『Until Then』は、思春期の少年少女たちの物語を緻密なピクセルアートで描くナラティブ・アドベンチャーゲームだ。フィリピンを拠点に活動するPolychroma Gamesが開発を手掛け、販売はMaximum Entertainmentが担当している。
対応プラットフォームはPlayStation 5およびPC(Steam)、Switch。2026年3月26日にSwitch版のリリースとPS5版のパッケージ版が発売されることとなった。
本稿では、思春期の揺れ動く感情と、世界の崩壊という壮大なスケールが交差する本作の魅力について紹介しよう。

スマートフォンを介した対話が運命を変化させる
『Until Then』のゲームシステムは、サイドビュー形式のキャラクター操作と、作中のスマートフォンを用いたSNSの閲覧・チャットが主軸となる。プレイヤーは主人公のマークとなり、学校での友人との会話や、帰宅後のネットサーフィンを通じて物語を進める。
ゲームの目的は、マークの周囲で巻き起こる奇妙な現象や、自身の失われた記憶の謎を解き明かすことだ。本作には、敵と戦って力尽きるような典型的なゲームオーバーは存在しない。しかし、会話の選択やミニゲームの結果によって、人間関係や物語の結末は変化していく。一度選んだ言葉が、誰かの運命を大きく狂わせてしまうかもしれない。その緊張感が、常にプレイヤーに付いてくる。
緻密なピクセルアートで描かれるフィリピンの街並み
本作を語る上で欠かせないのが、圧倒的な密度で描かれるドット絵の美しさだ。フィリピンの街並みをモデルにした校舎や夕暮れの路地裏。これらは光と影の演出によって、まるでその場の温度や湿度が伝わってくるかのような実在感を放つ。
しかし、その美しい日常は、物語が進むにつれて少しずつ歪み始める。画面に走るノイズや、既視感(デジャヴ)を覚える演出。これらがプレイヤーの不安を煽り、単なる青春ドラマではない、SFサスペンスとしての深みを本作に与えている。緻密なピクセルアートの美しさゆえに、一つ一つの演出を直球で感じることができる。
SNSの海に隠された、膨大な世界の断片
物語の随所には、日常の些細な動作を再現したミニゲームが挿入されている。これらは単なる作業ではない。マークという少年がその世界で「生きている」ことを実感させるための、重要な装置として機能しているのだ。
特にSNSのフィード画面は、広告や友人たちの何気ない投稿に至るまで細かく制作されている。これらを読み解くことで、メインストーリーだけでは語られない世界の裏側や、キャラクターたちの多面的な素顔を知ることができる。この探索の楽しさこそが、本作の大きな魅力と言える。

本作は、丁寧なローカライズによって日本語でもその詩的な物語を存分に堪能できる。PC(Steam)では無料の体験版が配信されているため、まずは冒頭を楽しんでみるのがいいだろう。
ネタバレになるため詳細はお伝えできないが、ナラティブ・アドベンチャーゲームが好きな方は、ぜひ最後までプレイしてほしい。主人公の成長と、展開していく物語。そして、分岐するエンディングの中で辿り着く答えは、プレイヤーの心に大切な何かを感じさせてくれるはずだ。心に強く突き刺さるストーリーを、ぜひその目で確かめてほしい。
| 基本情報 | Until Then |
|---|---|
| 開発 | Polychroma Games |
| 販売 | Maximum Entertainment |
| 配信日 | 2024年6月26日 |
| 言語 | 日本語有り |
| 価格 | 2,300円(Steam) |
| 3,190円(Nintendo Switch) | |
| 3,190 円(PlayStation 5) |
ライター:セン星人 編集:LayerQ









