幅広い層のプレイヤーが楽しめる! ミニチュア世界で四季をめぐる穏やかな脱出ゲーム『Miniature LAND -Four Seasons-』ブースレポート【BitSummit PUNCH】

しわしわ

2026年5月26日

2026年5月22日から24日の3日間にわたり、京都府・京都市勧業館 みやこめっせにて「BitSummit PUNCH(以下、BitSummit)」が開催された。本稿では、その出展タイトルから、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップして紹介しよう。

なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。

BitSummit | 毎年京都で開催している日本最大級のインディーゲームの祭典 です / Japan’s Industry-Leading Independent Game Development Festival in Kyoto
毎年京都で開催している日本最大級のインディーゲームの祭典 です / Japan’s Industry-Leading Independent Game Development Festival in Kyoto

本稿でご紹介するのは、実際のミニチュア模型を撮影して制作された探索・謎解きゲーム『Miniature LAND -Four Seasons-』だ。プレイヤーは四季をテーマに作られたエリアを探索し、さまざまなギミックに触れて謎を解きながら、ミニチュアの世界を進んでいく。会場では、試遊版で探索できるエリア全体のミニチュアがブースに展示されており、その素朴な温かみと精巧さに胸を打たれた。開発はHidehiro Nakamura氏が個人で手がけている。

すでにApp Store, Google Playにて配信されており、PC(Steam)での配信も予定されている本作。アプリ版は縦画面でのプレイとなるが、PC版ではワイド画面に対応し、より広い視野でミニチュアの世界を見渡せるようになった。本稿では、没入感の高まったPC版を会場にて試遊したレポートと、開発者Hidehiro氏にお答えいただいたインタビューの内容をお届けしよう。

Steam:Miniature LAND -Four Seasons-
手作りのミニチュアの世界に迷い込んでしまったような体験ができる脱出ゲーム。 あなたは、果たして元の世界に戻ることができるのでしょうか。

ミニチュア世界に入り込む、居心地のよい脱出ゲーム

本作は昔懐かしい脱出ゲームの構造で、周囲を探索し手掛かりを辿りながら進行していくというシンプルな流れ。ミニチュアを撮影して作られたマップは手作りの温かみにあふれ、“脱出ゲーム”という言葉からイメージされる閉塞感・緊迫感とは程遠い、非常に居心地のよい色合いと手触りがプレイヤーを出迎える。実写ならではのリアルさと程よいデフォルメ感のかわいさが合わさり、絵本や童話のなかに迷い込んでしまったかのような雰囲気だ。

すべてが精巧に作り込まれていて、謎解きとは関係なく何でもかんでも触りたくなってしまう本作。一見進行に必要な箇所の見極めが難しそうだが、画面上をクリックするとインタラクト可能なポイントがちらりと光り、プレイヤーに教えてくれる仕組みだ。ミニチュアに惹かれてゲームを始めたユーザーが、難しすぎる謎解きに躓いて遊べなくなってしまわないように、との意図で思いきって採用したのだそう。同様にギミックの難易度にも気を配ったとのことで、「リラックスして取り組める脱出ゲーム」という一貫したコンセプトを感じることができた。

テーブルに近付いてテーブルクロスを拾う、拡大表示された南京錠を操作するなど、かつてさまざまなフリーゲームで慣れ親しんだ懐かしい仕掛けも、「手作りの模型に触れる」という体験が加わるだけで新鮮なものに感じられる。ミニチュアを調べたり視点を動したりするたびに、「どんなものが見えるだろう」というわくわくがいつまでも続き、それでいて和やかな気持ちで落ち着いて楽しむことができる――これはミニチュアだからこそ演出できる体験だろう。

▲写真では分かりにくいかもしれないが、噴水に二箇所、そのやや左に一箇所調べられるところがある

試遊版には5分という区切りがあり、あっという間にプレイが終わってしまったが、いつまでも浸っていたくなる空間だった。リリースが待ち遠しい。

郷愁息づく作品のルーツは幼少期の夢――開発者インタビュー

なぜミニチュアを撮影し脱出ゲームを作ろうと思ったのか、会場にて開発者のHidehiro Nakamura氏にお話を伺うことができた。

なんでも、氏のお母様はミニチュアガーデン作家・komakoma氏で、子どもの頃からミニチュアに囲まれて育ったのだという。個人でゲームアプリを作りたいと思った際、「ミニチュアの中に入って探索できたら楽しいだろうな」と考えていたことを思い出して、子どものころの夢を叶えるようなかたちで本作を制作したのだそう。マップで使用されたミニチュアは、すべてkomakoma氏によって本作のために制作されたとのことだ。

脱出ゲームというジャンルを選んだのも、ミニチュアの中をじっくり探索し、細かなディテールまでしっかり見てもらうのに向いている、と判断したのが理由だと聞かせてくれた。実際、“小物類を手に取っていじることができる”という脱出ゲームの特徴が、ミニチュアによって魅力へと昇華されているのを感じた。周囲をよく見て、仕掛けに触れる――それ自体は何度も体験した内容だが、対象がミニチュアであることで、ずっと童心をくすぐられるようなわくわくに包まれながらプレイできるのだ。

ミニチュアを撮影して制作する、という特殊な工程において、どういった苦労があったのかも尋ねてみた。本作は脱出ゲームなので、プレイヤーはアイテムを拾い集めながらギミックを解いていくのだが、そのぶん、マップではアイテムが消えたり扉が開いたりと、進行にあわせ状態が変化していくことになる。その差分の用意が必要で、都度ミニチュアに手を加えて撮影したり、場合によっては「アイテムのない状態を撮影し、あとからアイテムを合成する」などさまざまな工夫が必要になったそうだ。

▲鍵がかかっている道具箱。別の場所で見つけた番号を入力すると……
▲フタが開き、クギぬきを入手できる。それだけで大きな喜びを感じられた。ミニチュアに触れた事実が画面上にあらわれること自体が“報酬”なのだ。

また、錠前などのギミックがクローズアップされる場面では、もともとのミニチュアをズームすると細かな部分が潰れてしまうため、別途拡大表示用のミニチュアを制作・撮影したという。結果、ミニチュアの数が想定より多くなってしまったとか。そういった小物類のミニチュアは、komakoma氏に教わりながら、Hidehiro氏自身が制作にあたったのだそう。

本作に流れる穏やかで郷愁的な雰囲気は、Hidehiro氏の幼いころの夢や、komakoma氏と共有した時間によって作りあげられたものなのかもしれない。

ミニチュアを眺めるとき特有の幸福感が、じっくりとプレイヤーを満たしてくれる本作。試遊版5分間のプレイでも没入感が高く、“ミニチュアの中を探索する”楽しさの片鱗に触れることができた。2026年夏のリリースを予定しており、さらに6月のSteam Nextフェスにも参加予定とのこと。ミニチュア好きは要チェックだ。

視野の広がりは本作の魅力をいっそう引き立てていること間違いなしなので、モバイルアプリ版をプレイ済みの方も、今一度チェックしてみてほしい。


基本情報 Miniature LAND -Four Seasons-
開発 Hidehiro Nakamura
販売 Hidehiro Nakamura
配信日 App Store:2024年12月20日
Google Play:配信中
Steam:2026年夏
言語 日本語有り
価格 無料(App Store
無料(Google Play
未定(Steam

ライター:しわしわ 編集:LayerQ

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