2026年10月3日~4日に、大阪府・コングレスクエア グラングリーン大阪にて「OSAKA INDIE GAMES SUMMIT 2026(以下、OIGS2026)」が開催された。試遊した出展タイトルから、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップして紹介しよう。
なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。

本稿でご紹介するのは、メタフィクションの2Dプラットフォーム・アドベンチャー『ワカレタナビ』だ。プレイヤーは、大量のバグが残る未完成のゲームを、ナビの指示を頼りに攻略していく。開発・パブリッシングともに、3名からなるインディースタジオProject:Naviが手がけている。
本作は、1年ほど前のUnity1週間ゲームジャムにて制作したフリーゲーム版をもとに、ステージ・シナリオを一新した新作としてPC(Steam)向けに開発中の作品だ。フリー版は、現在もフリーゲーム投稿サイトunityroomにて配信されている。
本稿では、会場にて試遊してみた感想とともに、開発者あおでんぬし氏に実施したインタビューの内容をお伝えしていこう。

ナビAIと協力して攻略する、バグまみれのプラットフォーム
メタフィクション・2Dプラットフォームというジャンルを冠する本作は、その名に違わず、開幕からさっそくメタフィクション全開で出迎えてくれる。試遊版は、このゲームの人間型ナビゲートAIがプレイヤーを認識し、話しかけてくるところからスタートした。
しかも、イベント専用のセリフである。ナビもOIGS2026を楽しんでくれているのかと思うと、なんとも嬉しい気持ちにさせてくれる。
さて、本作の内容はシンプルで分かりやすいものだ。バグだらけで開発中止となってしまったステージ制の2Dプラットフォームゲームを、ナビの指示を頼りに攻略していくというもの。プレイに必要なアクションは、試遊版範囲では移動とジャンプのみ。足場から足場へ移動していって、ゴール用ブロックに触れれば次のステージへ、という流れだ。
しかし、この“ゲーム”は先述のとおり、バグまみれで未完成である。ジャンプ台が見えなくなっていたりエラーが出たり、プレイヤーだけでは進行不可になってしまう場面に多々遭遇する。そんなとき手助けしてくれるのが、ナビだ。
ナビAIは、このゲームの仕様を知り尽くしていて、操作説明から見えないジャンプ台への誘導までお手のもの。ステージ内に存在する各スイッチの仕様についても説明してくれるのだが……中でも強く印象に残っているのが、緑色のスイッチだ。
これは、踏むとナビの人格が入れ替わってしまうスイッチとなっている。もともとのナビは善良で協力的な性格なのだが、スイッチを踏んで入れ替わるのは“間違った指示しか出さず、プレイヤーを失敗に誘導して喜ぶ”という、プレイヤーにとっては困りものの人格。緑のスイッチはひとつにつき一度しか人格を入れ替えられないが、別の場所にあるものを踏めば、同じステージ内でも再度入れ替えが可能である。
「もうひとつの人格は間違った誘導をする」ことを覚え、上と指示されたら下に行くなど、逆のヒントとして進めていくことになるのが新鮮な体験だった。そのためにはもちろん、自分が何回スイッチを踏んでいて、今どちらの人格が喋っているのかを把握しておかねばならない。緑のスイッチを踏まずに進めるルートはないか探してみる、といった攻略も可能で、あの手この手でゲームに対抗するような感触が楽しく、非常に印象に残っている。
このように、メタ的な謎解きが少しずつ操作に織り交ぜられていく流れは、本作ならではの魅力だと感じた。障害物などで直接的に道を塞がれるわけではないのに、パズル的な面白さを感じることができるのだ。
また、試遊版のラストには、OIGS2026限定の謎解きも登場。バグでゴール用ブロックが出現しなくなってしまい、困ったナビとプレイヤーはコンソールコマンドを開いて直接コマンドを入力することに。入力すべきコマンドはゲーム内には存在せず、ナビも知らない内容のため、現実でブースのどこかに隠されているワードをプレイヤーが探すという、リアル謎解きギミックとなっていた。
メタフィクションとはいえ、現実での仕込みまでされているとは思わず、「考えて探して見つけ、入力する」という一連の“プレイ”にともなうワクワク感は、筆舌に尽くしがたいものがあった。ほどよいヒントもあって音をあげてしまうほどの難しさではなく、純粋に考えて探すことを楽しめた感覚だ。
ストア画像にもナビが画面外のヒントに言及しているシーンがあるが、製品版ではどのような仕込みが待っているのか、非常に楽しみになる内容だった。
Steam版だからこそできるギミックへの挑戦――開発者インタビュー
会場では、開発のあおでんぬし氏にお話を伺うことができた。『ワカレタナビ』は、企画・プログラムを担当するあおでんぬし氏と、アートを担当するMlv氏、サウンドを手がける大本悦司氏の3名で制作しているという。
本作は、1年ほど前のUnity1週間ゲームジャムにて制作・公開されたもので、当時の「もうひとつ」というお題から「もうひとつの人格」を連想し、このようなシナリオになったのだとか。現在はPC(Steam)用に完全な新作として開発を進めており、ステージの内容やシナリオを新たに制作しなおしているという。
実際にunityroomで公開中のフリー版も遊んでみたが、画面の半分がバグで欠けていたり、ステージの内容が試遊版とまったく違っていたり……大幅な変更・ブラッシュアップがおこなわれていることを体感できた。遊び心地は異なるが、フリー版も非常に面白いうえシナリオ・ステージともに変化があるため、気になった方はこちらもぜひプレイしてほしい。30分ほどでクリア可能で、あっと驚く仕掛けが待っている。
ステージ内容やギミックについては、やはりアイデア勝負であるため、非常に苦労されているのだそう。Steam版には、今後さまざまなギミックを追加し、これまでにないようなものを組み込みたいという目標があると聞かせてくれた。ウィンドウサイズが変わるギミックや、メモ帳を使ったギミックのような、Steam版だからこそできるギミックを追加していきたいとのこと。
ナビとの会話内容や、特定の行動に対するリアクションなども、設定は引き継ぎつつ新たにすべて書き下ろしているそうだ。会話によってステージ攻略と同時に進んでいくシナリオも、これからどのような展開を見せてくれるのか、非常に気になるところである。
従来のパズル・プラットフォーマーとも、2Dアクション・アドベンチャーともひと味違う、独自の体験が楽しめる『ワカレタナビ』。“考える楽しさ”がぎゅっと詰まっていた印象なので、製品版でどこまで体験が広がるのか、期待して注目したい。
PC(Steam)での発売は、現在2027年を目標にしているとのこと。気になった方は、ぜひフリー版とあわせてチェックしてみてほしい。
| 基本情報 | ワカレタナビ |
|---|---|
| 開発 | Project:Navi |
| 販売 | Project:Navi |
| 配信日 | 2027年予定 |
| 言語 | 日本語有り |
| 価格 | 未定(Steam) |
ライター:しわしわ 編集:レイリー