インディーゲームの最新情報をお届けするアジア最大級の情報番組「INDIE Live Expo」。株式会社リュウズオフィス INDIE Live Expo実行委員会主催のもと、YouTube Live, X, Twitch, ニコニコ生放送, bilibili, TikTokなどの生放送プラットフォームにて、多言語での全世界同時配信を実施している。
2026年4月26日におこなわれた配信では、世界中からエントリーされたインディーゲームを1本あたり15秒の映像で次々と紹介する『INDIE Waves』、特に注目度の高い“新情報”にスポットをあて重点的に紹介する『INDIE Spotlight』の2部で構成されており、『INDIE Waves』では約160本、『INDIE Spotlight』では約40本ものタイトルが取り上げられた。
幅広いジャンルのインディーゲームをまとめてチェックできる、濃密な4時間となった本配信。本稿では、発表タイトルの中から筆者個人が追いかけていたタイトル『Robot Hospice』を紹介していこう。

ロボットたちがゆったりと最期のときを過ごす場所「ロボットホスピス」
『Robot Hospice』は、人間に愛されてきたロボットたちの最期を看取るアドベンチャーゲーム。インディーゲーム開発サークルのButtercup gardenが開発を手がける。
本作の舞台は、人間とともに過ごしてきたロボットが最後に行き着く施設「ロボットホスピス」。プレイヤーは施設に配属された新人スタッフ「ミドリ」として、施設で過ごすロボットたちと優しくも切ない時間を過ごしていくことになる。

ロボットとの別れのシーンは、行動や会話での選択肢次第で変化する。ロボットたちがより良い最期を迎えられるように、5体のロボットたちと対話を重ねていこう。
INDIE Live Expoにて、2026年6月10日に無料で配信予定と発表された本作。本稿では、体験版で遊べる内容を中心にゲームシステムなどをご紹介しよう。

"愛するものの代わりになれるでしょうか"
体験版では、物語の冒頭となる最初の3日間を遊ぶことができた。ゲームを開始すると、ミドリのアシスタントとなる小型ロボット「ゼクス」の案内で、まずは施設全体を見学することになる。
ロボットホスピスには、お掃除ロボットの「テトラ」、犬型ロボットの「ファイボ」、家事手伝いロボの「ハジメ」、兄妹ロボの「ニィニィ」と「ツゥツゥ」という5体のロボットたちが過ごしている。最初に出会うハジメや、ニィニィとツゥツゥは新人のミドリに対して歓迎ムードで迎えてくれるが、テトラは会話を拒む姿勢を見せる……といったようにミドリへの態度もさまざまだ。

彼らと出会ったあとは、ゼクスから仕事の流れについてのレクチャーが始まる。プレイは1日単位で進行し、その日ごとに対話する相手を1体選ぶ。ロボットたちにはそれぞれ個室が用意されているので、会いたいロボットのもとを訪問してカウンセリングを行っていく。
対話が終わったら、自室の机で日誌を書き込んで次の日へ。次の日も同じロボットと話すか、違うロボットのもとへ向かうかは自由なので、プレイしていても非常に悩ましくなった。とはいえ、週末になるとレクリエーションルームが開放され、この日だけはホスピス利用者全員と交流することもできるようだ。

カウンセリングといってもそこまで専門的なものではなく、要は「おしゃべり」をするということ。元々人間とともに過ごしてきた彼らと、寄り添う最適な方法だろう。会話は選択肢形式で進めていくが、1日に聞ける話題は1つまで。会話ができないファイボのみ何をして遊ぶかという選択肢になるが、基本的な流れは同一だ。
ただ、普段は明るく接してくれるハジメに過去のことをはぐらかされたり、テトラへ励ましの言葉をかけたつもりが「キレイゴト」と切り捨てられてしまったり……と一筋縄ではいかない。彼らが何を考えながらロボットホスピスで過ごしているのか、ミドリと同じくプレイヤー自身も悩むことになるだろう。

部屋の訪問前には、廊下でゼクスと会話することも可能。訪問前に利用者の様子を聞いたり、仕事のアドバイスをもらったりできるので、話題選びにおいてもきっと心強いパートナーとなりそうだ。
筆者が体験版で最も印象的だったシーンは、「わたしでも、愛するものの代わりになれるでしょうか」とミドリがゼクスに尋ねるシーンだった。ホスピスで過ごすロボットたちは、元々人間たちに愛されてきた機体たち。ロボット本体は無論、彼らがもらってきた愛とどう向き合うのかも考えさせられた場面だった。
このシーンのあと、ミドリの問いかけに対してゼクスなりの回答が返ってくる。このセリフも本作のテーマ性を印象づけるものだと感じたが、本稿では詳細を伏せておこう。
体験版は1周10分程度で遊べるが、製品版でのプレイ時間は1~2時間程度を予定しているとのこと。ロボットたちとの交流を経てミドリは愛とどう向き合っていくのか、切ないながらも本編の物語が気になる内容となっていた。

ロボットの終わりは幸福であってほしい――開発者が語る原点
2026年2月8日に開催された「東京ゲームダンジョン11」では、本作の開発を手がけるdoko氏にお話を伺うことができていたので、最後にそちらもご紹介しよう。
doko氏は幼少期よりロボットに強い関心を抱いており、特に電子ペット育成ゲーム「たまごっち」や愛玩ロボットの「アイボ」などの「モノ」ではあるが生命を感じられるものが好きだったとのこと。
一方で、これらはいつか壊れゆくものであることも理解しており、別れのときが来てしまう恐怖感や悲しさを感じていたそうだ。
そういったバックボーンを持ちつつ、あるとき出会ったのがカズオ・イシグロ氏の著書「クララとお日さま」だったそう。こちらはAIを搭載したロボットと病弱な少女の交流を描いた小説。これを読み、ロボットの終わりは幸福なものであってほしいと切に願うようになり、その願いを込めたのが本作『Robot Hospice』とのことだ。

子供のころに感じた感情がベースとなっていることもあり、どこか懐かしさを感じてほしいという理由でドット絵でグラフィックを描いているというお話も印象的だった。
doko氏自身がドット絵のゲームに強い魅力を感じていたという理由もあるそうだが、重いテーマとの調和を取る点でも表現法としてドット絵が最適だったとのことだ。
まるで自我を持っているかのように対話するAIたちを見ていると、非常にタイムリーな内容にも感じられる本作。AIがより身近になった時代のリリースとなることは狙ったものではなかったそうだが、doko氏もコード制作等でお世話になっているとのことだった。

『Robot Hospice』は、Steamにて「ロボットの日」となる2026年6月10日より無料で配信予定。本作の製品版はエンディングは分岐なしの一本道と告知されているが、体験版ではエンディングが2種類用意されている。
作品の雰囲気を知るにはもってこいの内容となっているので、気になる方は一度触れてみてはいかがだろうか。
| 基本情報 | Robot Hospice |
|---|---|
| 開発 | Buttercup garden |
| 販売 | dokogames |
| 配信日 | 2026年6月10日 |
| 言語 | 日本語有り |
| 価格 | 無料(Steam) |
ライター:レイリー 編集:LayerQ









