は専業で開発を続けている同氏にとって、本作はソロでの初制作タイトルにあたる。本編では2時間から3時間ほどのボリュームを想定。バランスを取りながらケーキを運んでいくだけという、一見すると奇をてらったかのような内容だが、本編ではストーリー要素を組み込む予定なのだそうで、そうなると物語としての興味も一気に増してくる。なぜ主人公はケーキを運んでいるのか? 運んだ先に何が待っているのか――謎は尽きない。

本作は海外での反響も大きく、Steamのウィッシュリストは1万件に迫る勢いを見せている。特にアメリカや中国からのレスポンスが目立ち、次いで日本という順なのだそうだ。こうしたグローバルな反応を受ける形で、多言語対応も予定されている。ケーキのバランスを保つ独特のアクションとホラー――この組み合わせがどのように完成するのか、楽しみにしておきたい。

なお、Steamでは今回出展されたものとは内容が異なる、すでに製品版の要素が追加された「体験版」も配信されている。本稿で興味を惹かれた方は、この一風変わった作品を一度プレイしてみてはいかがだろうか。

Steam:Don’t Drop The Cake Demo
美味しいケーキを届けに行きましょう!しかし、目的地にたどり着くまでには、異形の者たちが徘徊する不気味な空間を進まなければなりません。恐怖で手が震えたり、焦ってバランスを崩してしまうと、ケーキを落として台無しになってしまいます。プレイヤーは慎重に歩を進め、異形の者たちを巧みに避けながら、無事にケーキを届けることが求められます。臆病者には、このゲームをクリアすることはできません。何事にも恐れない強靭な勇気と、不測の事態にも動じない冷静さを持った者だけが、この難関を突破できるのです。さあ、あなたの勇気と冷静さを試してみましょう!

基本情報 Don't Drop The Cake
開発 Midoriyama
販売 Midoriyama
配信日 2026年予定
言語 日本語有り
価格 未定(Steam

ライター:朝比奈 編集:LayerQ

この記事で紹介されているゲーム

Don't Drop The Cake

アドベンチャー

インディー

日本語対応

DON'T SCREAM

インディー

カジュアル

シミュレーション

日本語対応
¥1,700

Don't Drop The Cake Demo

アドベンチャー

アクション

インディー

日本語対応
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発売日2024年10月29日
ジャンル
シミュレーション
カジュアル
インディー

カテゴリ
シングルプレイヤー
Steam実績
フルコントローラサポート
Steamクラウド
ファミリーシェアリング
Steamトレーディングカード
テレビでRemote Play
カメラの快適性
カスタム音量調整
難易度の調整
ステレオサウンド
サラウンドサウンド
時間制限付き入力なしでプレイ可能
ストアページリンク

DON'T SCREAM

叫んだら即終了。2人の作者により、Unreal Engine 5を駆使して開発された短編ホラゲー。クリア条件は、なんと「叫ばずに18分間森を探索する」…だけ?と思いきや、「時間が経過するのは移動中のみ」という特別ルールあり。お友達やご家族を徹底的にビビらせたい方は必見!プレイにはマイクが必須です!

購入前のご注意:これはプレイヤーを飛び上がらせるほどの怖さを追求した短編ホラーゲームです。恐怖シミュレーターのようなものとお考えください。ストーリー性よりも、「DON'T SCREAM(叫んではいけない)」という試練だけに焦点を当てて作られました。内容は至ってシンプルであり、お母様世代の方にもお楽しみいただけます。ていうか、絶対にお母様に挑戦してもらってください!

叫んだら振り出しに戻ります。DON’T SCREAMは、90年代のビデオカメラ映像をイメージしたUnreal Engine 5による短編ホラーゲームです。手がけたのは2人の開発者。試練は、不気味でミステリアスな松林の中を、18分間叫ばずに探索するというシンプルなもの。

簡単だと思うでしょう?そこで特別ルールの登場です。時間は動いている間だけ経過し、いつどこから何が出てくるかは不明。プレイ中に発してしまう声がほぼすべて叫び声として認識されるよう、ゲーム内でのマイクのキャリブレーションは必須となります。これによりスリリングさと難易度が上がり、より一層楽しめるはずです。何十ものダイナミックな怖がらせ要素が組み込まれ、挑戦するたびに違った恐怖を体験できます。

お友達や家族の方を思う存分怖がらせたい人には、まさにうってつけのゲームだと言えるでしょう。その証拠に、リードプレイテスター(だけでなく私の妻も)は現在クリニックで回復中です。
プレイするにはマイクが必須です
DON'T SCREAMはプレイヤーの神経だけでなく、声量のコントロール能力も試されます。本ゲームに含まれること:
1. マイクのキャリブレーション:
ゲーム内で設定が必要となります。技術的な設定であるだけでなく、プレイヤーが直面する挑戦を定義するものです。ちょっとした悲鳴や息を呑む音だけでも叫び声として認識され、すぐやり直しとなります。
2. 自分の声に注目する:
ゲーム中に話すことは可能ですが、普段に比べて音量はできる限り絞りましょう。少しでも音が大きければ、ゲームオーバーです。
3. 公平なプレイ:
キャリブレーションを飛ばして恐怖を思い切り叫ぶことも可能ですが、せっかくのスリムが台無しになってしまいます。本物のホラー体験のため、設計通りにプレイしてください。

注意:ゲームプレイによって下着が犠牲になった場合、当社は一切責任を負いません。