木緒なち氏のメシードソフトウェアが手掛けるタイパ重視アクション『十秒奪取!』リリース時期を発表。開発の裏側が覗ける興味深い配信もチェック!

朝比奈 / Asahina

2025/05/06

2025年5月4日、日本のゲーム開発スタジオ"Messed Software(メシードソフトウェア)"は、デビュー作となるタイパ(タイムパフォーマンス)重視の2Dアクションゲーム『十秒奪取!』の早期アクセス版、および、製品版の価格・発売時期を発表した。

発表内容によれば、PC(Steam)にて早期アクセス版が2025年6月上旬に690円でリリースされ、製品版は2025年夏に990円に価格改定して正式リリース予定。なお、詳細な日程は決定次第またあらためてアナウンスが行われる。

十秒奪取!公式サイト | Meseed Software
タイパ重視型アクションゲーム『十秒奪取!』公式サイトです
Steam:十秒奪取!
『十秒奪取!』は2Dジャンプアクションに、極めて短い10秒という制限時間を設け、新しい緊張感と達成を楽しむゲームです。かわいいキャラクターグラフィックとテンポの良い音楽と合わせて、究極の制限時間を楽しみましょう。

メシードソフトウェアは、ゲームシナリオライター・グラフィックデザイナー・ライトノベル作家(MF文庫J 刊『ぼくたちのリメイク』など)・VTuberなどの多方面で活躍されている、木緒なち氏がちょうど1年前の2024年5月4日に設立したスタジオ。

昨年の「東京ゲームショウ2024」のブース出展で試遊体験版を初展示し、当初は2024年冬頃のローンチを目標に開発が進められていたが、今回ついにその時期が見えてきた形だ。

タイパ重視の『十秒奪取!』とは?

十秒奪取!』は、わずか10秒間の制限時間内にスタートからゴールまでを駆け抜ける、ステージ攻略型のタイパ重視の2Dアクションゲームだ。プレイヤーは主人公の女騎士エリシルとなって、王宮の生活から逃げ出した王女テレナを連れ戻すため、さまざまな仕掛けが張り巡らされた古城へと挑むこととなる。

移動とジャンプという基本アクションに加え、空中ダッシュなどのスキルを駆使して、攻略ルートを突き詰めつつ、プレイヤー自身も上達することでちゃんと10秒以内にクリアできるという実感を得られるところに、繰り返し挑み続けるモチベーションと魅力を感じられるようなゲームとなっている。

基本となるのは、全100ステージからなる「通常モード」で、先述のストーリー展開も楽しみながら攻略にチャレンジしていく。また、競技としてのRTA(リアルタイムアタック)を楽しめるように、連続する各ステージのクリアタイムを並べて表示させるような機能も実装。

さらには、プレイヤー自身でステージを自由に制作することができる「エディットモード」も用意されていて、作りこんだステージはサーバ上にアップすることで他のプレイヤーにも共有することが可能だ。

さまざまな楽しみ方で「10秒間」を刻んでいこう。

木緒なち氏が立ち上げたスタジオの初タイトル! ステージを駆け抜け10秒以内にゴールにたどり着け『十秒奪取!』ブースレポート【TGS2024】
TGS2024『十秒奪取!』ブースレポート。本作は、わずか10秒間の制限時間内にスタートからゴールまでを駆け抜ける、タイムパフォーマンス重視の2Dパズルアクションゲームだ。

▲弊誌では、TGS2024のブースレポートを公開中!

内実まで詳細に語られる報告発表会

今回の発表は、木緒なち氏個人のYouTubeチャンネル(※)にて「メシードの代表が自らゲームの宣伝をする配信『メシ代』Vol.001」と題されてライブ配信されたもの。

放送時点で報告できる内容はすべて出すというコンセプトのもとで行われており、インディータイトルの開発プロセスや、その内実まで垣間見れるという点においても興味深いものだったことも弊誌で紹介させていただいた理由の1つとなっている。

※余談だが、こうした発表配信はスタジオの公式YouTubeチャンネルを使って行われることが一般的だが、チャンネル登録者数の比率とプロモーションへの影響を鑑みてという現実的な理由からこうなったとのこと。

早期アクセスでのローンチを翌月に控えた今、気になる開発進捗率は70%でゲームシステムのコアな部分はほぼ完成しているとのこと。昨年のTGS2024の時点で30%程度の進捗率だったそうで、そこから約半年での進捗状況としては順調と見られる。

