現実と記憶が混濁する極北の海。家族の真実を追う重厚なナラティブアドベンチャー『WILL: Follow The Light』体験版レポート【Steam Nextフェス】

朝比奈 / Asahina

2026/03/03

Indie Gemは、リリースを控える期待の作品群から、明日を煌めく原石のようなタイトルを発掘し、体験版を元に紹介していくコーナー!


WILL: Follow The Light』は、極北の峻厳な大地を舞台に、行方不明となった息子を探し求め、ヨットや犬ぞりを駆使して過酷な自然を切りひらくアドベンチャーゲームだ。アメリカ合衆国ワシントン州スポーカンを拠点とするインディーゲーム開発スタジオ"TomorrowHead Studio"が手掛ける。

体験版では、ヨットを駆って海を渡り、灯台を再稼働させるために孤島を探索するという、ゲーム冒頭の30~40分ほどをプレイできる。Unreal Engine 5(UE5)によってリアルなビジュアルで描かれる海の風景に加え、島に遺された手紙やカセットテープから亡き妻の思いを知るという、本作の根幹をなすナラティブな展開が待っていた。

Steam:WILL: Follow The Light
一人称視点のシングルプレイヤーでリアルに描かれる過酷な寒冷地で終わりなき航路を突き進み、愛する家族の元へ帰還しましょう。あなたは導灯を追い求めますか?
Steam:WILL: Follow the Light Demo
一人称視点のシングルプレイヤーでリアルに描かれる過酷な寒冷地で終わりなき航路を突き進み、愛する家族の元へ帰還しましょう。あなたは導灯を追い求めますか?

家族の絆に潜む「違和感」と、真実を暴くための航路

プレイヤーが操作するのは、北の海域に浮かぶ孤島の灯台守ウィルだ。この物語は、孤独な勤務の最中に届いた一通の無線メッセージから動き出す。故郷が大災害に見舞われ、ひとり息子が行方不明になったという、ただならぬ事態を告げる報せ。ウィルは息子を探し出すため、帆船「モリー号」へと乗り込み、危険な北の海域を越える旅に出る。

しかし、捜索を進めるにつれてウィルの心には次々と疑問が浮かび上がっていく。自分と父との絆に隠された真実とは何なのか。妻に、それから家族に一体何が起こったのか――。その答えは、海からしかたどり着けない無人島、犬ぞりで越える峻厳な山脈、それから今は廃墟と化し、徒歩でしか進めない故郷の地へと散らばっている。

この物語への没入感を高めているのが、全編にわたるフルボイスと日本語ローカライズだ。ウィル自身の独白だけでなく、作中で発見する手紙を読んだり、カセットテープを再生したりする際にもその声が実際にプレイヤーの耳に聴こえてくる。クレジットが確認できないため、どなたが翻訳を担当されたのかは不明だが、一定水準以上のクオリティに加え、情緒感のあるテキストを体験版から味わえるのは嬉しい。

旅の果てにウィルが突き止めるのは、たとえ望ましくないものであっても向き合わねばならない、自分自身にまつわる真実だ。すべては息子を救うため……それとも、自分自身を救うためなのか。プレイヤーは極北の静寂の中で、家族の肖像を再構成していくことになる。

本格的な操船体験と、島に遺された亡き妻の足跡

体験版における当面の目標は、失った方位を取り戻すための基準点として、バード島の灯台を再稼働させることにある。そして、この広大なフィヨルドを望む海域において、足となるのがヨットのモリー号だ。

モリー号を自在に操り、目的地へと進むには、アンカーの昇降からエンジンの出力管理、それから帆(セイル)の調整まで、すべてをプレイヤー自身の手で行わなければならない。加えて、地図上の緯度・経度を頼りに現在地を割り出すアナログなナビゲーションも重要な要素。実際の航海士のアドバイスを受けているという本格派だ。

海を進み、いまや放棄されて無人となった灯台のある島に上陸すると、重機を操って先に進むための踏み台を移動させたり、発電機を動かすための燃料を探したりといった探索とパズルがウィルを待ち受けている。そして、そこでの探索の過程で、この島に赴任していた亡き妻イーラの遺品――手紙やカセットテープが見つかる。

鳥類学者として島に赴任していた彼女は、出発前のウィルとちょっとしたケンカをした際に持病の吸入器を忘れてしまい、嵐や機材の不具合などのさまざまな不運も重なったことで、その命を失ってしまったという真相がわかってくる。

しかし、海風にさらされる環境に手紙やカセットテープが無事な状態で残っているものだろうか。開発チームによれば、本作は現実と夢の境界が曖昧であり、ウィルの内面にこびりついた「消えない記憶」の具現化なのだという。彼は何を目にして、何を聴くことになるのか。

