エージェントがコードを書く。エージェントがレビューする。エージェントが承認する。会社はこれを
「スピード」と呼ぶ。ループに残された最後の人間はあなただ。スウォームが出荷したものは、すべて
あなたの名前で世に出る。その先にあるのは苦情、リコール、葬式、あるいは世界の終わりだ。家賃は
1日払い。キューは埋まっている。どのチケットも問題なしと言い張るが、嘘も混じっている。
承認するか、却下するか。
仕事
シフトごとに、小さな事件現場がひとつ渡される。コードを書いたエージェントは動くと言い張り、
レビューボットは承認済み、CIはグリーン。それでも午前2時、ある家族はサーモスタットに暖房を
止められている。依頼書とdiffを読み、好きな入力でコードを動かし、スウォーム全体が見落とした
ものを突き止めろ。
スウォーム
証人はチケットのチャンネルで証言する。コーダー、承認担当、陽気なCIボット、そして残された
もう一人の人間Maya。彼女は一つだけ鋭い質問をして、その後は黙る。それぞれに癖がある。話を
盛るのは誰か、かばうのは誰か、自分のchangelogを信じ切っているのは誰かを見抜け。ツールは
真実を示す。それ以外は証言だ。
自分のやり方で
ゲーム全編をコントローラーで遊べる。AIにプロンプトを送り直して再挑戦を見届けるか、怪しい
1行を見つけて修正案を選ぶ。キーボードを使いたいなら、いつでも使える。言語は本物で、
インタープリターが実際に動かす。判定は挙動を見るため、動く修正なら何でも通る。
それでも出荷する
QAで落ちるコードもある。危険なコードは通る。いつか、注文どおりに動く関数を出荷し、チケットを
三つ進めたところで自分が何を作ったのか理解する。見なかったことにしたいフィールド名と、一方通行
のルートが見つかる。会社は質問しない社員に裁量ボーナスを払う。ボーナスは本物の金で、家賃も
本物の請求だ。最後に台帳が、何をいつ知っていたかを一行ずつ読み上げる。始まりは赤いデプロイ
ボタン。その先を決めるのはあなただ。
副業掲示板
シフトの合間はフリーランスとして働ける。副業掲示板には、できたてのバグを抱えた日替わり契約が
並ぶ。クライアントはQAを飛ばした。事後報告書はあなたの名前で公開される。
収録内容
- 読んで、動かして、書き直せる本物の言語
- 全編コントローラー対応、キーボードは任意
- 癖を読めるようになるAIの同僚たち
- 動く修正なら何でも認める挙動判定
- 「デプロイボタンを赤くしろ」から心に残るチケットへ続くキャリア。今後さらに部署を追加予定
- 日替わりseedで続く終わりのない副業掲示板
- 長く記憶する道徳台帳
- ゲーム内のAI台詞はすべて、本当に機械が書き、人間がレビューした。この皮肉が全体を支えている
- 価格が見つかりません ($4.04)
言語
Python風の小さな言語。自社製インタープリターで動き、1バイト単位で決定論的に処理される。
関数、ループ、辞書、タプル、集合、内包表記、f-string、例外、import、キーワード引数、連鎖比較、
ビット演算子、16進リテラルに対応。型ヒントは構文解析して無視する。どこでも同じだ。gotoを
求めた者はいない。無限ループはステップ上限で止まる。classはない。会社によれば必要ないらしい。