真犯人のヒントはタイトルにあり。犯人視点で描かれるコメディタッチミステリー『ミステリーアドベンチャー 犯人はメイド』体験版プレイレポート【東京ゲームダンジョン12】

レイリー

2026年5月13日

2026年5月3日に、東京・浜松町にて開催された「東京ゲームダンジョン12」の出展タイトルから、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップして紹介しよう。

なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。

ゲームダンジョン ► 2026年5月3日(日)、東京・浜松町でインディゲーム展示会を開催!
「東京ゲームダンジョン」・「大阪ゲームダンジョン」は個人や小規模チームが制作するデジタル・ゲーム(インディゲーム)の展示会です。手頃な出展料と充実した設備で、気軽に作品を出展・試遊できるイベントを目指しています。主催者も個人でゲームを作っているインディ開発者です。みんなで国内のインディゲームを盛り上げましょう!

孤島で起きるのは凄惨な事件か喜劇か

ミステリーアドベンチャー 犯人はメイド』は、孤島の館で起ころうとする事件の犯人視点から物語を追っていく倒叙型ミステリーアドベンチャー。ゲーム制作サークル「ななにのん」によって開発が手がけられている。

本作の主人公は、孤島の館での連続殺人を計画しているメイド。プレイヤーは選択肢を選びながら物語を進めていき、計画達成を目指していくのだが……選択肢の様子はどこかおかしい。

招待状の文面で何の脈絡もなく「にゃーん」と連呼していたり、爆弾を「バーベキューの準備」と言って無理やりごまかしたりと、シナリオは非常にコメディ色が強い。まともな登場人物も選択肢も存在しないが、どの選択肢を選んでも辿り着くエンディングは1種類だけ。思う存分あなただけの喜劇を紡ぎあげよう。

本稿では、Steamでも配信中の体験版で遊べる内容を中心にゲームシステムなどをご紹介しよう。

Steam:ミステリーアドベンチャー 犯人はメイド
犯人はメイド、そして主人公。あなたは犯人となり、孤島の館へ招かれた六人の客を一人ずつ襲撃していくこととなります。計画を達成するまで、決して疑われてはならない。周囲の疑惑から逃れるため、議論で相手を『論破』し、自分の正体を隠し通そう!

思わずふざけたくなってしまう選択肢

まず、タイトルが出オチ過ぎる。ゲーム開始時に、怪しげなサングラスをかけたメイドさんと一緒に出てくる「犯人はメイド」というタイトルロゴ。笑うなというほうが難しい。「犯人視点のミステリー」という自己紹介を完璧にしてくれるという意味では、これ以上ないタイトル画面……なのだろうか。

物語は、犯人が孤島への招待状の文面を考えている場面から始まる。招待状の文面は選択肢を選ぶ形でプレイヤーが決められるのだが、肝心の中身は奇怪な名乗りであったり、何の脈絡もないことを口走っていたり……。本人は真面目に考えているようだが、どうにも犯人向きには見えない。

そんな内面描写をフルボイスでしっかり行ってくるので、シュールな笑いも誘ってくる。何をどう真面目に考えたら、犯行予告の招待状が「にゃーん」で埋め尽くされるというんだろうか。

いや、こればっかりは選択肢方式な以上、その選択肢を選んでいる筆者も悪い。ただ、「どれを選んでもいい」と言われてしまったら、ふざけた選択肢を選びたくなるのも仕方がない。

一方で、フルボイスゆえに自然と他の選択肢も気になるつくりになっている点は、非常にうまいと感じた。ルート分岐がある作品ではないので、押す理由としてはただ興味本位のみとなる。

本作は、「この選択肢を押したらどうなってしまうのか」と感じさせることで、プレイヤーを飽きさせないつくりとなっている。文章が軽快な点も、遊びやすさを引き立てているだろう。

