本稿は事前にレビューキーをご提供いただき、執筆しています。
『REANIMAL』は、ある姉弟が行方不明の友だちを助け出し、故郷の島から脱出しようとする物語を描いたホラーアクション・アドベンチャーゲームだ。スウェーデンに拠点を置くゲーム開発スタジオ"Tarsier Studios"が手掛ける。
本作は『LITTLE NIGHTMARES -リトルナイトメア-』シリーズの1作目と2作目を手掛けた開発チームの新作であり、シリーズに連なる作品ではないものの、そのエッセンスを受け継ぎ、磨き上げ、新たな挑戦を加えた作品となっている。
本稿では2026年2月13日のローンチに先行する形で、製品版をプレイしたインプレッションをお届けしよう。もちろん、物語の核心に迫る内容は含めていないので、その点は安心して読み進めてほしい。


弊誌はインディーゲームを中心に扱っているが、本作については元・独立系スタジオ(現在はTHQ Nordic傘下)の新作という観点から紹介している。
謎めいた島を探索し、行方不明の友人を探し出す
先述のとおり、本作ではある姉弟が行方不明の友人を助け出し、故郷の島から脱出しようとする物語が描かれる。
作中冒頭ではボートに乗った少年が海上を進むシーンに始まり、波間に浮かぶ少女を救い上げ、そのまま島へと向かうことになる。島には半ば廃墟のような建物が連なり、設備自体は生きているものの、そこかしこに死体が転がり一見して生きているものの気配は感じられない。

だが、時に出くわす異形の存在は、その姿かたちや行動も相まって脅威そのものであり、2人を見つけ次第捕まえようとしたり、殺そうとしたりしてくる。そして、ついには巨大なケモノのような怪物までもが脅威として現れるのだ。
ストアページには、子供たちの過去が彼ら自身の姿や追ってくるモンスターのデザインに直接影響している旨が記されている。『LITTLE NIGHTMARES -リトルナイトメア-』シリーズでは、登場人物の置かれた状況や内面が具現化したかのようなクリーチャーが数多く登場していたことを踏まえると、本作も単なる恐怖演出に留まらない、ある種の「罪」や「記憶」といった重いテーマ性を伺わせる。その異形さは、プレイヤーに生理的な嫌悪感を抱かせると同時に、この島の成り立ちに対する疑念を抱かせる一因となっている。

また、過去作では一貫してノンバーバルな手法で制作されていたが、本作では姉弟と友人とが言葉を交わすシーンがある。日本語ボイス(吹き替え)にも対応しており、必要最小限に留められてはいるものの彼らの心情をより直接的にプレイヤーへと届けてくれる。とはいえ、全編にわたってセリフが登場するわけではない。Tarsier Studiosのファンにとっては馴染みのある、考察が捗る謎めいたストーリー展開こそが本作の一番の魅力だろう。
なお、冒頭20分ほどをプレイ可能な「体験版」がPC(Steam)とNintendo Switch 2(マイニンテンドーストア)向けにそれぞれ配信されているので、雰囲気を確かめてみたければまずはそちらを試遊することをおすすめしておこう。

姉弟の連携が運命を左右する、探索と逃走のプレイフィール
本作の主人公は2人の少年少女で、作中に名前は登場しない。その関係性について原文では「brother & sister」と表記されており、日本語では配信プラットフォームによってストアテキストに表記ゆれが見られるが、THQ Nordicによると「姉弟」が正しいとのことだ。
アクションは移動・しゃがむ(スニーキング)・ジャンプ・調べるといったオーソドックスなスタイルだが、声をかけて相棒を呼び寄せる動作や、時には武器を手に戦わなければならないこともある。

また、今作では最大2人までのオンライン協力プレイに対応。ソロプレイでの操作キャラクターは少年側の固定となる。協力プレイではフレンドと声を掛け合い、互いの思考を駆使して攻略していくことが醍醐味となるが、ソロの場合でも相棒は自然にサポートしてくれる。
例えば、自分が踏み台になって相棒を高台へ押し上げた場合はちゃんと上から手を伸ばして引き上げてくれるのだ。もちろん、プレイヤーが指示する形でスイッチを押しておいてもらい、その間に開いたルートを通り抜け、回り込んで相棒のための別のルートを開くといったことも可能だ。
さらに、一方が扉や隙間を通り抜けようとするときに、もう一方をその場でちゃんと待とうとするモーションが実装されている。一見して無駄とも思える細やかな動作こそが物事を自然に見せるというが、まさにそのとおりではないだろうか。

ゲームの進め方としては、広大な島を舞台に探索を進めていく。シチュエーションごとに何らかの「障害」があり、周囲を探索してキーアイテムを見つけたり、ギミックを操作したり、時には戦うことで先に進ることができる――という一連の流れを繰り返していく形だ。
脅威から隠れる・逃げるといったシーンでは、ひとつのミスが即失敗に繋がる。その絶妙な難易度のバランス感は、このスタイルの作品を作り続けてきた開発チームらしい手腕を感じさせる。また、新たな試みとしてボートを操作して水没した街を探索したり、車に乗って追いすがる脅威から逃げたりするシーンもあり、より表現力が増した完成度となっていた。
加えて、物語の本筋とは無関係な寄り道要素として、壁面のポスターを剥がすとコンセプトアートが見られたり、少年の頭部を覆う新たなデザインのマスクを発見できたりする。2人とも素の状態でもマスクを装着していることから、例えばペルソナを暗示してるのでは――などと考察も深まりそうだ。

暗闇を照らす灯火と、絆の証明
本作の雰囲気は全体的に陰鬱で暗がりを進むシーンが多く、少年はライター、少女はランタンを使って闇を照らし出していく。小さな光の頼りなさが、この地獄のような島の広大さと底知れなさをより強調しているかのようだ。
本作は、過去作で培われた「静かな恐怖」をベースにしながら、協力プレイという新たな軸を加えることで、孤独なサバイバルとは異なる「協力して共に歩む」という手応えを強調することに成功している。セリフという新たな表現を取り入れつつも、不気味な造形や世界観の構築は、期待を裏切らないTarsier Studios独自の歪んだ美学に満ち溢れている。

『LITTLE NIGHTMARES -リトルナイトメア-』シリーズのファンも、本作で初めて同スタジオの作品に触れるというプレイヤーも、この島で待ち受ける「残酷で美しい物語」の虜になるはずだ。姉弟が手にする小さな灯火が、絶望の果てに何を見出すのか。その結末を、ぜひその目で確かめてほしい。
『REANIMAL』は、PC(Steam)・コンソール(Nintendo Switch 2, PlayStation 5, Xbox Series X/S)にて2026年2月13日より配信開始だ。
| 基本情報 | REANIMAL |
|---|---|
| 開発 | Tarsier Studios |
| 販売 | THQ Nordic, Amplifier Studios |
| 配信日 | 2026年2月13日 |
| 言語 | 日本語有り |
| 価格 | 5,720円(Steam) |
| 5,720円(Nintendo Switch 2) | |
| 5,720円(PlayStation 5) | |
| 5,750円(Xbox Series X/S) |
ライター:朝比奈 編集:LayerQ


