それでは残りの30%はどんなものかというと、主にQA(Quality Assurance=品質保証)とバランス調整。そして、アクションというジャンルを前提とした上でのストーリーモードへのシナリオの組み込み調整、ストーリーやチュートリアルなど日本語からの多言語へのローカライズ作業と実装が残っているとのことだ。

技術的な内容を含むものの、開発者向けではなく一般リスナー向けに解説されていて、わかりやすく言語化されているので興味深く聞くことができるのではないだろうか。

また、現時点までの制作費に10,250,000円(端数切り捨て)かかっていることも明かされた。ゲームエンジンはGodotが採用されているが、既存のアセットを使わないフルスクラッチとなっており、開発資金はすべて木緒なち氏の持ち出し。

製品版が990円という価格設定に対して、現時点までの制作費との損益分岐点には約1万7,000本販売する必要がある。これは、Steamで販売した際にValveに支払う手数料30%+諸経費10%を踏まえて計算されたものだが、今後の開発期間と早期アクセス版の価格は考慮されていないので、実際にはそれ以上の本数が必要となるだろう。

この売り上げ本数は小規模のインディーとしては相当のもので、木緒なち氏自身も厳しいことは理解しているとしながらも、たくさんのユーザーに楽しんでもらえるよう、子どものお小遣い程度でも手に取れる価格設定を目指したという思いも語られていた。

ここまで明け透けに語られるのは珍しく、そういった点でも一見の価値がある。番組の終盤ではQ&Aの時間が設けられていて、ライブ配信を視聴しているリスナーからはゲームの細かな仕様、DLC追加の可能性、フルボイス化の展望などのさまざまな質問が飛んでいたので全編は配信アーカイブにてご覧いただきたい。


▲こちらはTGS2024当時の1stトレーラーで、発売時期の表記が古い点にはご留意いただきたい

基本情報 十秒奪取!
開発 メシードソフトウェア
販売 メシードソフトウェア
言語 日本語有り
配信日 2025年6月上旬予定 / アーリーアクセス版
2025年夏予定 / 製品版
定価 690円(Steam)※アーリーアクセス版
990円(Steam)※製品版

この記事で紹介されているゲーム

十秒奪取!

アクション

日本語対応
Loading...
発売日To be announced
ジャンル
アクション

カテゴリ
シングルプレイヤー
Steam実績
フルコントローラサポート
ファミリーシェアリング
ストアページリンク

十秒奪取!

『十秒奪取!』は2Dジャンプアクションに、極めて短い10秒という制限時間を設け、新しい緊張感と達成を楽しむゲームです。かわいいキャラクターグラフィックとテンポの良い音楽と合わせて、究極の制限時間を楽しみましょう。

あなたはプレイヤーである騎士・エリシルとなり、様々な仕掛けを張り巡らせた城を攻略し、拗ねて逃げてしまった王女・テレナを連れ戻すのが目的です。高い身体能力や、スキル、アイテムを駆使して最奥のステージを目指しますが、1部屋にかけられる所要時間はなんと10秒! その短い間にゴールするのは困難だが、何度もリトライして、次第に少しずつ、ゴールへの道をこじ開けていこう。

・通常モードはアイテム有りストーリー有りの大冒険

チュートリアルから難関ステージまで。通常モードは、騎士と王女の珍妙なストーリーを織り交ぜながら、1つずつステージをクリアしていくモードです。その総数は100個。段々とオープンにされていくスキルを駆使し、敵キャラ、仕掛けをくぐり抜けて王女を連れ戻すのが目的です。ステージは何度もやり直すことができます。トライ&エラーでステージの性質を突き止めて、しっかりと攻略しましょう。でも時には運も必要かも。

・エディットモードであなただけの10秒を演出しよう

このゲームには、通常のパッケージにエディットモードが標準搭載されています。これは、ゲーム中に登場するすべてのギミック・演出を使用し、ステージを作ることが可能です。また、作成したステージは、サーバにアップしコードを受け取ることで、容易に他の人たちへプレイしてもらうことが可能です。あなたなら、この10秒という時間の中に、どんなギミックと工夫を詰め込みますか?

・RTAモードやステージセレクトで、目指せ10秒マスターへ。

RTAモードは、その名前の通りタイムアタックに適したモードで、会話シーン等をカットしたり、3カウントのオンオフやステージ数の調整など、併走プレイなどにも使える便利モードとなっています。また、ステージセレクトでは、1度でもクリアしたことのあるステージは、何度も選択してプレイが可能です。苦手なステージを得意にするため、繰り返しのプレイで腕を磨きましょう。