その一歩が人生を前に進める力を与えてくれるウォーキングシミュレーター『Baby Steps』体験版レポート

朝比奈 / Asahina

2025/06/10

Indie Gemは、リリースを控える期待の作品群から、明日を煌めく原石のようなタイトルを発掘し、体験版を元に紹介していくコーナー!


Baby Steps』は、無職で何の取り柄もない主人公ネイトが、異世界を舞台に一歩ずつ歩みを進めていく姿を描いた物理演算ベースのウォーキングシミュレーターだ。『APE OUT』や『Getting Over It』で知られるGabe Cuzzillo氏、Maxi Boch氏、Bennett Foddy氏が共同で手掛ける。

35歳無職。無気力に自室に引きこもっていたネイトは、ある日、突如として見知らぬ異世界へと飛ばされてしまう。わけもわからぬまま立ち上がった彼はその瞬間、自分でも知らなかった力を発見する――それは「片方の足を、もう片方の足の前に出す」という驚くべき能力だった。

Steam:Baby Steps
あなたがプレイするのは、落ちこぼれで何の魅力もない無職のNate。ある日自分に“特別な力”が備わっていることに気がついた…片方の足を、もう片方の足の前に出すという力だ。

一歩ずつ地面を踏みしめて前進しよう

本作のゲームシステムは、三人称視点で主人公ネイトを操作し、オープンワールドの世界を探索しつつ、自分なりのルートを選んで歩みを進めていくウォーキングシミュレーターだ。

プレイヤーが操作可能なメインのアクションは「左右の足を動かす」ことなのだが、シンプルでありながらこれがとても難しい。

コントローラーでの操作が推奨されているので「Xboxワイヤレスコントローラー」をベースに説明すると、左サムスティックの傾きによって姿勢を保ちつつ体重移動させながら、左足はLT(左トリガー)、右足はRT(右トリガー)を交互に押して踏み出していく。

前進するためには前方に体重をかけつつ、テンポよく左右の足を踏み出していかねばならないが、前に傾きすぎてもバランスを失って倒れてしまうし、LR/RTを押し込んでいる時間が長い分だけ足を大きく上げるので、力を込めすぎても足並みが揃わずこれまた倒れてしまう。

ネイトが飛ばされた異世界は、頭上はるかに高く山がそびえるどこかの山道と思しき場所。道は平坦なだけではなく、自然の段差や人工的な階段、ゴツゴツとした岩石や倒木も転がっているので、姿勢の保ち方も足の踏み出し方も毎回違ってくるのだ。

ちょっとうまく歩けたなと思った次の瞬間には地面を舐めているし、地面が泥でぬかるんでいれば当然滑るので、そんな場所で足を踏み外せば一気に下まで滑り落ちてしまうなんてことも。

0:00
/0:30

小太りの体型にジャストフィットしたワンピースパジャマに、足は裸足のまま。転べば転ぶほどに全身泥まみれになっていく姿に痛ましさすら感じるが、しかし、彼は黙々と歩みを進め、山を登っていく。

これだけ何度も転んだら立ち上がる気力もなくなりそうなものだが、こう見えて意外と不屈の精神を持ち合わせているように思える。

そんな彼だが、実は孤独ではない。この世界にも人がいて、脈絡もなく登場してはことあるごとに話しかけてくる。謎めいた奇妙な人物ばかりだが、彼らの口ぶりからどうやらネイトを助けてくれようとしているようだ。

ところが、引きこもって家族以外に他人と接して来なかった主人公にとって、早く会話を終わらせてその場を切り抜けたいがばかりに、適当な言い訳をして差し伸べられた手も振り払い、靴や地図を提供してくれようとしたのにすべて断ってしまう。

本作は、自分の殻に閉じこもっていた主人公が外の世界へと導かれ、自分自身の力で踏み出していく深いテーマ性が感じられる(たぶん)のだが、製品版では彼の成長した姿が見られるのだろうか。

▲道中で出会う人物は皆、食い気味で距離感が近すぎる

Baby Steps』は、2025年9月8日にコンソール(PlayStation 5)でのリリースに続き、9月9日にPC(Steam)にて配信予定。

今回、2025年6月9日に開催された「PC Gaming Show 2025」に合わせて公開された体験版では物語のチャプター1をプレイ可能。キャンプと思しき場所にたどり着くことでクリアとなるが、その後も周辺を自由に探索可能なので、隅々まで見て回ると思わぬ発見があるかもしれない。

Steam:Baby Steps Demo
あなたがプレイするのは、落ちこぼれで何の魅力もない無職のNate。ある日自分に“特別な力”が備わっていることに気がついた…片方の足を、もう片方の足の前に出すという力だ。

▲体験版のSteamストアページはこちら


基本情報 Baby Steps
開発 Gabe Cuzzillo
Maxi Boch
Bennett Foddy
販売 Devolver Digital
配信日 2025年9月8日 / PlayStation 5
2025年9月9日 / Steam
言語 日本語有り
定価 未定(PlayStation 5
未定(Steam

この記事で紹介されているゲーム

Baby Steps Demo

インディー

アドベンチャー

アクション

日本語対応

APE OUT

アクション

インディー

日本語対応
¥1,700

Baby Steps

アクション

インディー

カジュアル

アドベンチャー

日本語対応

Getting Over It with Bennett Foddy

アクション

日本語対応
¥820
Loading...
発売日2017年12月7日
ジャンル
アクション

カテゴリ
シングルプレイヤー
ファミリーシェアリング
部分的コントローラサポート
タブレットでRemote Play
スマホでRemote Play
解説モード使用可能
ストアページリンク

Getting Over It with Bennett Foddy

特定の人に向けて、誕生した、ゲーム。特定の人を、傷つけるために。

特定の人に向けて、
誕生した、ゲーム。

特定の人を、傷つけるために。


Getting Over It with Bennett Foddyは、懲罰にあふれた“登る系”ゲーム。Jazzuoが2002年に生み出したB級ゲーム“Sexy Hiking”への敬愛の体現でもある。マウスでハンマーを動かしひたすら進む。ただ、それだけ。練習を積むことで、ジャンプ、スイング、登山、滑空が可能に。山頂を目指す挑戦者を待ち受けるのは、偉大なる神秘と素晴らしきご褒美。

Jazzuoによる名言を引用:「登山という行為は、人生の歩み方によく似ている。覚え、うまくやること」

  • ハンマーと大釜だけで、壮大なる山を制覇
  • 問題に対する少し哲学的なコメントも随所に登場
  • 実力に応じて、2時間〜最大で無限に続く苦痛の時間(試験者の最速クリア時間は5時間…しかし平均値は…ほぼ無限)
  • 全ての成果が瓦解する(幾度となく)
  • 今まで味わったことのないレベルの葛藤
  • 頂上に到達した者を待つのは魅惑のご褒美


てんかん警告:このゲームにはいくつかの予期しない要素が含まれています。
てんかんの警告:このゲームにはいくつかの驚くべき要素が含まれています。