2026年5月22日~24日に、京都府・京都市勧業館 みやこめっせにて開催された「BitSummit PUNCH(以下、BitSummit)」の出展タイトルから、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップして紹介しよう。
なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。
※本稿では流血などのグロテスクな表現が含まれるゲームを紹介しています。


不気味な部屋を探索し、夢の男の問いに答えよう
『7 Days To Think About It』は、ランダムに変わる家具を記憶し、VHSテープを使って「覚えているか?」という問いに答えていくサイコロジカルホラーだ。開発は、silver978とMankind Gamesが手掛ける。


試遊版は、「起床する」というボタンをクリックしてスタートする。主人公は、夢の中で見知らぬ男からこう告げられる。今から「見たもの」を記憶し、きちんと覚えているか7日間続けてテストを受けなければならない、と。面識のない相手だが、主人公はとりあえず、言われたとおりにやってみることにした。
本作は一人称視点の3Dポイント&クリックゲームで、カーソルを動かして家具やオブジェクトを調べていく。インタラクト可能ものには、カーソルが手のアイコンに変化するので、それを目印に1つずつ配置や色を覚えていかなければならない。

主人公の家の廊下には、赤色で落書きされた紙きれが所狭しと貼られており、非常に不気味だ。ひとまず、扉を開けて部屋の中をしらみつぶしに調べていく。部屋の中には、カラフルな絵、不気味な絵、鎖でつながれた灰色のベッドなど、さまざまなものが配置されていた。
順番に1つずつ部屋を確認して、廊下の突き当たりを曲がると台所にたどり着いた。すると、ダイニングテーブルの上で血だらけの死体のようなものが仰向けに横たわっている光景が目に飛び込んできた。思わず、びくっ! と身体が震えてしまった。
平然を装いながら、そのまま台所の探索を続ける。薄汚れた冷蔵庫の中には、チーズのようなものが大量に入れられていた。意味がわからなくてますます怖くなったが、その先の部屋へとゆっくりと進んだ。

先の部屋の壁には、大きく「TRUTH」と手描きされ、複数のチェーンに南京錠が付けられている。南京錠の数は7つ。これをすべて解錠しなければいけないようだ。
部屋の反対側を見ると、夢に出てきた男がいた! どうやら、きちんと覚えているかテストをするようだ。「DO YOU REMEMBER?」「はい」「いいえ」の文字と、1枚の画像がプロジェクターを使って壁に映し出されている。床には、VHSレコーダーと山積みのVHSテープが並べられている。なぜ答える手段がボタンではなく、VHSテープなのだろう。試遊した範囲ではその理由は明らかにされなかったが、VHSテープの古びた質感や、乱雑に積み上げられた様子が、部屋全体の不気味さをさらに強めていた。


夢に出てきた男は「さあ、画像を見て質問に答えるんだ。今すぐ」と主人公に問いかける。筆者は正直全く覚えていなかったが、「はい」のVHSテープをレコーダーに入れてみた。すると、プロジェクターで表示されたのは、「CORRECT…」の文字。どうやら50%の確率に勝利したようだ。記憶力を試すゲームのはずなのに、いきなり運任せで突破してしまった。夢の男は、「おめでとう。自分の考えを整理するんだ」と主人公に語りかけて、最後に「あと6日だ」と言い残す。

奥の扉を開けると、ゲームが始まった地点に戻ってきた。どうやら、2日目が始まったようだ。部屋の様子は、1日目よりもさらに不穏になっていた。斧がパソコンにぶっ刺され、タンスの中はまるで古い拷問器具のように棘だらけだ。奥の台所にあった死体がなくなっていたり、動く小さな目玉が付いた椅子があったりと分かりやすく変化している箇所もあった。
先ほどと同様に、奥の部屋まで来ると、2日目のテストが始まった。1日目を終えた時点では、本作は記憶力を試すシンプルなゲームだと思っていた。しかし、2日目を迎えてどうやら様子が変わってきた。死体や動く目玉、拷問器具のような家具などの不穏なオブジェクトに気を取られているうちに、そもそも部屋の様子を覚えなければならないということを忘れてしまっていた。どこが変化したのかを探す以前に、前日の部屋がどんな状態だったのか思い出せない。筆者はまたもや、まったく覚えていなかった。
「いいえ」のVHSテープをレコーダーに入れてみる。プロジェクターに表示されたのは、血だらけの「LEFT BEHIND…」の文字。夢の男は、「1日戻ってもらう」と言った。どうやら間違えると、先ほどの正解がなかったことにされるようだ。
その後のテストで筆者は再び間違えてしまい、「今度は2日戻ってもらう」と言われてしまった。2回連続でミスをすると、2日分リセットされるようだ。