そんなわけで、完成してしまった怪文書……もとい招待状が6人のもとへと送られ、彼らは孤島へと集められることになる。集められたのは嫌味で小太りの社長、陽気でキザな水着姿の青年、美人の双子姉妹、夫を亡くした動画配信者、そして名探偵。いかにも推理ものといった雰囲気のメンバーだ。

だが、そんな彼らもこの様子のおかしい招待状を見て、何の疑いも持っていない。一体どういうことなんだろうか。強いて言えば、「こんな孤島で犯罪を起こすなんて、古典的すぎてあまりにもナンセンス」と決めてかかっている探偵だけはまともに見える。こんな調子で、犯罪が成立するわけないと筆者も思うからだ。

そして、彼らが辿り着いたのは館はあまりにもストレートすぎるネーミング。そろそろ登場人物たちにも異変に気がついてほしいが、ちょうど館へと辿り着いた場面で体験版は終了した。10分ほどの内容だったが、ツッコミ疲れを起こしてしまうくらいのコメディが襲い来る内容となっていた。

ミステリー×コメディという未開拓の境地へ

本作のシナリオを手がける伏見のヒナタはん氏にお話を伺うことができた。最後にそちらもご紹介しよう。

伏見のヒナタはん氏は「ななにのん」名義での活動以前より個人名義でもゲーム制作を行っており、総計では4~5年ほどの開発経験になるとのこと。これまでの代表作には、タイトルこそ出オチなものの中身は本格ミステリーというギャップを楽しめる『えっ!俺以外みんな犯人!? ~半人館の殺人~』など、一度見たら忘れられないような作品が並んでいる。

『ミステリーアドベンチャー 犯人はメイド』は、元々は同氏が手がける『立ち絵が変なポーズの恋愛アドベンチャー』作成中の暇つぶしとして開発が始まったとのこと。過去作である『えっ、いや・・・俺は犯人じゃないです!!』をベースに、とにかく豪華な仕様でリメイクしたらどうなるだろうか、というところがスタート地点だったそうだ。

▲本作にも登場する「安房吉水」の名は過去作にも登場。世界観の緩いつながりを感じさせる

ミステリーゲームを多く手がける背景には、伏見のヒナタはん氏が元々ミステリーものが好きだったことも大きく影響しているそう。「学生アリス」シリーズなどを代表作とする有栖川有栖氏や、「御手洗潔」シリーズなどを代表作とする島田荘司氏などからもインスピレーションを受け、さまざまな作品へチャレンジしていっているようだ。

一方で、真面目なミステリーを書いてしまうと二番煎じになってしまうという悩みも。そこで、「コメディ」との合わせ技という未開拓の方向性を選ぶことで、独自性を出していった結果本作のようなアイデアが浮かんできたそうだ。

そういった背景で本作はかなりコメディ色が強いのだが、ゲーム内では「プレイヤーへの挑戦状」として実際に犯人の考えたトリックを推理する本格的なミステリーパートもあるそう。

思い出せば、先ほど名前が挙がった有栖川有栖氏と島田荘司氏も、小説内に「読者への挑戦状」を仕込むことで有名。両氏へのリスペクトとしてなかなか粋な仕掛けではないだろうか。

こちらのパートでは、ゲーム内で確認できる館の図面などを駆使しながら、真面目に推理していくことになるそう。ただし、やってもやらなくても問題なくゲーム進行は可能で、エンディングにも影響はしないとのこと。コメディタッチとはいえ本格的な推理も楽しみたい! というミステリーファンへ向けた内容となりそうだ。

『ミステリーアドベンチャー 犯人はメイド』は、Steamにて2026年内に配信予定。本作の体験版は配信中となっているので、テキストの雰囲気などが気になる方は一度触れてみてはいかがだろうか。


基本情報 ミステリーアドベンチャー 犯人はメイド
開発 ななにのん
販売 ななにのん
配信日 2026年
言語 日本語有り
価格 未定(Steam

ライター:レイリー 編集:LayerQ

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