2026年9月17日〜20日に、千葉県・幕張メッセにて開催された「東京ゲームショウ2026(以下、TGS2026)」の出展タイトルから、筆者が注目する魅力的なタイトルをピックアップして紹介しよう。なお、基本的には今後リリース予定の開発中のタイトルや、ローンチから間もないタイトル、早期アクセス中のタイトルを対象としている。
本稿では、出展タイトルの中から、筆者が注目した『Dr. Oops!』の試遊レポートと開発者インタビューをお届けしよう。

患者を観察して、正しい病名を突き止めろ!
『Dr. Oops!』は、プレイヤーが怪しげな病院の無免許医師となり、次々と訪れる奇妙な患者たちの症状を観察・診断し、治療で稼いだお金で借金返済を目指すブラックコメディ医療推理アドベンチャーゲームだ。開発はBlack Tower Studiosが手掛ける。

本作には、300人以上のクセの強い患者が登場。患者の症状や見た目、問診票などを手掛かりに病名を推理し、治療薬を銃に装填して撃ち込むという一風変わった診察をおこなう。日中の治療で稼いだお金は、夜の借金返済に充てる。返済額が足りなければ、取り立て人から痛い目に遭わされることもあるのだ。
症状だけでは診断できない! 見た目や会話にも隠された手掛かり
試遊では、複数の候補から正しい病名を推理する流れを体験した。問診票の項目について質問できるが、症状を聞くだけでは答えにたどり着けない。
たとえば、下の画像のように目がバキバキの患者は眠れないと訴え、睡眠薬を欲しがっている。候補となる病名として、時差ボケ・カフェイン中毒・うつ病・睡眠時無呼吸症候群が挙げられているが、不眠という情報だけでは、どれも当てはまりそうだ。患者の様子をよく観察してみると、シャツの胸元に茶色い染みがついている! これがコーヒーの染みだとしたら、病名はカフェイン中毒かもしれない。そこで、カフェイン中毒を選ぶと、ビンゴ! やはり、あれはコーヒーの染みだった。医療の知識ではなく、観察力も試されるところが面白い。
さらに、特筆すべきは患者たちのやり取りだ。患者たちとの会話にはダークなギャグが満載で、アメリカのシットコムを見ているように思わずにやけてしまった。なかでも、ヤブ医者であるプレイヤーにあれこれ教えてくれる看護師ミス・オレンジが、いい味を出している。
ミニゲームと全役フルボイスが生み出す、飽きさせない展開
診察の合間には、ギャングのパンチを避けるミニゲームや、2人の患者の脳みそを入れ替えるクレーンゲーム、心臓マッサージのリズムゲームなども挟まれる。こうした遊びがテンポよく差し込まれ、次は何があるんだろうと、ついつい先に進みたくなった。
キャラクターたちのボイスも本作の魅力のひとつだ。登場する全キャラクターの声を、ディレクターの根岸氏が自ら担当している。女性看護師のミス・オレンジもその1人。根岸氏が高い声色で演じる彼女は、まるでコントの登場人物のようにコミカルだ。独特の声色とお芝居が、本作のダークな笑いをより際立たせていると感じた。
全キャラをディレクター自ら熱演! 5824のセリフに込めたコメディへのこだわり
試遊後、Black Tower Studiosのディレクターである根岸氏にお話を伺った。本作は、スタジオ内の約5名で開発しているという。制作のきっかけは、根岸氏自身が体調を崩したときのこと。インターネットで症状を調べ、病名を絞り込むうちに、「これはゲームになるかもしれない」とひらめいたのだそうだ。もともとダークなギャグが好きだったことから、現在のようなブラックコメディになったという。
続いて、キャラクターボイスについても伺った。当初は、『どうぶつの森』シリーズのような、文字に合わせて音が鳴るブリップ音を使っていたが、試しにボイスを付けてみたところ、非常に好評だったため採用に至ったとのこと。その後、問診票の項目について患者に詳しく質問できたほうが面白いという話になり、会話の仕組みを追加した結果、収録するボイスの量は当初の3〜4倍に膨れ上がったそうだ。
声優への依頼も検討したが、本作ではセリフの加筆修正が頻繁に発生する。そのため、コストや収録スケジュール、修正への対応のしやすさを考え、根岸氏が全役を担当することにしたという。自ら声を当てることで、キャラクターの見た目と声のギャップや独特な芝居を生かし、目指す笑いを演出に反映できると考えたそうだ。
総セリフ数は5824で、リテイクを含む音声ファイル数は、実に8023にのぼる。根岸氏は約10か月にわたり、開発の合間にほぼ毎日2〜3時間、会社の会議室で収録を続けてきたという。
『Dr. Oops!』は2027年に発売予定で、現在Steamで無料体験版が配信されている。製品版の想定プレイ時間は、通常のクリアまでが2時間半~3時間ほどで、隠しルートなどを含めすべて遊ぶ場合は4時間~5時間ほどになる見込みだそうだ。
観察力と推理力を駆使した奇妙な診察、クセの強い患者たちとのやりとりに興味がある方は、ぜひ体験版を遊んでみてほしい。製品版のウィッシュリストへの登録もお忘れなく!
| 基本情報 | Dr. Oops! |
|---|---|
| 開発 | Black Tower Studios |
| 販売 | Black Tower Studios |
| 配信日 | 2027年 |
| 言語 | 日本語有り |
| 価格 | 未定(Steam) |
ライター:ばんじーよこすか 編集:LayerQ