筆者は3度目の挑戦でまたもや間違えてしまった。すると、VHSレコーダーのあった場所に真っ赤な大穴ができた。恐る恐るそこに飛び降りると、開始地点に一番近い部屋に着いた。そうだ、すべて夢だったの……か!? そのとき、パソコンの通知音が鳴る。
パソコンを確認すると、グループチャットにメッセージが来ていた。「よう、久しぶりに集まらないか?」という友達からの誘いのメッセージだった。そこで、奥の部屋にあった7つの南京錠、そして夢の男が「あと6日だ」と告げていたことが、タイトルの『7 Days To Think About It』とつながった。7日間とは、単に記憶テストを繰り返す期間ではない。友達からの誘いに応じるかどうかを考えるために、主人公に与えられた時間でもあったのだ。
主人公は「少しくらいならいいか」と家を出ようとした。だが、どうも様子がおかしい。廊下にあった落書きが現れては消え、台所の死体も現れては消える。冷蔵庫の中は血だらけだ。
奥の部屋に進むと、夢の男が「やっと来たか。ようやく…また会えた」と言ったところで、試遊は終了。なお、製品版には、40種類以上の異変があり、3種類のエンディングが用意されるそうだ。

部屋の様子が投影する、主人公の内面
試遊後、本作を手掛けたsilver978氏にお話を伺った。silver978氏は、イタリア出身のゲームデザイナー・開発者で、本作ではゲームデザイン、プログラミング、ディレクションを手掛ける。他に、saineko氏がアートワークを手掛けており、Mankind Gamesはその2人の開発をサポートする形で参加している。本作は、累計141,000本以上を販売したデビュー作『上に天井がある。』に続く、silver978氏の2作目にあたる。
silver978氏は、サイコロジカルホラーが大好きで、特に『サイレントヒル2』をたくさん遊んだと語ってくれた。筆者はその言葉を聞いて思わず「なるほど!」と大きな声を出してしまった。試遊時、台所のテーブルに横たわる真っ赤な死体を見つけたとき驚いたように、何の前触れもなく日常的な空間にグロテスクなオブジェクトが飛び込んでくる感覚は、『サイレントヒル』シリーズの恐怖体験を思い起こすものだった。
また、本作のビジュアルは前作『上に天井がある。』と比べても印象が大きく異なる。ざらついた映像表現や色のにじみが強調された画面からは、現実と夢の境界が曖昧になった世界を歩いているような感覚を覚える。
本作の主人公は、部屋に引きこもり、友人からの誘いに7日間答えられない男だ。家の中を移動するたびに様子が変化していく不安定さや、どこか現実感の薄い映像には、主人公の不安定な内面が投影されているように感じた。
マルチエンディングにより明らかにされる主人公の内面はどんなものなのだろうか。それに、夢の男も気になる存在だ。彼の名前は「VHSボーイ」。なぜDVDでもブルーレイでもなくVHSなのか、その答えは製品版で明らかになるそうだ。

『7 Days To Think About It』は、2026年7月17日にPC(Steam)にてリリース予定で、現在デモ版が配信中だ。サイコロジカルホラーが好きな方や、恐怖演出を体験しつつも記憶力を試したいという方は、ぜひウィッシュリストに登録しよう。発売日まで待てないという方は、前作『上に天井がある。』も併せてチェックしてほしい。
| 基本情報 | 7 Days To Think About It |
|---|---|
| 開発 | Mankind Games, silver978 |
| 販売 | viviON Lab |
| 配信日 | 2026年7月17日 |
| 言語 | 日本語有り |
| 価格 | 未定(Steam) |
ライター:ばんじーよこすか 編集:LayerQ