彼に宛てた妻からの最後の思いを綴った手紙を読み終えたあと、物音に振り返るとそこに立つイーラの姿を見たところで――体験版は終わりを迎えた。

現実と記憶が交錯する、重厚なナラティブの予感

『WILL: Follow The Light』は、リアルな操船体験を土台に据えつつも、その本質は極めて重厚なナラティブアドベンチャーにある。灯台を再始動させるという目的の背後には、亡き妻イーラの悲劇や、家族に隠された謎が複雑に絡み合っている。

特筆すべきは、ストアテキストなどの事前情報と、作中でウィルが語る言葉との間に生じている「食い違い」だ。息子トーマスの行方についても、ウィルは「父はなぜ連れていったのか」と疑問を口にしており、そこには単純な行方不明以上の背景が示唆されている。こうしたストーリーテリングの仕掛けこそが、プレイヤーを霧の深淵へと引きずり込む大きな魅力となっている。

UE5によって描かれる精緻な風景、それから現実と夢の境界が曖昧な世界観。本作は名作映画や文学からインスパイアされたことを感じさせ、プレイ後も心に重い余韻を残す。この歪で美しい物語の真実がどこにあるのか。製品版で明かされるであろう家族の肖像をぜひ見届けたい。

WILL: Follow The Light』は、PC(Steam)にて2026年内リリースを目標に鋭意開発中だ。


基本情報 WILL: Follow The Light
開発 TomorrowHead Studio
販売 TomorrowHead Studio
配信日 2026年
言語 日本語有り
価格 未定(Steam

ライター:朝比奈 編集:LayerQ

この記事で紹介されているゲーム

WILL: Follow the Light Demo

アドベンチャー

インディー

日本語対応

WILL: Follow The Light

インディー

アドベンチャー

日本語対応
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カテゴリ
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WILL: Follow the Light Demo

一人称視点のシングルプレイヤーでリアルに描かれる過酷な寒冷地で終わりなき航路を突き進み、愛する家族の元へ帰還しましょう。あなたは導灯を追い求めますか?

『WILL:Follow The Light』は、過酷な北の大地を舞台に、危険に満ちた主人公の旅を描いた、ストーリー重視の一人称視点アドベンチャー謎解きゲーム。平和を見つけ、家族と再会するために、ウィルは果てしない海を渡り、数々の試練に立ち向かい、やがて自分自身を見つけ出さなければならない。

父と息子のストーリーを紐解く

あなたが操作するのは、北の海域に浮かぶ孤島の灯台守、ウィル。この物語は、いつもの孤独な勤務の最中に突然届いた無線メッセージから始まる。故郷が大災害に見舞われ、ひとり息子が行方不明になってしまったのだ。息子を探し出すため、あなたは自分の帆船モーリーに乗り、危険な北の海域を越える旅に出る。

しかし捜索を進めるにつれ、次々と疑問が浮かんでくる。自分と父親との絆に隠された真実とは?愛する妻はどこに?家族に一体何が起こったのか?その答えは、あなたが探索する過酷な北の世界の中に散らばっている。海からしかたどり着けない無人島、犬ぞりで越える山脈、そして今は廃墟となり、歩いてしか行けないあなたの故郷。

旅の中で、自分自身にまつわる真実を突き止め、向き合うことになる。それが望ましくないものであっても。

すべては息子を救うため...

... それとも、自分を救うためなのか?

特長

  • 圧巻の北の大自然 — 息をのむ陸と海の北の風景が、Unreal Engine 5で生き生きと描かれる。

  • 奥深い探索と移動システム — リアルな帆走と犬ぞりのメカニクスを駆使して、プレイヤーは広大な世界を探検できる。

  • 父と子の物語 — 謎めいた世界で繰り広げられる魅力的な冒険譚。各章に謎解き、秘密、驚きの真実が隠されている。

  • 映画のような冒険 — ナレーションと環境ストーリーテリングを通して、ウィルの物語を体験。

  • 難易度の高い謎解きとチャレンジ — 魅力的な謎解きや印象的な場面を発見。

  • オリジナルサウンドトラック — 実験的な音色とユニークな楽器が織り成す雰囲気豊かなサウンドが、キャラクターのテーマを物語の音楽的ナラティブにシームレスに組み込む。

TomorrowHead Studioについて

私たちは、自己資金で開発を行い、セルフパブリッシングを行う、独立系ゲームデベロッパーです。私たちの小さなチームは、旅への情熱を原動力にしており、プレイヤーを新たな場所や世界を探る旅に送り出すことで、その熱意を分かち合うことを目指しています。CGIの豊富な経験を活かして、リアルな映像とユニークな冒険を届けることに取り組んでいます。プレイヤーが物語に深く没頭し、物語の重要な一部と感じられることを目標としています。