美しいからこそ恐ろしい。花々に覆われた町を探索する3Dクラシックサバイバルホラー『The Florist』ブースレポート【BitSummit PUNCH】

ばんじーよこすか

2026年6月18日

2026年5月22日~24日に、京都府・京都市勧業館 みやこめっせにて開催された「BitSummit PUNCH(以下、BitSummit)」の出展タイトルから、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップして紹介しよう。

なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。

BitSummit | 毎年京都で開催している日本最大級のインディーゲームの祭典 です / Japan’s Industry-Leading Independent Game Development Festival in Kyoto
毎年京都で開催している日本最大級のインディーゲームの祭典 です / Japan’s Industry-Leading Independent Game Development Festival in Kyoto

花々に囲まれた町で謎を解きながら生き残れ

The Florist』は、美しい花々が異常に繁殖した湖畔の町で謎を解き、敵を倒しながら生き延びる3Dクラシックサバイバルホラーだ。開発は、ニュージーランド・ウェリントンを拠点とするUnclear Gamesが手掛ける。

物語の舞台は2000年代初期のアメリカ。主人公である花屋に勤める女性ジェシカ・パークは、ある日急な配達の依頼を受け、湖畔の町を訪れた。目的地に到着すると、そこでは美しい花々が異常に繁殖していた。隠されたアイテムや暗号などの手掛かりをもとに謎を解きながら、この町で何が起きているのかを明らかにするのが本作の目的である。

Steam:The Florist
美しくも人を死に誘う花の咲き乱れる湖畔の町を舞台にしたクラシックサバイバルホラー。巧妙なパズルを解き、恐るべき敵を倒し、想像しうる中で最も非人道的な手段で新たな生命を創造しようとする陰謀の謎を暴こう。

今回の試遊版は、謎の花木に包まれたジェシカが目を覚ますシーンから始まった。本作は、固定カメラ視点のクラシックサバイバルホラーだ。キャラクターの立ち位置に応じて、カメラアングルが場面ごとに自動で切り替わる。操作はいわゆる「ラジコン操作」で、上方向に入力するとキャラクターは自身の正面へ進み、左右の入力でその場で向きを変える。たとえば、キーボード&マウスなら、Wで前進、AまたはDで方向転換だ。画面の向きではなくキャラクターの向きが基準になるため、カメラが切り替わっても操作の感覚は変わらない。

身体にまとわりつく草木を振り払ったジェシカは、ゆっくりと辺りを探索した。そこは、老朽化した屋敷で部屋中に植物が生い茂っており、人が倒れている。壁紙が激しく引き裂かれ、床には何かを引きずった血の跡も残されていた。ここで何があったのだろうか。自身の身を守る武器もない中、恐る恐る先へと進む。

▲目覚めると美しい花々に囲まれていた
▲謎の扉や血痕も見える

血痕をたどっていくと、別の死体を発見。こちらは先ほど見つけた死体よりも損傷が激しく、身体が花木とほぼ一体化していた。どれほどの時間、ここに放置されているのだろう。

不思議なのは、この光景が単純にグロテスクというだけではないことだ。本来ならば、色彩豊かな花々は美しいはずだ。だが、本作ではその美しい花々が人の身体を侵食し、死体と一体化している。美しさと不気味さが一つになった光景が非常に印象的だった。

▲美しい花々と一体化している死体

周りを探索しながら、見つけた鍵を使って2階に進むと、地図を発見。これで一気に探索が楽しくなるぞ! と思ったその瞬間、下の階に謎の怪物がいるのが確認できた。大変だ! まだ武器を獲得していない上に、ラジコン操作もまだ慣れていない状態だ。とはいえ、まだ調べていない場所があるので、引き続き周りを探索する。

「従業員に向けたメモ」を確認した先にあったのは、開閉にコードが必要な重厚な扉。見つけたアイテムからヒントを得てコードを入力して先を急ぐ。最後は、走って追いかけてくる敵にひやひやしながらなんとか出口まで行ったところで今回の試遊版は終了した。

▲画面中央下に敵がいる!

美しさと恐怖が共存するサバイバルホラー

試遊後、本作を手掛けたUnclear GamesのディレクターであるPhil Larsen氏にお話を伺った。Phil氏は、これまで『Fruit Ninja』や『ジェットパック・ジョイライド』など数多くのスマートフォン向けゲーム開発に18年ほど携わってきた。本作は、スタジオとして一作目のタイトルとなる。

Phil氏はホラーゲームが好きで、バイオハザードシリーズサイレントヒルシリーズはもちろん、数多くのインディーのホラーゲームも遊んできた。30年以上ホラーに親しんできた彼にとって、本作はホラーゲームへの愛とリスペクトが詰まった念願のプロジェクト。長らく小さな画面向けのモバイルゲームを制作しつづけてきたからこそ、もっと大きく、もっと怖いものを生み出したかったと語る。

なかでも、本作は1990年代の名作として名高いホラーゲーム『Dの食卓』にインスパイアを受けている。確かに、『Dの食卓』も固定カメラ視点であり、美しい空間と恐怖の共存というコンセプトに通じるものを感じられる。実際に試遊してみても、とりわけ印象的だったのは、花木と一体化した死体や、屋敷に広がる美しい花々そのものだった。そうした美しいからこそ不気味に映る世界観こそが、本作ならではの魅力と言えるだろう。

▲敵が来ている!

スマートフォン向けゲームの開発との違いについて伺うと、Phil氏は、本作の方がはるかに複雑なプロジェクトだと語った。ストーリーをゼロから執筆し、演出を組み立て、探索や戦闘、パズルなどの要素を1本のゲームとして成立させる必要があるからだ。

さらに本作は、継続的なコンテンツやモードのアップデートを前提とするのではなく、完結した1本の作品としてのリリースを目指している。基本的にリリース後もアップデートを重ねるモバイルゲームの制作とは、その点が大きく異なるという。

そんなPhil氏を支えるのは、スタジオの6~8名ほどのコアメンバーだ。立ち上げ当初から携わるメンバーもいれば、短期間だけ関わったメンバーもいる。なかでも、本作の美しい花々を描いたアーティスト・Casey Smith氏は、本プロジェクトに大きく貢献している。

▲美しい花々が、本作ならではの不穏さを生み出している

The Florist』は、2026年内にPC(Steam)・PlayStation 5・Nintendo Switch 2向けにリリース予定だ。プレイ時間は10時間ほどを想定している。クラシックなサバイバルホラーや、美しい花々に覆われた不気味な世界観が気になる方は、今すぐSteamウィッシュリストに登録しておこう。


基本情報 The Florist
開発 Unclear Games
販売 Unclear Games
配信日 未定
言語 日本語有り
価格 未定(Steam
価格 未定(PlayStation 5
価格 未定(Nintendo Switch 2)

ライター:ばんじーよこすか 編集:LayerQ

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